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迷宮旅館vol.1『ゼロ・イチ・ニ』を書きました!

いきさつ

2022年にひょんなことから参加した”劇団EXPO’22”でのご縁がつながり、初めての脚本提供をすることになりました。お久しぶりですベリヨです。おかわりなくお過ごしですか?

劇団美辞女『死してなほ』(2022/11)

去年の夏前、まだダブルデックの準備期間中のこと、美辞女の公演をどうするかも決まってなかった頃だった気がします。1度打ち合わせさせていただいて「1つの場所を舞台にそれぞれの作家が作品を書く」という企画内容をうかがい、軽く例として旅館を挙げました。結局、他にいい案も浮かばず舞台を旅館に。第一弾を務める私が旅館の設定を好きに決めて良いというアドバンテージまで頂いてしまいました。

旅館なんて入り組んでる方がいいんだからね。

題材

さてなんの話を書こうかなと悩んで悩んで取材のいらない”脚本家”の話に決めました。なぜなら私の人生で一番打ち込んでいることこそ脚本執筆及び演劇公演であり、細かいディティールを描けると思ったからです。実は演劇を題材として脚本で取り扱ったことはありません。なんならあんまり劇中に”芝居をやってる人”とか”夢が俳優の人”を出さないで済むようにしたいとさえ思っています。私にとって”演劇”は近すぎてフラットな視点で描くことは難しいから。あとなんか恥ずかしいから。

それでも今回主人公・恩田を脚本家に、周囲の人々を劇団員や演劇部員やライター、俳優などでまとめたのは「演出つけるの私じゃないから」の一言につきます。私はあんまりこの脚本に演出をつけられる自身がありません。恩田のモデルは別に私ではありませんが、私が私を描いてる”ようにみえる”こともお客さんからしたらさ、なんだか雑念に思えるじゃん。小っ恥ずかしいよぉあたしゃ。

この芝居の登場人物に基本的にモデルはいません。どこにでもいる人達な気もするし、どこにもいねーだろこんな奴らって気もする。でも演劇をしている人やちょっとでも作り手側に足を突っ込んだことのある人なら共感できてしまう面があるんじゃないかな~あったらいいな~なんて丹精込めてみました。

演劇

高校生で演劇を始めてから十数年、私を取り巻く環境は大きく変わりました。ゼロ・イチ・ニに出てくる菜々子とヒカルじゃないですが、私の高校も活動している演劇部員は実質2,3人で公演は教室に机を積み上げて出ハケをつくり照明や音響の操作を無関係なクラスメイトに頼み込んでやってもらってました。今ではかわいらしいサイズ感ですが劇団を持ち、劇団員を抱え、スタッフさんや役者さんをお呼びして、チケット代なんか取っちゃったりしながら演劇をしています。しかも他所様に脚本提供までしてるんですから人生は何があるかわかりません。皆さん本当にありがとうございます。

ゼロ・イチ・ニに出てくる恩田と朝霞じゃないですが、今でも高校演劇部の時のバディである田原さんや大学演劇時代のバディであるナルミさんに支えていただきながら劇団をしています。また十数年後どうなっているかわかりません。信じられないくらい遠くまで行ってるかも知れないし、その場でぐるぐる回ってるか、はたまたそんな時代もあったわね~なんて言いながら汚い焼き鳥屋で思い出話に花を咲かせているかも知れません。

創作って大変ですけど健気で可愛い行為だなあって脚本執筆中何度も思いました。ちなみに私は今(2024/3/6)、年末(2023/12/31)に書き上げると豪語した台本が全然書けずに劇団員に軽蔑の眼差しで見つめられています。私も旅館に引きこもったろかな。でも次も絶対に面白い台本を書きますし、ずっとずっと辞めません。どうか期待しててちょうだい。

見に行ってね

台本を書いてる人も書いてない人も是非、『ゼロ・イチ・ニ』見に行ってください。私は3回見に行きます。劇場で会った際は台本書け!と罵ってください。いや、やっぱり触れないでください。

2024/3/7~14 学芸大学駅千本桜ホールにて A&Zのダブルキャストに加えて大人のお笑い様がゲスト出演される回もございます!
物販では私がお渡ししたガタガタの最終稿も綺麗に製本していただき売っているそうなのでどうか買って笑ってちょうだいな☺

おまけと宣伝

余談ですがタイトルはかなり終盤慌ててつけました。それまでずっと『カゴのトリ』という仮タイトルを付けてましたが恩田は結構のびのびと缶詰めライフを楽しんでますんでこれは合わないな~と。筆の乗るままに書いた澤井のセリフからタイトルをつけました。どんなシーンのどんなセリフなのかは劇場でお確かめください。

あと無くしてしまった「恩田がチェックインするシーン」より消えたセリフを一部ご紹介します。(気に入ってたから)

中居「じゃ、お部屋までご案内しますね。当館合法スレスレの増改築を幾度となく繰り返しておりますので新宿駅構内・梅田駅周辺に次いで日本3位の目的地への辿りつきづらさを誇っております。」
恩田「辿りつきづらさってもうちょっとスマートな日本語にできませんかね」
中居「私の後をピッッッタシフォローミー。」
恩田「私とミーが重複してますよ」

旧・カゴのトリ 第3稿より

はい。これで本当に最後ですが私が代表を務めます劇団美辞女の公演が4/19~21に上井草駅のエリア543にて上演されます。チケット発売してますので良かったら見に来てください。女5人のへんてこコメディですがなかなか哲学詰まってます。お席がかなり少ないのでご予約はお早めに。2500円。

劇団員の田原です。デザインは私です。
牛丼つゆだくノーサンキュー




劇団美辞女は今年もう1本9月にも公演を準備してます。
対戦よろしくお願いします。

劇団美辞女
ナルミ・うみ・伊織・八隅・ベリヨ

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