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2024年度コンクリート診断士第5問解説
では、表題の問題から取り組んで行きましょう。
アルカリシリカ反応によるコンクリートの膨張に関する次の( 1 ) ~ ( 4 )の記述のうち, 最も適当なものはどれか。
(1)アルカリシリカ反応によるコンクリートの膨張量は、コンクリート中に含まれる反応性骨の量が多いほど大きくなる。
(2)アルカリシリカ反応によるコンクリートの膨張は、コンクリート中の細孔溶液の水酸化物
オン(OH−)濃度が低いほど促進される。
(3)アルカリシリカ反応によるコンクリートの膨張速度は、 コンクリートの中性化が進行する大きくなる。
(4)アルカリ金属イオンの一種であるリチウムイオンには、アルカリシリカ反応によるコンクリートの膨張を抑制する効果がある。
正解は(4)になります。
一つ一つ解説していきます。
(1)はペシマム量のことです。ペシマム量とは、膨張量が最大となる、ある一定の反応整骨材量のことを指しています。反応整骨材がどんなに多くても、それと反応するコンクリート中の水酸化物イオンとの兼ね合いがあり、膨張量の最大値が定まります。
(2)これは誤りです。水酸化物イオン濃度即ちアルカリ性の濃度と関係するところですが、問題文のままではアルカリ性が低いことを指しているため、膨張は促進されません。
(3)中性化とアルカリシリカ反応による膨張量は関係性がありません。
(4)は暗記してください。亜硝酸リチウム含浸剤を腐食した鉄筋に塗ることで不動態被膜を復活させ、コンクリート表面に塗ることで染みこんだものが骨材のアルカリ反応を抑制します。