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楽曲感想:サイフォン・コーヒー・タイム(ちょこはちくんを語りたいG ◆ ep.15)

ごきげんよう、シンクと申します。
Twitterおよびちょこはち界隈ではココロ(@coc_oro)と名乗っております。

今回もGrand chocol8楽曲感想シリーズ!
2023年5月から、ライブ会場、公式通販などで販売が開始されたデモCD「行列のできる喫茶店」の収録曲から、

サイフォン・コーヒー・タイム

の感想をお届けします。

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メンバーが手作業で焼いているから、いつ手に入んなくなるかわからないぞー!

***

この曲は今回のデモCDで初めて聴く曲でした!
前置きなしで聴く新曲は久しぶりじゃないか?
ライブでは何度か歌われていたようだけど、いかんせん自分がなかなか参加出来る環境にないため、初披露のタイミングからは幾らか遅れてしまいます。
さてさてどんな歌かしら??

サイフォンで淹れるコーヒーが出来上がるまでの時間。
それは長く憂鬱な時間に思えることもあれば、
“ソレ”を待つ楽しみな時間に思えることもある。
ほんの些細なことで変わる気持ちの揺れを描いた、穏やかで優しいものがたりでした。


◆黒と白

黒と白。このふたつの色が、このものがたりで重要な意味を持っています。
“コーヒータイム”というテーマからまず真っ先に想起されるのは、

コーヒーの黒。
ミルクの白。

このふたつであろうかと思います。
そして“黒い心も溶けて”、“白い愛情の味”とあるように、黒はネガティブ、白はポジティブなイメージでもって歌われていきます。
一般的にもネガポジのイメージはそうだよね。

そんな中で、“空白”というワードがきわめて中立な存在として登場してきます。おや、白だ。
“最高を飲むための空白”。
さてコレはポジティブか否か。
空白がどんな意味を持つようになるかを追っていくと、もっとこの曲が好きになりますヨ♪


◆言葉遊びと黒と白

サイフォンをずっと眺めていた
アイフォンが鳴るのを待っていた

お、これはい〜い韻踏みが出てきました。
巧みで可愛らしい言葉遊びが、作詞ガオニャンチュの大きな魅力のひとつだと思っているんですが(ガオなんだって??)、この曲でパッと目に入るのがこの“アイフォン”と“サイフォン”。

「サイフォンで淹れるコーヒーを待つ」
「アイフォンが鳴るのを待つ」

どちらも“その時”が来るのを待ちわびている、きれいな対比です。

さらに(勝手に)深読みをすると、鳴らないアイフォン(敢えてカタカナで書きますね)の画面は真っ黒ですよね。
これもコーヒーの黒と重ねている??
でさ、あたしアイフォンユーザーじゃないから存じ上げないのだけれど、もしかして着信があると画面は白くなったりしません?
そうだったらこれも、ネガティブな黒から、白に変わる展開ですね。(設定次第かな?)

対比させたふたつの事物があって、さらにそのそれぞれが新たな感情を呼び起こす装置になっているのもこの曲のスゴイところなんです。

最高と憂鬱が溶け合う
白と黒が混ざり合うよ

コーヒーの黒と、ミルクの白を心情にたとえています。それが混ざり合って、揺れ動いている感じ。
憂鬱だった今日も、コーヒーとミルクのように溶けて混ざり合って、ひとつの“最高”を注いでゆくのです。

そして“空白”と“幸福”の音が近いのは、果たして偶然か意図したものか。
ここまでの言葉遊びや印象の対比を見せられてしまうと(本当に見せられている?勝手に解釈しているだけという可能性は?)
僕には意図した作詞表現だと思えてならないのです。

「最高を飲むための空白は きみと過ごす昼下がり」

空白の中にこそ幸福があるってことに気付いた。
そんな歌にも思えるのです。


◆自分語りのようなもの

歌の中身の話からは少し離れてしまうのだけど、少し前にしゃおぴちゃんのツイキャス配信がありまして。
流れでこの曲に関する話をしたら、

「ココロさん好きそう」

というコメントを頂いてしまいました。

好みの傾向を捕捉されている!!(わお)

ハイそーです大好物ですこういう曲。

好みの傾向という観点でみていくと、大好きな「泣いちゃった」に通ずる雰囲気があるんだよね。
なんとなくの印象レベルのソレなのでうまくは説明できないのだけど。
日常風景の中の小さなドラマ、心情の動きに焦点を当てた歌詞が好きなのかな。なんて自己分析。

歌の話に戻るね。

1番冒頭
「ねえ 明日のことを考えて憂鬱」

2番冒頭
「ねえ 昨日のことを思い出して憂鬱」

“その日”にね、何があったんでしょうね。
歌の中で多くは語られませんが、大切な日が、あまり明るくない終わり方をしたんだろうなということがなんとなく読み取れます。

けれど最後の最後に
「明日に期待してみたくて」
希望を持って、この静かな物語は一旦幕を下ろすようです。

そう、“一旦幕を下ろす”なんだよね。
それでも毎日は続いていくのです。

Grand chocol8になって以降、こういった“何気ない日常”や、それが続いていくことの尊さ、大切さを思い出させてくれる歌が多く聴かれるようになった気がします。
これもあくまで僕の肌感覚的な話なので、ズレがあるかもしれませんが。

***

最後にひとつ蛇足な話をします。
あたくしシンク(ココロ)、若き頃より文章書き的な活動をしておりまして。
もう10年以上前になりますが、こんな短歌作品を書いておりました。

コーヒーに落とした雫が描き出す
混沌 わたしのココロに喩え

どことなく、サイフォンでコーヒーなタイムの香りがしませんか?
この曲にこんなにも心動かされているのは、自分の作品との共通項からくるシンパシーもあるんだろうな、とは思います。
それを差し引いても、サイフォン・コーヒー・タイム。この曲は名曲だと思っているよ!

あ、素敵なイラストが付いてますね。
これは僕が描いたものではないのです。この短歌をイメージして、絵描きのご友人が当時に描いてくれたものです。いい絵だね。

それが、今の奥さんです。(どーーん)
(お前ゼッタイこれがやりたかっただけだろ??)

***

以上です。一曲目で久々の面白をブチかましてくれたちょこはちが贈る少し大人びた歌、
「サイフォン・コーヒー・タイム」
のご紹介でした。

収録されているデモCD「行列のできる喫茶店」は、Grand chocol8公式通販で販売中です!

次回は6/2に配信されたばかりの新曲、

暁暁クンフー伝
(しゃおしゃおくんふーでん)

のことを書く予定だよ。
(“ばかり”と言えているうちに書こうね)

たすけてー!クンフーマスターーー!!

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