遺産相続にかかる税金(FIREシミュレーション)
わたしはFIREを目指しているので、いろいろな皮算用をするのが好きだ。というか、やっていると不安が解消されるので精神衛生上良い。
今回は遺産相続にかかる「相続税」について概算してみた。
計算のポイント
相続税計算における肝は「基礎控除」「配偶者控除」の2種類がある点だと認識した。この2つが絡み合ったときの計算方法について把握する際に、以下のnote記事が大変参考になったので感謝申し上げます。https://note.com/asset_relief/n/n94e7add3ea22
最初に各相続人の相続金額を計算する
次に基礎控除額を計算する
基礎控除額=3000万円+(600万円×法定相続人の数)
各相続人の法定相続分に応じた課税価格を計算する
その上で、配偶者には配偶者控除が適用され、配偶者以外の相続人には基礎控除が「それぞれ」適用される
配偶者控除は、最大1.6億円まで適用される
基礎控除は、以下のテーブルに基づき適用される
なお、上述の記事においては「債務や葬儀費用の控除」についても言及があるが、当記事においては簡単のために省略した。当記事全体を通して、正確な言葉遣いではない点もあると思われるのでその点はご容赦ください。
シナリオ
簡単のために以下で計算を行った。相続額1億円というのはよくあるFIREシミュレーション上の数字であり、特別な意味はない。
相続額:1億円
相続人:配偶者 + 子0〜2人
相続人:配偶者のみ(子0人)の場合
相続額 1億円のうち、満額の1億円(100%)を家族に相続できる
相続額:1億円
配偶者:1億円(100%)
基礎控除額:3,600万円
合計:3,600万円(=3000万円+(600万円×1))
但し相続人は配偶者のみのため、基礎控除額は計算に用いない
課税価格
配偶者:6,400万円
課税対象
配偶者:0円(6,400万円 < 1.6億円)
相続税額
配偶者:0円
相続額:1億円(100%)
配偶者:1億円
相続人:配偶者 + 子1人
相続額 1億円のうち、9,735万円(97.4%)を家族に相続できる
相続額:1億円
配偶者:5,000万円(50%)
子1:5,000万円(50%)
基礎控除額
4,200万円(=3000万円+(600万円×2))
課税価格:5,800万円
配偶者:2,900万円
子1:2,900万円
課税対象
配偶者:0円(2,900万円 < 1.6億円)
子1:2,100万円
相続税額
配偶者:0円
子1:265万円(=2,100万円×15%-50万円)
相続額:9,735万円(97.4%)
配偶者:5,000万円
子1:4,735万円
相続人:配偶者 + 子2人
相続額 1億円のうち、9,740万円(97.4%)を家族に相続できる
相続額:1億円
配偶者:5,000万円(50%)
子1:2,500万円(25%)
子1:2,500万円(25%)
基礎控除額:4,800万円
4,800万円(=3000万円+(600万円×3))
課税価格:5,200万円
配偶者:2,600万円
子1:1,300万円
子2:1,300万円
課税対象
配偶者:0円(2,600万円 < 1.6億円)
子1:1,200万円
子2:1,200万円
相続税額
配偶者:0円
子1:130万円(=1,200万円×15%-50万円)
子2:130万円(=1,200万円×15%-50万円)
相続額:9,740万円(97.4%)
配偶者:5,000万円
子1:4,870万円
子2:4,870万円
所感
子どもの人数が1人か2人で相続税額がほとんど変わらないのだという気づきを得た。
当然のことながら、遺す資産の額次第でどの程度税金がかかるのかは変わってくる。許容できる割合・金額次第では相続税対策というものを検討することになるのだろう。時間があればより細かいパターンの集計も行ってみようと思う。
配偶者控除が強力である。最大1.6億円を控除してくれるのであれば、庶民FIREで遺せる資産はほとんど控除される印象。子供が小さいうちであれば、遺言により配偶者に100%を遺すものとすれば、家族に対し無税で資産を遺すことができるのではないか、というアイデアをひらめいた。しかし調べると、子は成人になった暁には自身の法定遺留分を請求する権利があるとのことだ。配偶者に100%遺すという遺言が、家族内不和を生じさせる一因になる可能性もあり、積極的には採用しにくい印象ではある。
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