【期待値と収束】回収率と絡めて
繰り返しになりますが、私が用いている「オッズ馬券法」とは、オッズのみを解析して指数を算出するものです。このような仕組みを開発するくらいですので、私はデータや数字の解析が好きで、そして何よりも必ず馬券で収支をプラスにするという強い意志を持っています。馬券の購入にあたって期待値や収束という言葉に魅力を感じる方はぜひ読み進めていただければと思います。
期待値とは、簡単にいうと1を賭けて1回勝負したときに、いくつになることが期待できるか、というものです。馬券購入においては期待値が1を超えると、馬券で勝てる”はず”というわけです。ここで重要なことがあります。確率には歪みが必ず生じるということです。例えば10回じゃんけんをした場合、必ずしも5勝5敗になるわけではありません。ただし、回数を重ねていけば徐々に勝つ回数は試行回数の1/2に近づいていくのですが、これが確率の収束です。ではどれくらいの施行回数が必要なのでしょうか。細かい話は抜きにして、ざっくりというと、確率分母の100倍の試行回数をこなすと、およそ95%の確率で誤差20%になると計算できます。じゃんけんの例でいくと、勝つ確率が1/2なので、2×100=200回じゃんけんをすれば95%の確率で勝率が50%の±20%、すなわち40%から60%の範囲に収まります。言い換えると200回じゃんけんをすると95%の確率で勝つ回数が80回~120回に収束するといえます。
前置きが長くなりましたが、競馬に当てはめてみましょう。
勝率が10%の馬の単勝を買います。勝つと思って買っているので、単勝倍率は10倍以上のはずです。仮に13倍とします。この場合は期待値は1.3となります。ではどのくらいの回数を同条件で購入すれば実際に勝てるのでしょうか。先ほどの計算式を当てはめると、勝率が1/10ですので1000レース購入すれば、95%の確率で勝率が8%~12%におさまります。この場合回収率は104%(13×0.08=1.04)~156%(13×0.12=1.56)になります。逆に考えると5%の例外を除けば、1000レース施行回数を重ねてもなお収支がマイナスであれば、勝率が10%という仮定が誤りと言えます。3場開催ですと1日に36レース、1週間に72レースありますので、13~14週間あれば馬券購入理論の正誤がある程度判断できるわけです。
ところが3連単の場合はどうでしょうか。500倍の倍率は珍しくない馬券種ですが、この場合は50000レースこなして初めて馬券購入理論の正誤が判断できるということになります。中央競馬での年間総レース数は3450レースほどですので、50000レースこなすのは大変な時間がかかります。つまり3連単では仮に期待値が高かったとしても確率が収束するほど試行回数をこなすのは現実的には困難ということです。
(実際には3連単は1点買いすることはほぼなく、1レースで100点もしくはそれ以上購入することも多いかと思います。この場合は各々の馬券で勝率が大きく異なるためかなり複雑になりますが、あくまでもここでは概念的なお話として読んでいただければと思います。)
では収支は何に左右されるかというと、確率の収束が期待できない以上、早めに大きな配当の的中がくるか否か、つまり運だのみということです。
現在、私は12種類の指数を算出し、11月16日からのデータを用いて実際の回収率の算出を試み始めていますが、単勝馬券を対象としているため3-4か月でかなり確からしい結果が得られるということになります。適宜途中経過をアップできればと思います。
下記のグラフは今現在用いている指数別の単勝と複勝の回収率のグラフです。
横軸の0.50のところは指数が0.50以上の馬を前例購入した場合の回収率を示します。指数が高くなるにつれて回収率が高くなる傾向がありそうです。
このデータは4週間の統計ですので、あと10週ほどデータを積み重ねればグラフの信憑性がかなり高くなります。
今のところ11月16日からデータを取り始めた12の指数の中で、下記指数よりも回収率がよい指数はいくつかありますが、まだまだデータの蓄積が必要ですね。
【私の結論】
独自の予想法で指数を算出して馬券を購入する場合、その指数が実際に有用かどうかを判断するためには単勝または複勝が現実的。3連単などの馬券種では期待値と収束の観点から指数の有用性を確認することは非常に困難である!