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『もの忘れ顛末記 #35』夫のファンタジーと妻のストレス

おじい77歳    一番そばにいる人からが定番と決まっています


【35話  この女の人だれ? 】


本日のおじい

おじいの脚力はというと  相方(妻)さんとの片道徒歩5分のお買い物 2度休憩が入ります  先日のお買い物では 店に着くやいなやギブアップ あわてて店員さんが車いすを出してくれて・・・・お世話になります


相方さんも同い年  50年におよぶ主婦の感性でお買い物は自分の目で見極めたい  留守番を拒むおじいと おじいの運動不足解消と 主婦の任務と 心の平穏と ストレス発散と・・・・・

おじい
自分の相方(妻)さんの顔は記憶のかなたへ  つい数か月前まで日課にしていた,<散歩> <ウォーキング> という概念が今はもうない

だからもちろんおじいにとってお買い物という言葉は通じない  知らない女の人に ただただ どこかに連れて行かれるだけの苦行のひと時

それでもこの顔のわからない女の人といると ご飯を用意してくれるし 質問できるから なんとなくいつも横にいる人だからついていく


お風呂とトイレへの脚力あり

お風呂タイム
<洗う> という単語が消えはじめる  頭と体を流してもらって湯船につかっていいきもち  暮らしの中でただ一度ほほえむ場面

新しいお風呂のルーティーン

パターン①  発狂
お風呂場でちょこんと椅子に座って待っている  シャンプーをして背中を洗ってもらっていると相方さんをみて
おじい「おまえ だれ?なぜ風呂場に女がいるんだ  誰だ  ここから出ていけ」

パターン②  感謝
おじい「背中流してくれるの? すみませんねぇ  頭も洗ってくれるの? 親切ですねぇ  気持ちいいねぇ」

パターン③  忘却
おじい「なぜわしは裸なんだ  何をする  服を着る  寒い寒い  ここから出せ」


相方さんとストレス
住んでいるこの町は 自転車で15分圏内でひととおり完結できる都会風の田舎町  週に3日か4日は食材の買い出しがルーティンだった相方さん

おじいが相方さんの顔をわすれてからのここ数ヶ月 外出0

おじいのファンタジーで1日があっという間に過ぎていく  その日のファンタジーが終わるころ 家のものが代わりに買い出しに向かいます  22時閉店のスーパーがあるこの時代  あやかります


本当はSDGs的に  地球的に  店員さんのお体的にも  もう少し早く閉めても
いいのかも  でもいろんな時間に過ごすようになっているんでしょ

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