THIRDのAIエンジニアが、世界最大のデータサイエンスコミュニティKaggleのコンペティション部門で最高位のKaggle Grandmasterに昇格しました!
世界最大のデータサイエンスコミュニティKaggleにて開催されたコンペティション「USPTO - Explainable AI for Patent Professionals」にて、当社所属のAIエンジニア鳥羽駿介が準優勝を収め、同コミュニティのコンペティション参加者に与えられる最高位の称号「Kaggle Grandmaster」に昇格しました!これにより、当社所属のKaggle Grandmasterは2名になりました!
Kaggleとは、Google社の子会社が運営する世界最大のデータサイエンスコミュニティです。同コミュニティのコンペティションでは、企業や団体などが解決したい具体的な課題を設定し、その課題に対して参加者が機械学習を用いて効果的な解決策を提示します。参加者には、成績に応じてメダルが付与され、メダルの通算獲得枚数によって称号が与えられます。
今回のコンペティションでは、ユーザーが検索したい特許文書の一覧に対して、できるだけ多くそれらの文書を効率的に検索できるようなクエリを出力するという課題に取り組みました。鳥羽は、高速な自作の検索アルゴリズムを元に、クエリを最適化するヒューリスティックなモデルを作成し、世界各国571チーム中2位を獲得しました。
鳥羽はこれまでKaggleのコンペティションで、チームとして金メダル2個、個人として金メダル2個を獲得しており、今回のコンペティションで個人として3個目の金メダルを獲得し、通算獲得金メダルが5個に達したことから、Kaggle Grandmasterに昇格しました。Kaggle Grandmasterは世界に20万人以上いる全参加者の上位0.17%のみに付与されている最高位の称号です。(※2024年8月時点)
Kaggle Grandmasterになるには、金メダルを5つ以上獲得する必要がありますが、その中に「ソロ金」(チームを組まずに一人で金メダルを取ること)が含まれる必要があります。鳥羽はこの「ソロ金」を3つ獲得している中でのGrandmaster昇格となり、さらに今回の準優勝を一人で達成しており、Grandmasterの中でも卓越した実力を持つことが分かります。
鳥羽のKaggleでのこれまでの実績はこちら。
先日、当社ウェブサイトにて鳥羽のインタビュー記事を公開しました。THIRDに参画した背景や、現在の業務内容、今後のチャレンジなどについて語っていますので、ぜひチェックしてみてください!
「コンペの戦績があれば未経験でも採用。AI開発部は技術向上を目指すエンジニアが自由に働ける場所」
当社では、CSO(チーフ・サイエンティフィック・オフィサー:最高科学責任者)である今村もKaggle Grandmaster取得者であり、鳥羽は当社で2人目のKaggle Grandmaster取得者になります。
■鳥羽駿介コメント
目標としていたKaggle Grandmasterに昇格できてとても嬉しいです。
KaggleはちょうどTHIRDに入社した5年前頃から始め、当初は機械学習についてほとんど知識がない状態からのスタートでしたが、今村さんを初めとした社内外問わず様々な方々の手助けもあり機械学習コンペでの勝ち方を学び、最終的には個人としての金メダルを3枚獲得した上でGrandmasterを達成できました。
Kaggleで培った知識は業務においても実際に役に立っている実感があり、例えばKaggleのコンペと似たようなタスクが出てきて、同一の機械学習の手法を用いて精度改善に成功した経験もあります。今後も様々なコンペに参加して機械学習の知識を深めつつ、会社に還元できるように努めたいと思います。
■CSO(チーフ・サイエンティフィック・オフィサー:最高科学責任者)今村安伸コメント
ご入社直前に一緒にPredicting Molecular Propertiesに出た頃を懐かしく思います。
当時まだ鳥羽さんはTitanicという常設の練習用コンペしか経験がなく、Kaggleはほぼ未経験に近い状態でした。 少し助言して何かコツを掴んでもらえたらとチームを組みましたが、 毎週しっかり調査と試行錯誤を繰り返してくれた鳥羽さんに引っ張られる形で、 最終的にチームマージも込みで2737チーム中で29位となりました。
鳥羽さんはその後も、すぐに私なしでも銀メダルを持ち帰る様になりました。 Mechanisms of Action (MoA) Predictionというコンペで、暫定1位がどういう景色なのかを一緒に見に行ってから少し後、 鳥羽さんは、社外の方とのチーム金や、お一人でのソロ金を持ち帰る様になります。
その後、一緒にチーム金を取ることが1度あったものの、私の手はすでに離れており、一人で学んで一人で強くなっていく鳥羽さん。
それだけでなく、コンペで持ち帰ったスキルセットを業務へ活かしていく鳥羽さん。
更に、社内の人をKaggleに誘ってくれる鳥羽さん。
Kaggleだけでなく、AtCoder Algorithm部門は、入社時青(Aランク)だったのが橙(SSランク)まで強くなる鳥羽さん。
入社後に開設されたAtCoder Heuristic部門でも、赤(SSSランク)を獲得してしまう鳥羽さん。
AtCoderの企業対抗戦では、第1回の悔しさをバネに攻略を考え、第2回での優勝を果たしてしまう鳥羽さん。
若い頃に「成長速度に勝る競争優位性なし」という言葉を見かけ、それは私のことだと思って生きてきましたが、私以上に成長の速い鳥羽さんを日々目撃しております。 影ではたくさんの努力を積み重ねているのだろうなぁと思うと、僕もまだまだ負けてられない気持ちになる次第です。
今回、Kaggle Grandmasterに昇格されたのは、そうした日々の弛まぬ成長の結果であり、 これからも何かしら色々なところで鳥羽さんのご成長とご活躍を目撃できることを楽しみにしております。
■THIRDのAI開発部およびAIエンジニア採用について
THIRDのAI開発部では、AI建物管理クラウドシステム「管理ロイド」や、AI自動見積査定システム「工事ロイド」の運用時に発生する膨大なデータを用いてプロダクト開発をしています。また、不動産デベロッパー様やスーパーゼネコン様向けにAIの受託開発も行っています。
部内では、週に1回社内勉強会を開催し、持ち回りで資料を作って発表しています。プログラミングコンテストで試した技法についてや、プログラミングや数学と関係ない自己啓発的な話など幅広いテーマで、メンバー間で知識の共有を行っています。
今回のようなプログラミングコンテストの参加も奨励されており、一部のコンペティションでは一定の範囲内で業務時間中にチーム内でコンペティションに関するミーティングを行えるなど、技術力向上を後押しする環境を整えています。
当社では、アルゴリズムやヒューリスティクスに長け、深層学習にも興味を持つ熱心な技術者を歓迎します。各プログラミングコンテストの「レーティングの高さ」を重要な採用基準とし、競技プログラミング出身者も積極的に採用しています。 Kaggle Grandmaster取得者をはじめ、様々なコンペティションや競技プログラミングで活躍しているメンバーが多く在籍しています。
当社は、チャレンジ精神旺盛な方々と共に、技術革新の最前線で活躍する機会をご提供します。ご興味をお持ちの方は、ぜひTHIRDの採用情報ページをご覧ください。あわせて、CSO(最高科学責任者)今村のインタビュー、AIエンジニア鳥羽のインタビューもご覧ください。
採用サイト:https://third-inc.co.jp/recruiting/index
CSO(最高科学責任者)今村インタビュー: https://innovators-career.com/interviews/3EtkKAYjrkqo9niugxZFJ5