未曾有の人手不足は因果応報!巨大企業のリストラに対し、日本政府は無策だった!

 クエスト・グローバル・ジャパンの半導体部門でゼネラルマネージャーを務める浜崎博幸氏は、「半導体回路の設計や開発において、日本は本当に必要な人材が足りていないということを痛感している」と語る。

eetimes.itmedia

何というか、因果応報だろう。日本においては、かつて、東芝・NEC・日立製作所・三菱電機などが世界の半導体のシェアの50パーセント近くを占めていた。しかし、現在トランプ氏などアメリカから中国が敵視されているように、当時は日本はアメリカと貿易摩擦をしていた。そこで、アメリカは半導体について、日本に厳しい要求を突き付けてきた。「半導体を輸入しろ」ということだ。これで、仕方なく韓国などに技術供与したり、アメリカから半導体を輸入しているうちに、みるみるうちに日本の半導体メーカーは競争力を失った。多くの技術者がリストラの憂き目にあったのだ。日立・三菱電機・NECの3社が合併してできたルネサスエレクトロニクスは、倒産寸前まで追い込まれて、産業革新機構から資本注入を受けた。

IT業界も似たようなものだ。総合系コンサルティングファームは、2012~2015年頃までは徹夜が当たり前だった。それで、多くの社員を潰し、わざわざ成長の芽をつんできたのだ。体調不良で戦線離脱し、仕方なく主婦になってしまった女性も多い。男性も、ワークライフバランスを求めて都落ちする人が多かった。

そして、現在、未曾有の人手不足である。あまりにも労働者をなめてはいないか?お前たちJTCが人をモノのように扱ってきたからこそ、現状があるのだろう。技術者を大切にしなかった因果応報である。

日本政府に対しても反省を促したい。日産自動車やルネサスエレクトロニクスが経営破綻しそうなとき、政府は何かしたのか?産業革新機構が資本注入するまで、ルネサスエレクトロニクスが苦しみもだえるのを傍観していたように思える。

一つ、提案したい。不況などの景気変動は仕方がない。そのため、リストラをゼロにすることは不可能だ。だが、泣く泣く会社を去った技術者を、技術系公務員や、国公立大学の研究者として雇用するなり、何らかの方法はあったと考えている。半導体エンジニアやITエンジニアだけではない。原子力のエンジニアも枯渇しそうな状況だ。原発を将来的には廃炉すると決めた場合であっても、その廃炉にも原子力エンジニアの技術が必要不可欠なのだ。

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トーマス・レッド(高学歴発達障害・転職王・アマチュア経済アナリスト・ITコンサルタント)
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