アジカンは聴くけどナンバーガールを聴かない理由
結論から言うと「聴かない」んじゃなくて
「聴けない」んだと思います。
少なくとも僕はそうでした。
タイトルの「アジカン」は
「テナー」「時雨」「ベボベ」など
お好みのバンドと置換していただいて大丈夫です。
好きなアーティストの好きなアーティストを聴く…
ルーツを辿る、なんて言い方をしますね。
共通点やオマージュを発見できたりと
なかなか楽しい行為ではあるのですが、
インターネッツに情報が溢れ、
オススメ機能の発達した現代では
知見の広め方としてはかなりマイナー
比較的難易度も高いと思います。
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僕が初めて透明少女を聴いたのは
中学生の頃だったと思います。
正直、何が良いのか全くわかりませんでした。
(今は無条件で涙を流せるくらい好き)
今振り返るとその原因(の一つ)は
音質のギャップにあるのではないかと
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■メジャーっぽい音
ナンバーガールのメジャーデビューアルバム、
『school girl distortional addict』は
一度東京でレコーディングを行ったものの
なんか"メジャーっぽい"のが気に食わなくて
地元福岡で再レコーディングし、リリースに至った
という逸話を持っています。
我らがthis is向井秀徳もこのように語っています↓
「メジャーっぽい」というのは、音質の話です。音の質感に、確実に「メジャーっぽい」ものと、そうでないものがあるんです。特に「日本のメジャー」の音質というのがあります。
むっちゃいい機材で、むっちゃ丁寧にやるんですが、これが、きれいになりすぎなんです。「いろんな人たちに伝わるように、わかりやすく作りましょう」というプロダクションなんですが、それが小っ恥ずかしい。「私、そんなきれいな体じゃないですから」って。
https://www.buzzfeed.com/jp/keijiroabe/this-is-mukaishutoku
向井氏のメジャーへの反骨思想が詰め込まれた
『school girl distortional addict』は
まさに「メジャーっぽくない音」が鳴っています
具体的には
・全体的にリズムがうねっている
・ボーカルがかなり小さくピッチも不安定
・曲の冒頭で「ブーン」ってノイズが入る
みたいな部分に現れてますね。反骨思想が。
まあそういった部分を抜きにしても
20年前の音像なので、
流行りの音楽しか聴いていない人には
かなりローファイに聴こえると思います。
音圧的にもなんか物足りないし。
余談ですが、僕が初めてビートルズを聞いたとき、
ボーカルがずっと左耳から聴こえてくるのが
気持ち悪すぎて15秒でリタイアしました。
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■解決策は「慣れ」しかない
僕たちは、たとえるなら
ホロッホロの牛すじ煮込みばっか食べすぎて
咬筋力を失っている状態。
なので極厚ステーキが噛めない。
噛めないので美味しさがわからない。
この状態を脱するために
何が必要かというと
それは「慣れ」しかないと思います。
音質に覚えた違和感を忘れるまで
聴きまくるしかない。
肉汁が溢れてくるまで噛むしかない。
そうするうちに美味しさに気づけるように
なるわけです。
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これは一見シンプルな解決策ですが、
忍耐の足りない現代っ子にはまあ厳しい。
というか視聴環境が今と昔ではまるで違ってる。
インターネッツで検索して
ちょっと気になったら
YouTubeや各種サブスクでパッと聴けて
気に入らなければすぐに飛ばせる。
お金も労力も全くかかってない
特に良さも分からない曲を
慣れるまで聴き込むなんて
やらないし出来ないですよね。
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■まとめ
音楽やっている人からすると
当たり前なことをつらつらと書いてしまいました。
知り合いに見られたら笑われそうだ。
この記事で何が言いたかったのかというと
楽曲の音質とか音圧って
音源のクオリティに関わる要素であって
楽曲自体の良し悪しとはまた別軸ってことです。
往年の名作映画って今見ると
画質も悪いし、CGもクオリティ低いけど
それでも滅茶苦茶おもしろくないですか?
それと同じだと思うんです。
体裁が気になって中身に目が行かない
勿体ないですよね。
逆に言えばそこさえ気にならなくなれば
聴ける音楽の幅はぐっと広がるし、
好きなアーティストもどんどん増える。
好きなものは多いほうが人生楽しい気がするので。
ぜひちょっとだけ頑張って聴いてみて欲しいなと
思う次第です。
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うわ〜老害っぽい記事になっちゃいました…笑
今回はこの辺で勘弁してください。
読んでいただいてありがとうございました。