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カンタンな速読法の身につけ方 その2

少し、ここで理論的なことを書いておこうと思います。

速読は(速読にかぎらず、どんなジャンルでも鍛錬していると)、量から質の転換が起きる時があります。

こういうのを『臨界(もしくは、臨界量)に達した』と表現するのです。

いうなれば、『経験値が上がってレベルアップした』という感じですね。

逆に、レベルがかなり上がっていると、

「経験値がたまっているのになかなかレベルアップしない……どうしてだろう?」

というような気分になります。

これがいわゆる『壁』というやつです。

『建物の壁』とかではなく、『努力しているのに、なかなか進歩しない』という現象ですね。

つまり、『壁にぶつかった』というのは、『かなりレベルが上がっている』と同じ意味だと言えるでしょう。


さて、それでは速読の身につけ方の解説を続けます。

『弁慶がなぎなたを以って牛若丸に打ちかかりたり』

『べんけいがなぎなたをもってうしわかまるにうちかかりたり』

これ、どちらが読みやすいでしょう?

もちろん、漢字混じりの方でしょうね。

では、こうすると?

『べんけいが なぎなたを もって うしわかまるに うち かかりたり』

こちらのほうが読みやすいですね。

マインドマップで有名なトニー・ブザンによると、人は文章を読むとき、ひと文字ひと文字読んでいるのではなく、単語ごと、意味ごとに捉えているのだそうです。

読むのが早い人というのは、字や単語ではなく、もっと長い文、つまりこの場合だと

『べんけいがなぎなたをもって』『うしわかまるにうちかかりたり』

というふうに捉えている……ということなのです。

(だから、『べんけい』とか『なぎなた』とかを知らない人は

「べんけいがな ぎなたをもって……」と読んでしまったりするのです。 これを『ぎなた読み』と言ったりします)

もっと速い人は、一行ごと、あるいは二行、三行……1ページから見開き……というふうにとらえて理解(もしくは記憶して後で理解)しているのです。

つまり、一冊を一分で……というような速読は、その時に読んでいるのではありません。

文字列を、画像・映像として記憶して、それをあとで思い出して、頭のなかで読んでいるわけです。

あるいは、イメージ化して映像としているかもしれませんね。

そういう人は、場合によっては……例えば専門的なことばかりだとかいう場合、字は覚えているけど、意味まではわからず、したがって理解ができていなかったりするらしいのです。

専門用語を詳しく知らないので、イメージ化できない、というわけです。


それはさておき……

つまり、前回に紹介した方法は、『一行をひと目で読む方法』の初歩だったのです。

そして、それよりも先に進む方法をご紹介しましょう。

集中力方中力にしよう……つまり、点の連続から線にし、面にしていこうというわけです。(註:方中とは、四方八方に注意を向けること。 聖徳太子がそういう能力を持っていたと言われる)

余談ですが、数学の常識からは外れてますね。 数学では点や線は面積がない事になってますから。(^_^;A

……まあ、概念上の話ですけど。


それはともかく。

視幅を拡げる・大きくする訓練法はいろいろあるのですが……

・動的な訓練 —— 8の字とかそれを横にした∞(無限大)とかのように視線を動かす

・静的な訓練 —— 同心円や同心?長方形を内側からひと目で見るようにする

基本はこういうものです。


でも、これだと飽きてしまうんですよね。

そこで、独自に考案したのが『横目禁止法』(センスないネーミングですね、我ながら……(^_^;A)

視点は正面にし、動画を真横で再生して(または、テレビ番組を)見る……という方法です。

この場合、重要なのは『無理に見ようとしない。 目を動かしてみようとしない』ということです。

つまり、視点は正面だけども、注意はその動画の画面に向けるのですね。 『横目禁止』なのです。

そして、再生する(視聴する)のは、どちらかと言えば動きがあるものの方がいいでしょう。

これだと、知らず知らずのうちに視幅が拡がります。

ただ、基本的にその動画のある方向に拡がるだけで、逆方向とか90度角度がずれた方向には拡がりづらいと思います。

したがって、画面を上下左右に移動させて……相手が動かしづらいものの場合は、自分が動いて、自分から見て画面を上にしたり下にしたり……というようにするのですね。

なお、興味のない動画だと単に無視してしまうだけなのであまり効果はないと思います。

「知らず知らずのうちに視幅を拡げる」

という方法なので、出来る限り興味のある動画にした方がいいでしょう。


そして、前回に紹介したような

『最速→スピードを落とす』

というやり方と組み合わせてやると、一行をひと目で、二行、三行……というふうに視幅が広がっていきます。

視点→視幅→視面……となるのです。

続く


註:トップ画像は『みんなのフォトギャラリー』から、ちゃんやま@新米WEB編集者さんが投稿されたものを使わせていただいております。

感謝します。<(_ _)>

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