今となっては誰ももう『忖度』という言葉の意味を忖度しない?!
ソンタク【忖度】
・他人の心をおしはかること(大辞泉)
・(「忖」も「度」も「はかる」の意)他人の心を推し測ること。推察。推測。(新潮国語辞典)
誰が言い出したことだか今となっては昔の事で忘れてしまったんだけど、そもそもの言葉の意味が大きく別の方向へ一人歩きしてしまっているこの「忖度」。
誰もこの「忖度」という言葉の意味に「忖度しない」という状況が続き、正しく日本語を使おうとしている身からすれば、なんでもかんでも『忖度』と言うときゃええっちゅうもんちゃうねん! と苦言の一つも言いたくなる。
上記にあるように、類語に「推察」や「推測」という言葉が並ぶように、かなり曖昧な言葉である。
しかしまあ、よくもこんな曖昧模糊とした意味の言葉を、さもパワーワードのように使い始めたものだ。
様々な計画を推進しなければならない、省庁からすれば、前政権で予算の締め付けや、計画の中止、縮小、頓挫とあれやこれやと理由を付けて金は出さずに口だけ出す、過去の自民政権で決まったことは全て金の無駄!と決めつけて削減削減、また削減!とそれだけやっても国庫は潤わず、しかも肝心要の埋蔵金は発見出来ずと、しっちゃかめっちゃか荒らされまくった後、まさに悪夢の六年間が嵐と過ぎ去っての、やっと返り咲いた安定政権だ。
各省庁官僚たちからすれば、「ここでまた連中のつまらないツッコミ受けて政権変われば、また俺たちの計画がどうなるかわからない! この安定を保たないと!」と考えたなると、そりゃあいろいろ配慮し当然『忖度』もしようというもんだ。
むしろ、政治の世界、というか高度な取引感覚が全てを左右するような大プロジェクトを動かす世界では『忖度』ナシでは動かない。
それを鬼の首でも獲ったかのように見せかけた単なる揚げ足取りで「忖度した!」と吊し上げるのだから、まあなんとも気持ちの悪い話である。
正味の話、自分たちも散々その忖度の恩恵に預かってきたであろうに、その「忖度」を悪者扱いだ。
とまあ、思いつくまま書いたが、これはもちろんただの想像であり、真実は異なるかもしれん。
しかし、間違った言葉を使って、相手を貶めようとするのは、やはり日本語を文章を、文字を生業とする者としては、見ていて腹立たしいのだ。
他にも本来の意味と異なる使い方をされて「おや?」と思うことがある。
・唯我独尊
・他力本願
・豹変
などを、ニュースキャスターが平然と読み上げているのに、ついつい眉をしかめてしまう。
いや、せめてあなた方は日本語のスペシャリストであって欲しいのだが。
さてこの三つ、正しい使い方はわかるだろうか?
気になる方は是非、辞書を引いてもらいたい。
この記事は以上です。
購入いただくと、三つの意味が書いてはありますが、
いずれもネットで調べられるものばかりです。
(そのネットの中にも誤用のまま解説されているのが散見されますが)
ですが少しでも共感いただけた、詳しく知りたいとかありましたら
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