しゃおぴの歌世界 (ちょこはちくんを語りたい ep.6)

ちょこはち(chocol8 syndrome)レポート、略して“ちょこレポ”、第六回をお送りします。
突然ですが今回はまず、色々な楽曲のことを「語りたい」していくにあたっての大前提、のようなものをお話させていただきます。

ちょこはちに限らず、基本ヴォーカルのひとが作詞している歌が好きです。
歌を唄っている、そのひとから生まれた言葉として聴くことができるから。
作詞者が別だと、どこか頭の片隅に“借り物の言葉では?”という思いがちらついてしまうのです。
(賛否あるとは思います)

また、演奏技術だとか、音楽的な表現のことがよくわからない人間なので、“曲”という視点ではどうしても「かっこいい」とか「めちゃめちゃ好き」といったIQ低めのコメントになってしまいます。ああ、語彙力低下社会なのね。
(伝わる人だけ伝われ)

以上のことから、どうしても僕のちょこはち評は、行き着くところ“しゃおんちゃんの評価”のようになってしまうかと思います。
そのしゃおんちゃんの歌世界を作り出す環境としてchocol8 syndromeというバンドがあるのだから、巡りめぐってバンドの評価、ということにもなってくれるのかな。そう読んでもらえたらいいな。

ということで、今回はヴォーカル・しゃおんちゃんの作詞力、表現力にスポットを当てて書いていきたいと思います。
あ、説明が遅れましたが、タイトルの“しゃおぴ”というのはしゃおんちゃんの愛称です。

面白ワード(?)の使い方

出会いの曲「オールでPPP」についても、最初の最初に心に引っ掛かった要素のひとつに「ねむたみ」というワードがありました。
字面でわかると思いますが、眠気・睡魔のことです。
独特の言語表現をするんだなあ、と。
なんの説明もなく(歌の中でされても困るが)、あたかも正しい日本語として存在するかのように歌が続くのも面白い。響きの可愛らしさが歌にもバンドにも合っていて好きです。

ねむ ねむ ねむたみをボ・ク・サ・ツ!

(撲殺が可愛いかどうかは審議)

「君と私とメタモルフォーゼ」
2ndアルバム「脱法またたびロック」のラストを飾る一曲です。
聴き始めてしばらくは、普通にいい曲だなー、くらいの印象しかなかったんです。
当初あまりじっくり聴き込めていなかったのと、配信で購入していたために歌詞カードが見られないのもあって気付いていなかったのだけど、ある日あることに気が付きます。

「ピリカピリララ」とか唄ってるよね??
「月に代わって」とかも、もしかして…?

どこかで聞いたおジャの魔女のような呪文(ようなっていうか)。
ちらつく美少女戦士の影
前者のことをTwitterで呟いたら、ご本人から反応がありました。
他にも「契約して」とか、「封印解除(レリーズ)」とか…知っている人はどこかで聞いたフレーズが歌詞に盛り込まれているのです。もちろん意図的なものだそうで。

リリース当時のことを知らないので、どんな意図を持っての作詞なのかは不明なのですが。
このような一部界隈の人が反応する言葉を盛り込みつつ、それでいてネタ曲にならず、楽曲としてしっかり成立している。(←ココ重要)
作詞だけの力ではないとは思いますが、そこに凄さを感じました。

冷静に考えてごらんよ。
“ピリカピリララ”なんてワードを入れ込んでネタ曲にならないのなんて、おジャ魔女カーニバルくらいじゃん??
(んんっ?)

ちなみに「君と私とメタモルフォーゼ」、この曲自体の印象は、「アニメのエンディングソングっぽい」でした。川辺を走ってくタイプのやつ。タイプて。
(ちょっとワードに引っ張られてしまっているかな?)

あとシレッとバイバイキンとか唄ってる歌もあるよ。(オールでPPP収録「優等生ガール」)
これも面白方面の歌ではありません。かっこいい曲です。

つらまろのきわみシリーズ

シリーズて。
3枚リリース済みのアルバムそれぞれに「つらまろのきわみ(1~3)」というタイトルの曲が収録されているのです。
これがまさに“面白ソングのちょこはち”の代名詞とも言えるような楽曲で。
ナンバリングごとにラップ、演歌調など、ジャンルからして攻めている、ちょこはちを語る上では避けて通れないタイトルです。

初代つらまろのセリフ部分、

「人生とはつらまろのきわみ」

のエセ・デキる女感、すきです。
(ホメてます)

声の魅力・うたごえ七変化

楽曲ごとに印象がコロコロ変わる、その歌声も魅力のひとつです。

「オールでPPP」では、あら可愛らしいと思わされ、
「明日、隕石とともに」で、どこか影のある印象を与え、
「ミスティックミステリア」、ジャズっぽいのもいけんの!?
「つらまろのきわみ2」、ン演歌!津軽海峡!

出逢った初期の頃だけで、こんなにも多彩な表情を持った歌声を聴かせてくれました。しかもそのどれもがクオリティ高い!
単純に声質が好みっていうのもあるとは思うんですけど…。ほんとにね、次はどんなのがくるのか、新しい曲を聴く度にワクワクしていました。

バラードもイイんです。

次に語りたいのは、「向日葵」
シングル「エウロパ」に収録のカップリング曲です。
(エウロパもいい曲だけど、敢えて!)

わたしの嫌いなあの人がしあわせになるのは見たくない

わたしの嫌いなあの人のしあわせな顔は見たくない

歌詞の引用に加えて、楽曲紹介の本人コメントも。

嫌いなひとが幸せになるのは、私にとってはなんの幸せでもなくて。
不幸になればいいのに!ってよく思うけれど。
私の嫌いなあの人も、誰かの子供で、誰かの親で、誰かに愛されて生きている。
それなら、私も負けずに誰かと愛を育てていこう。そんな気持ちでつくりました。

こんなにもストレートに負の感情を露にして、それでいてちゃんと片をつける。
テーマとして負の感情とかがあって、それが最後には前向きな気持ちになって終われる、というのは歌でも物語でもスタンダードな構成だとは思うんですけど。
なんだろう。うまく言えんけど、胸がキュッとなってしまったんですよね。

シングルにしか収録されていないカップリング曲を漁っているような時期なので、もうこの頃にはすっかり好きになっていたんだと思います。

あと、しゃおぴさん向日葵はそんなに好きじゃないそうです。(笑)

楽しい歌もたくさんあるけれど、いつもどこか一抹の寂しさも内包しているような。
そんな彼女の歌の世界観が大好きです。

***

いくつかの視点に沿って、楽曲評のようなものをしてみました。ちょこはちを知らない人には、若干置いてきぼり感が否めない書き方になってしまいましたが…。

そんなときは!
ちょこはちを聴いてみるとイインダヨ!!

chocol8 syndromeは年内活動終了になってしまいますが、今もまさに突っ走っています!
12月15日リリースのラストシングル、
「六等星のメロディ」を、どうぞよろしく!!

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