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1. チャットモンチー 『シャングリラ』【30歳の音楽振り返り】

30歳になって、好きな音楽を振り返ってみて思うことなどをつらつらと書いてみる。
実質初めての投稿には、この曲を選んだ。

この曲に出会ったのは、2007年、中学3年の時だった。この曲自体は2006年11月にシングルでリリースされているので、初めて聞いたのはリリースされて少し後、ということになる。
当時の僕は、それほどバンドには詳しくなく、どちらかと言えば部活の影響で吹奏楽曲を聴くことのほうが多かった。それでも、チャットモンチーというバンドは知っていたし、話題になっているらしい、くらいの認識ではいた。吹奏楽のほかは、言ってしまえば「流行り」の曲を聞いて、いい曲だなあと思うくらいの中学生だった。
中学校の昼食は給食ではなく、お弁当だった。学校には放送委員会があって、昼には放送委員が選んだ曲が流れた。

そこで聞いたのが、『シャングリラ』だった。

忘れられない出会いだった。
学校の古いスピーカーだから、大した音質ではない。
それでも、イントロのドラム、そこに入ってくるベース、ギター。
4拍子だけでないメロディ。
それが当時の自分にとっては、これまでにない音楽だった。
もちろん、バンドの曲というものはいくらでもあるし、似た始まり方をする曲も、拍子を崩す曲も『シャングリラ』以外にも沢山ある。
それでも、それまであまりそういうものに触れてこなかった自分は、その曲に雷を打たれたような衝撃を受けた。
加えて、「中学校のお弁当の時間」に聞いた曲があれだけの衝撃をもたらしたということ自体が今でも印象的で、忘れられない思い出になっている。

チャットモンチーは、今さら自分が説明するまでもなく有名なバンドである。
「完結」した今でも好きなバンドを聞かれたら挙げるバンドの一つだし、三人体制のころも、二人体制になってからも、どの曲も魅力的で、いつまでも色あせない音楽を残している。
『シャングリラ』のほかにも大好きな曲が沢山ある。
自分はチャットモンチーが生み出した音楽は本当に最高だと思っていて、それを生み出してきたメンバーも最高だと思っていて、「最高」って言葉を使うとなんだか安っぽい気がしていても、それでもやっぱり最高って言いたくなる。そんなバンドだと思っている。
そういう気持ちのスタートが、あの時のお昼時間だった。
流れ出した高橋久美子のドラム。そこに乗る福岡晃子のベース。さらに入ってくる橋本絵莉子のギター、そして歌声。
それを聞いて、自分は「あ、好きだ。」となった。
お小遣いではCDは少し高かった。だから、TSUTAYAでレンタルした。
それを、MDにダビングした。(当時すでにiPodもあったけど、自分はミニコンポとMDプレーヤーを使っていた。)
それで、どの曲やアルバムを入れたかを書いたラベルをMDに貼った。
そういう記憶と一緒に、チャットモンチーの『シャングリラ』が自分の中では流れてくるのである。

ところで、歌詞のことは初めはよく分かっていなかった。そのメロディや歌声に惹かれて興味を持ったものの、中学生の自分にはむしろ小恥ずかしいと感じられるものだったことには、CDをレンタルしてから気づいた。
とはいえ、そういう感情以上にこの曲には自分の感情に訴えてくるものがある、いわば「刺さる」曲だった。
チャットモンチーはその活動期間を通して高い評価を得ているバンドであるのは言うまでもなく、おそらく自分がここで『シャングリラ』に出会っていなくてもいつかチャットモンチーを好きになっていたのではないか、と思う。
けれど、当時は中学生。中学生はその時に感激したものを親と思って一生ついていくので(?)、やはり中学の頃に出会ったということが今になってもこれだけ感慨深く思えることの要因なのかもしれない、とも思っている。

あまりに有名だし、改めてチャットモンチー聞こう、と思う時は実は少ないのかもしれない。けれど、聞くとやっぱり最高だし、感激できるのは間違いない。
ふとした時に「いいなあ。」って思えて、改めていいバンドだなあ、なんてことを思う。


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