ミドルスクールPOXガイド:お悩み解決編
はじめに
POX使用者が微々増する中、ミドルスクール有識者にとって周知の内容も新規使用者目線で考えると「これってどうなの?」「今更聞けないけどこれは…?」が出てくるかもしれません。そういった誰にも聞けない部分に注目し、自分でも試合を通して実際に起こった事案や聞かれた質問のごく一部をここに記します。
POX(悪疫)というカードの処理順について
テキスト:
各プレイヤーは、自分のライフの端数を切り上げた3分の1を失う。
その後各プレイヤーは自分の手札にあるカードの端数を切り上げた3分の1を捨てる。
その後各プレイヤーは自分がコントロールするクリーチャーの端数を切り上げた3分の1を生け贄に捧げる。
その後各プレイヤーは自分がコントロールする土地の端数を切り上げた3分の1を生け贄に捧げる。
POXは1回の呪文で書いてある順番通りに4つのイベントが起こります。また、それぞれの処理については唱えたタイミングを参照するのではなく、上から順に解決する際の状況を参照します。解決順は非常に重要なファクターであり、それによって損得が発生し、墓地に置かれるカードの順番も変わってきます。
(墓地にあるカードの順番が関係ある、というのがミドルスクール的でとても良いですね!)
例1:
POXのライフロス効果で対戦相手のライフが0になった。
→その後のハンデス効果や生け贄効果に伴い何かしらの回復手段や相打ち手段が誘発するとしても、それらはPOX解決後にスタックに積まれるため、POX解決時点の状況起因処理をチェック、勝利します。
POXの解決中にスタックを介さない回復手段があった場合は生き残りますが、そんなものはねぇ(はず)。
例2:
POXのハンデス効果で尊大なワーム等々が捨てられた。マッドネス効果により追放領域へ置く置換効果が適用。マッドネスコストを伴う誘発型能力イベントが発生。
→POX解決中であるため、この時点ではコストの支払いもマナ能力の起動もできません。尊大なワームは追放領域にあり、POX解決後、マッドネスの誘発型能力「マッドネスコストを支払うことで唱えても良い」がスタックに積まれ、解決後にマッドネスコストを支払う→尊大なワームがスタックに積まれます。
これが解決した場合、ほぼ無人の荒野にゲームを決定付ける4/4ワームが着地します。
気をつけるべき点はPOXがスタックに積まれたタイミングで、対戦相手がマナ能力を起動するかどうか。ここでマナを出している場合、POX2番目のイベントで自分の手札に何を残すかどうかの判断材料にもなり得ます(重要)。
友人とのフリプ等では快く説明をして差し上げ、POXerの紳士性を上げ互いを高め合いましょう(大会は厳しく行こう)。
対戦相手目線であれば、POXヤローは4枚の土地を見るとPOXしたくてうずうずしてるので撃たれると思っておいてください。撃たれたら解決前にマナを出しておきましょう。やり忘れて解決に入るとマナを出せないまま土地二つ生け贄、ワームもあの世行きで目も当てられません。
似たような挙動で十二足獣がいますが、これはハンデスイベント時の置換効果によって即座に場へ出るため、生け贄の餌食になります。
※全く理解してなかった頃、POX解決中にハンデス!マッドネス!生け贄!やっぴー!とか思ってました(^p^)
例3:
POXの解決で参照するカードの枚数は、POXを唱えた際の枚数ではなく、その効果を上から順に解決する際、それぞれのタイミングにおける枚数を参照とする。
自分の場にクリーチャー×1・沼×3・ミシュラの工廠×1という条件下でPOXを唱えた場合、何もしなければクリーチャーを1体生贄、土地を2つ生け贄となり3つのパーマネントを失うこととなる。
→POXを唱えた際にミシュラの工廠クリーチャー化をスタック、またはそれ以前にミシュラの工廠をクリーチャー化しておきましょう。POXの解決順としてはクリーチャーを先に生け贄、次に土地の生け贄となるため、ミシュラの工廠を含めた2枚のクリーチャーからミシュラの工廠を生け贄に選び、次に解決中の土地の数を参照して3枚のうち1枚生け贄とする事でパーマネントの損失は2つに抑えることができます。
POX算について
1/3繰り上げで生贄を要求するPOX(悪疫)。
多くのマッチをこなしていくには、素早いPOX算が必要です。
理屈から言えば損失の数え方は対象となる数字を3で割った数。余りの出た分は繰り上げにつき+1としてカウントする事で損失分が出ます。
POXを撃ち慣れてくれば自然と脳内でPOX算が行われ夢にまで出てくるようになりますが、慣れるまでがなんだか悩みの種。
「俺ぁ10の上は全部"たくさん"だからよぉ…」
そこで、悩めるPOXerとその対戦相手に向けて、しばらく前からカンペを用意しました。
見方としては【POX前の数字…POX後の数字】としています。
お気付きでしょうか。POX後の数字が同じになるタイミングがいくつかありますね。POX後の数字が同じになる数のうち、POX前の数字が大きい方が損失数が大きいということ=その数字でPOXを撃つ事が最も効果が高いということになります。
個人的には損失する数ではなく損失後の数で計算していく方が勝利に近いと思っているのでこんな表になりますが、人それぞれです。とにかく対戦相手に対して最も効果が高く、自分に対して最も効果の低いタイミングをコントロールしてPOXを唱えましょう。
海外のPOXerはなぜか皆カードサイズでこのような共通のカンペを持っており、コミュニティの深度と愛と歴史を強く感じます。日本にも送ってくんないかなマジで。誰かツテとかないかなマジで。
最後に
役に立つ情報はあったでしょうか?(ねぇよ)
「これってどうなるの?」
「こういう時はどうしたら…」
そんな疑問もPOXを撃たなければ始まらない!
みんなでPOXを撃ち込みましょう!!