明治維新直後の未開の日本を旅する英国貴婦人イザベラ・バードのとんでもビックリ紀行!『ふしぎの国のバード』9巻!ついに目的地蝦夷に上陸!
そんなわけで『ふしぎの国のバード』9巻!
長い行程の果て、明治初期の未だ江戸時代の文明を生きる山村を抜けて青森に到達したバードさんとイト(伊藤)。
折も折、少し風邪気味に陥るバードさんと舟で津軽海峡を渡るのだが……。
よりにもよって大時化の中、当時既に時代遅れのとされていた外輪船に乗ることになる。
あまりの揺れに気分が悪くなるイトとは対照的に弱っていたはずのバードさんは逆に元気に!?
「私 船が嵐に遭うと健康になるのよ」
これは5巻の回想内の船旅でも嵐に遭遇した際にも、やたら元気に船内を駆け回ったことを指して言っているのだろう。
シリーズ徹して読んでいると思わず吹き出すシーンだ。
イトでなくとも思わず「なんでだよ」って言いたくもなるが、残念ながらイトは船酔いで口に出しては突っ込めなかった!
そんな短くも困難な船旅を経て、とうとう北海道、函館に到着!
しかしここから先はさらに文明とは懸け離れた場所へと足を踏み入れることになる!
そこでバードは英国領事から大きな援助を得る。
西欧や中央アジアでもそうであるように、この日本でもロシアの脅威が迫っていたのだ。
そこで英国としてはロシアが極東の派遣を手にするのを黙って見ているワケにはいかない。
その為には北海道を調査する必要があるのだ。
そこで軍事的にではなく、旅行者としてのバードは適任。
彼女に行く先々での優先待遇を記した、いわゆるフリーパスを渡したのだ。
これで今後の旅が少しは楽になる!
と思いきや、イトがバードさんの前の雇い主であるチャールズ・マリーズに連れ去られてしまうところで以下次巻っ!
うぉお! なんつーヒキだっ! 気になるっ!
(※ヒキ:連載ものに於ける最後のシーンのこと)
いずれにしても、日本人の知らないかつての日本人の暮らしぶりや風習が書かれていたりするので、なかなか面白い作品です。
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