日本の47都道府県の生物多様性
日本は生物多様性ホットスポットとして世界的に注目されている地域です。日本に分布する維管束植物(シダ・草本・木本)は約5600種にも及び、その約30%は日本だけに分布する固有種です。
生物地理学・マクロ生態学的な分析から、日本の生物相の多様性と固有性は、東アジアの島々に特有の気候・地理・地史が複合的に作用した歴史的産物であることが、明らかになってます。
このような日本固有の生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。一般の人たちも、自分たちの暮らしている地域に、どのような生き物が暮らしているのかを知ることができれば、生物多様性への親しみや、理解も深まるでしょう。
こんな意図から、日本の47都道府県の生物多様性の特徴を可視化して、保全利用に関わる科学情報を普及させていくことにしました。
以下にリストした一連の記事では、47都道府県の生物多様性の保全利用計画に関する分析結果をお知らせしていきます。今のところ、とても簡単な解説にとどまっていますが、新たな分析結果が出力できたら、その内容も随時加えて、個々の記事を更新していきたいと思います。また、この解説は、2020年4月21日に公開した日本の生物多様性地図化サイト(保全カードシステム)と連動させて情報提供していますので、以下も是非ご覧ください。様々な生き物の地図情報が閲覧できます。
この地図サイトの使い方については、以下の動画にも解説しているので、ご覧ください。
北海道
東北
関東
中部
北陸
関西
中国
四国
九州
沖縄
沖縄県の「生物多様性おきなわブランド発信事業」を科学的にサポートして、生物多様性地図化プロジェクトを沖縄県版としてカスタマイズしています。詳細は、以下の動画と環境カルテのサイトをご覧ください。
参考文献と関連プロジェクト
生物多様性地図の作成に関わる文献は各記事に表示しています。今後も徐々に充実させていきます。生物分布に関係していそうな、各地域の地理・地質・気候に関する文献もリスト化する予定です。
一連の記事に示されている分析結果は、以下のプロジェクトの成果です。
環境省 環境研究総合推進費 環境変動に対する生物多様性と生態系サービスの応答を考慮した国土の適応的保全計画(4-1802)(代表:久保田康裕)
環境省 環境研究総合推進費 生態学的ビッグデータを基盤とした生物多様性パターンの予測と自然公園 の実効力評価(4-1501)(代表:久保田康裕)
いただいたサポートは、 生物多様性保全の研究成果を社会実装するために、日本各地を訪問してお話させていただく際の交通費に使わせていただきます。