学歴・偏差値ではなく、「どのプロになるか」決めて努力するべき!解雇規制が緩和されたら一流大学卒だろうが無意味!

東大などの一流大学という学歴は、昔ほど効果は減ったものの、今でもある程度は機能している。昭和の頃は、東大京大一橋、次いで慶應早稲田と昇進させる順番は決まっていたが、平成以降は実力主義になった。それでも、東大ならば新卒で大企業に入れる。大企業は中小企業とは異なり、労働法に違反した解雇はできない。マスコミにフルボッコにされるからだ。そのため、リストラも希望退職者を募る方法がとられることが多い。つまり、東大などの一流大学卒業であれば、大企業でぬくぬくと安定して長く働くことができた。

それを破壊しようとしているのが小泉進次郎と河野太郎だ。河野太郎は、慶應経済を中退してアメリカのジョージタウン大学に入学、卒業した。そのため、アメリカの価値観(冷徹な実力主義)に染まっているのだと思われる。小泉進次郎は、よくわからない。彼には学歴コンプレックスがあり(ほぼFランクの大学卒業)、一流大学卒業で安定して大企業で働く人が許せないのかもしれない。

まあ、ミクロの、個々人の不安はあえて議論せず、マクロ経済への影響を考えたい。

小泉進次郎は、リスキリングとのセットでの解雇規制緩和を主張している。河野太郎は、解雇の金銭解決(企業が手切れ金を払えば解雇できる)を主張している。

小泉進次郎のほうはリスキリングを「実施した」が条件なのか、「リスキリングが成功した」が条件なのか、「リスキリングが成功して、さらに転職も成功(内定をとれた)」が条件なのか、よくわからない。もし、研修だけやって、能力が身についていないのに会社から放り出されるのであれば、中高年の使えない人たちが失業者としてあふれかえるだろう。

河野太郎のほうはもっと酷い。手切れ金さえ払えば、一方的に解雇できる。リスキリングや転職は関係ない。本当にアメリカと同じような雇用になるだろう。よく、アメリカの映画で「You are fired」とか「明日から来なくていい」などのセリフがあるが、そのような地獄になりそうだ。

そのような労働市場になるならば、東大京大だろうが、一橋だろうが、早慶だろうが、関係ない。即戦力スキルで会社に利益をもたらせます、とアピールし続けないといけないのだ。もはや、大学受験よりも、英会話と資格の勉強のほうが大切になるかもしれない。

さらに悪いことに、小泉進次郎の場合は、リスキリングで転職が条件ならば、日本人の雇用は維持されるかもしれない(まだ正確な彼の主張が不明だが)。ところが、河野太郎の場合は、日本経済が成長しないと判断したグローバル大企業が、日本人を解雇しまくって、安い労働力のフィリピンやマレーシア、インドネシアに本社機能を移していく可能性もある。河野太郎は、非正規雇用の日本人が正社員になるためのチャンスを作りたいと主張するが、後釜が必ず日本人とは限らないだろう。実際、トヨタ会長の豊田章男氏は、「日本ラブの私も、日本から出ていくことを検討したくなる」と発言している。グローバル大企業のトヨタが、国土交通省にイジメられたのがよほど癇に障ったらしい。

日本の大学など無意味になり、英語を話せて即戦力で、海外でも働ける人材でないと、オワコンかもしれない。そして、多くの人がそのように予想して行動すれば、現実に日本国内の雇用は減って、内需も減るのである。経済学における「期待」の効果といわれるものだ。

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