ルパン三世 テレビスペシャル(初期)

ルパン三世のテレビスペシャルのうち、初期の作品を紹介し、私の感想も書きたい。

バイバイ・リバティ・危機一髪

高度な情報システム社会となりつつあった当時、ルパン三世の情報は、ICPOやアメリカ警察など、世界中に出回っていた。ルパンは情報を盗むが、世界中にコピーされていることを知り、盗賊稼業を引退して女と生活していた。しかし、女に振られて、また次元と盗賊稼業に戻る。初老の盗賊仲間のルースターは、世界最大のダイヤモンド「スーパーエッグ」をアメリカ自由の女神像のどこかに隠していたらしい。ルパンと次元は自由の女神像そのものを盗み、隠されたスーパーエッグを探す。また、小さいインテリの男の子から依頼を受けて、秘密結社と戦いながら、謎のコンピューターと一人の女性を探すことになる。個人的にはかなり面白い作品だと感じた。ラストは、ルパンと男の子が、核兵器による世界滅亡を防ぐためにスリリングな奮闘をすることに。大泥棒の悪党ルパンたちは世界を救うことになる。
満足度4

ヘミングウェイ・ペーパーの謎

世界的な文豪、ヘミングウェイが残したとされる謎の文章「ヘミングウェイ・ペーパー」を巡って、ルパンたちは地中海の小さな島へと向かう。昔は平和だったこの島は、ヘミングウェイ・ペーパーが示すとされるお宝を巡って、2つの軍事組織(コンサノ派・カルロス派)が争う闘争の島になってしまっていた。ルパンは、島でバーを営む謎の美女と知り合う。次元と五右衛門はそれぞれ別の(敵対する)組織に雇われて、ヘミングウェイ・ペーパーを巡って争う。ゲストヒロインのマリアとルパンの関係がロマンスを感じる。なお、地中海のド田舎なのに、なぜかマリアのバーに日本酒があるのが謎(笑)
満足度4

ナポレオンの辞書を奪え

未視聴

ロシアより愛を込めて

ロシア帝国(ロマノフ王朝)が残した莫大な金塊を巡って、ルパン一味とラスプートンが争う。ラスプートンは帝政ロシアに仕えた、謎のラスプーチンの子孫である。作品名は007の同名作品からとった。脱線するが、峰不二子はジェームズ・ボンドのボンドガールをイメージしたらしい。少し物足りない。
満足度2

ルパン暗殺指令

ICPOは、担当の銭形警部がなかなかルパン一味を逮捕できないことに業を煮やし、キースという殺し屋を雇ってルパン一味の暗殺を狙う。銭形警部はルパン・次元と酒を飲み交わし、「お前たちをキースが殺しに来る」と伝える。銭形警部は自分でルパン一味を逮捕したいため、ルパンたちを守るといういつもとは違った立ち回りを演じる。また、銭形警部は謎の兵器密売組織のショットシェル捜査の任務に就く。さっさとショットシェルの捜査を終わらせてルパン一味逮捕の任務に戻りたい銭形警部と、ショットシェルが溜め込んだ現金を盗みたいルパン一味の利害は一致し、協力して行動する。ルパン一味と銭形警部は、ロシアから原子力潜水艦のイワノフを盗み出し、ショットシェルをおびき寄せる作戦を実行する。また、カレンというロシア人の美人物理学者を捕えて、ルパン一味はイワノフの操縦方法を教わる。すると、どうもカレンと次元には過去の因縁があるらしいことがわかる。ラストは少し悲しいが、戦いが非常にスリリングで面白い。特にキースはめちゃくちゃ強く、ルパン一味が一致団結してやっと戦えるほどで、苦戦を強いられる。
満足度5(最高)

燃えよ斬鉄剣

かつて、ルパンの祖父であるアルセーヌ・ルパン(ルパン1世)が盗み損なった唯一のお宝を巡って、香港マフィアとルパン一味が争うことになる。そして、そのお宝は、斬鉄剣よりも硬く、斬ることはできないらしい。お宝は昔にアメリカ沖の大西洋で沈没したタイタニック号のある深海に眠っているらしい。五右衛門はルパンたちとは別行動をするが、そこで桔梗という若い女性と再会する。実は、桔梗は伊賀忍者の末裔で、五右衛門が妹のように可愛がった女性であった。桔梗は、妹のように可愛がられた過去と、女としての魅力を武器に五右衛門を籠絡しようとたくらむ。ラストは、お宝の力でつくった、絶対に破壊不可能なステルス戦闘機を香港マフィアがつくり、アメリカ政府を恫喝する。ルパン一味は、世界を救うため、また、五右衛門の「必ず斬鉄剣で斬る」という己の信念のため、無敵ステルス戦闘機と決戦する。寸分たがわず同じ場所を3度斬りつける五右衛門の執念が勝利し、無敵のステルス戦闘機は半分に分かれて破壊され、桔梗は大西洋の藻屑と消えた。この回の主人公は五右衛門であり、五右衛門が己を乗り越えられるかどうかが見どころとなる。歴代テレビスペシャルで最高の視聴率。
満足度5(最高)

ハリマオの財宝を追え

第二次世界大戦中、インドシナ半島で暗躍していた盗賊組織の長であるハリマオは、マレー半島(タイ王国?)のどこかに、財宝を残したらしい。そのありかを知るのは、今ではアーチャー卿というイギリスの貴族(老紳士)のみであった。アーチャー卿は、ジェームズ・ボンドのモデルとなった人物で、ダンディな老戦士でもある。アーチャー卿が参加する保険会社のロイズから、英仏海峡トンネルが爆破されたとの連絡があり、アーチャー卿の全財産を使っても弁済できないことがわかる。アーチャー卿と孫娘のダイアナ、ルパン一味は協力してハリマオの財宝を探し出して山分けすることを約束し、タイ王国へと向かう。ナチスをリスペクトする恐ろしい闇の組織と財宝を巡って戦うことになる。当時はまだコンプライアンスが緩かったため、多少下品なギャグも登場する。ヨーロッパ(オランダ)やタイ王国など、色々な場所が舞台となるため、面白い。
満足度4

トワイライトジェミニの秘密

時価数千億フランというお宝を手に入れるための鍵となる謎の宝石を、ルパンは闇の世界を牛耳るドルーネという老人から託される。ドルーネは、もはや医療チューブなしでは生きてはいけない身体となっていた。ドルーネによると、お宝はアフリカのモロッコにあるらしく、ゲルト族と関係があるらしい。モロッコ現地に到着すると、どうもイゴ族が実権を握り、ゲルト族は反乱分子とみなされ、抑圧されていることがわかった。ルパンは街で100歳を超える老婆から、ドルーネは実は外国人ながらもゲルト族を助けるために戦った伝説の英雄であり、当時美人の踊り子として有名だったゲルト族の王族、ローレからトワイライトの片割れを託されたらしい。そして、ドルーネとローレは恋に落ち、どうも子孫がトワイライトのもう一つを持っているかもしれないとのことだった。どうも、ドルーネは、「世界一の大泥棒、ルパンならば、昔の自分のようにゲルト族を助けられる」と考えて、トワイライトを託したようだ。戦いよりもロマンスがメインの、ルパン三世としては希有な作品である。
満足度4

ワルサーP38

前作があまりにロマンチック路線であったことの反動か、かなりダークでハードボイルド全開の作品である。かつて、ルパンの相棒だった男は、シルバーメタリックのワルサーP38をルパンから奪ってルパンを射殺しようとした。ルパンは九死に一生を得たが、必ず復讐すると誓っていた。ルパンは、どうも謎の暗殺組織が、バミューダトライアングルにある謎の島に本拠地を置いているらしいと情報を得る。ルパンはかつての相棒を殺すため、わざと暗殺組織に入隊する。すると、ルパンは島から逃げられないように、謎の毒を投与される。この毒は、島のガスを吸っていないと24時間で死ぬようになっている。ルパンは暗殺組織から脱却しようとする若い女性のエレンや、医師のドクターの協力を得て、島からの脱出と同時に、かつて裏切った相棒を探すことになる。最後まで読めないスリリングな展開が非常に面白い。ダークなハードボイルドのアニメ作品としては傑作である。ファンからの評価は非常に高い。ただ、ラストは悲しく、後味が悪い。
評価5(最高)

炎の記憶 TOKYO CRISIS

初期ルパン三世テレビスペシャルでは、ワルサーP38と並ぶ最高傑作であると思う。ワルサーP38がダークなハードボイルド作品であるのに対して、こちらはスリリングな戦いと温かいロマンスの両方が楽しめる傑作である。本作の主人公は、ルパンと銭形警部の二人である。徳川の埋蔵金を記した地図と思われるものを巡って、ハーフの若手経営者であるマイケル・スズキとルパン一味が東京を舞台に戦うことになる。一方で、雑誌記者として働く一色まりやは、銭形警部を特集するために取材として同行する。銭形警部は最初はまりやを煙たがっていたが、少しずつまりやの優しさに触れて、恋心を抱くようになる。そして、まりやはなぜか第六感がすぐれており、まるで一瞬先の未来を予知しているようである。この作品の舞台は珍しく東京であり、海外が舞台となることが多いルパン三世としては希有である。首都高速やお台場などが舞台となった激しいバトルアクションが見事である。銭形警部と一色まりやの恋の行方は?!綾波レイや灰原哀など、暗くておとなしい女の子役が多い林原めぐみさんが、明るいタイプの女の子を演じており、声優ファンも楽しめる。
評価5(最高)

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