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美の国と企画事業と青空の下のエニタイムエニフェアの話

すっかり12月。師走ですね。
少しゆっくりしすぎちゃいましたが。

ぐうたらしていたぼくなどとは裏腹に、現場ではまだまだ気を張っていた方がいらっしゃいました。秋田分校は続いていたんですね。本当にお疲れさまでした。

過去もっとも疲れる公演となったとのこと。それはそうですよね。昨年の中止を受けてからのもろもろの処理。今年の開催予定をたててからの社会情勢の変化。ステージ関連のことだけでなくて、秋田の街を巻き込んでのたくさんの調整ごと。そして、より完璧な対策を目指した観客の参加要件策定とその遂行。

主催者側での空気までは知る由がないですが、分校当日は例のコロっとしたあいつの影響がだいぶ弱まってきた時期でした。世間の空気も公演ビジネスに少しずつ寛容になってきた頃で、結果的にドンピシャのタイミングでの開催となったのではなかったではないでしょうか。
参加する側として勝手に胸をなでおろしていましたが、主催者側はその何倍も何十倍もホッとしたことであろうなあと。


実は分校の数日前、ぼくは必要な書類について確認したいことがあったので、秋田放送さんに質問電話をかけてみていたのでした。HPに記されていた番号には「ABS秋田放送事業局 企画事業部」とありました。
事業!局!企画事業!部!かっこいい漢字のならんだセクションだ。小心者のぼくはちょっとドキドキです。


コ「あのう、あの、週末にそちらで主催予定の、あの、シリツ恵比寿中学というグループの、その、ええと、秋田分校、に、参加させていただこうとしている者ですが・・・(小声)」

事業とか局とかの漢字が冠された部にお電話させて頂いているわけです。そしてビジネスではなくエンタメのイベントについて質問をするので、そりゃ卑屈な気持ちも出てくるというものですよ。いや、お忙しいところ本当にすいません。

担「あ、私立恵比寿中学秋田分校についてですね~!え?千葉からお電話なんですか?」

ほがらかで丁寧かつフレンドリーな感じの声が返って来た!
電話口のご担当の方が秋田分校についてよく知らないのではないか、事務的な感じでしかない方だったら申し訳なさMAXだ、とかとか勝手に恐縮していたのですが、この口ぶりからは詳しそうな感じが伺える!ご担当部署なんだから詳しくて当然なのですが、漢字や電話やプレッシャーに負けていた自分もひと安心です。

ご担当の方はこちらの問い合わせに丁寧に回答して下さりまして。そのあとほんのちょっとした雑談モードに入りました。

担「今年は初年度と同じ会場になるんですよ。少しコンパクトなんですけれど、初心に返ったようで、とても楽しいものになりますよ!」

やっぱり分校に詳しい方だ。ぼくだって負けていられません。軽くジャブを打ち返してやりますよ。

コ「県立体育館のそばのあそこですよね!あ、前の秋田放送さんの局舎のお近くになりますよねー。」

小心者の謎の対抗心は続く。

コ「ぼくも初年度から毎年通っていますので!去年なんか分校もないのに秋田にお邪魔させて頂いたくらいですし!毎回たのしみにしていますので、あとは書類の準備ですよね!不備なく揃えさせて頂きますね!」

炸裂する自称古参の必死でみっともないマウントとり。

担「お待ちしています!ぜひ楽しみにきてください!」

大人の対応を見せるご担当者様の器の大きさ。


はからずも問い合わせ電話をしてみたことで、秋田放送さんの中で大事に扱われているイベントなのだということがダイレクトにしっかり伝わってまいりました。この数年間の経緯から、分校のイベントとしての規模感は第三者なりに理解はしているつもりでしたが、その再確認も出来てしまいまして。

お忙しいところ、丁寧なご対応ありがとうございました。




無事に書類も用意できて、安心して秋田に前日入りするぼく。


今年は直接秋田駅に行くのではなく、途中駅の角館で降りてみることにしたのでした。秋田観光に少しだけ慣れてきたからこその心の余裕。

うかれて旅館の名前も読み間違える始末。や、わかってやってますからね?ね?


角館では現地で落ちあった仲間を人力車にのせて武家屋敷方面など散策。彼のエビ中パーカーを見て、「恵比寿中学さんを見に来たの?」と話しかけてくる俥夫の方。聞けば、数日前にメンバーを乗せたとのことでした。すごい偶然。

そのほか、武家屋敷の土産物屋さんの方など数人からもパーカーに反応してお話を振られたりしました。現地でのエビ中さんの認知度が上がってきていることを感じます。

武家屋敷と黄葉


一方、ファミリー側のはなし。

ぼくや仲間が数名で角館を尋ねたほかにも、新幹線で偶然出逢った別の知り合いファミリーさんも角館ご訪問。人力車の予約をとっていて、散策を楽しみにされていました。
そして小林歌穂さんが食べたごまプリンを求めてショップまで行ってみたところ、これまた偶然、ぜんぜん別行動中の仲間のファミリーさんに出逢ってしまったり。

ぼくの目が届いた範囲の小さな話でしかありませんが、6回目を迎えた秋田分校の取り組みは、ジワジワと秋田好きのファミリーを増やしていて、各所でジワジワとエビ中さんの知名度を上げていて。この関係性、なんだか素晴らしいことであるものだなあと、武家屋敷のごまプリンで舌をマックロにしながら思いましたのです。

プリンってこれね。

そして秋田着。

いつもどおりのお出迎え。さあ、やってきたぞ!


分校当日

朝から抜けるような青空。写真は駅前のABS秋田放送。

分校が開催されるのはバスで10分ほどの距離にある秋田市文化会館なのですが、分校グッズの物販と件の書類確認等の入場チェックは、こちらの局舎でも事前に行うことが出来るのでした。これは現地での行列形成や混乱を避ける手段としてナイスプレイ。時間に余裕をもって入場照明の腕輪がゲットできました。

無理して立て続けに朝ラーと昼稲庭うどん。せっかくの秋田だもん。どっちかなんて、選べないんスよ…。


そしていよいよ現地!大賑わいです。さあ、いよいよだ!


公演開始

例年の秋田分校では、エビ中さんはもちろんほか様々な秋田エンタメ関係者などと一緒に、秋田分校ならではの郷土感溢れたごった煮のステージが見られたものでした。ですが、今年はフェス形式ということで、時間ごとに演者が入れ替わる形になりました。


感想として…。
フェス形式と言いながらも、各出演者ごとに舞台がブッツリと途絶えるわけではなく、間の繋ぎにエビ中メンバーが出てきて軽く演者とコミュニケーションをとる形。
ココユノノカさんのなまはげ郷神楽に対する新鮮な反応。まやみれやすによるキャミソウルブラザーズに対するこなれた対応。普通のフェスと違って、それらを見て楽しんでいるうちに、スピーディーに演者が入れ替わって行きました。
確かに共演と呼べるような共演はなかったのですが、この演出があったおかげでしっかりと軸のある公演となっており、ぼくが観てきた「秋田分校っぽさ」というものは損なわれずにしっかりと生きていたと感じます。


なまはげ郷神楽&超神ネイガー

迫力のある太鼓と、怖さと愛嬌の同居したなまはげさん。彼らはクラスメイトであるという設定は今年も継続。今回はここに悪の組織が手をだしてきて、超神ネイガーがやっつけてくれるよいう流れでした。

分校の数日後、NHKでネイガーの特集があったんですよね。こういった活動がどういうものか深く考えたことがなかったのですが、地域の皆さんに助けられて、そして地域の皆さんを楽しませて。バックボーンにはそういったサイクルがあることがわかりました。地元に根ざした地元のヒーローは、本当にそこで闘っていたのだなと。来年また出逢うことが出来るなら、もう少し大きな拍手をしようと思います。

キャミソウルブラザーズ

前回衝撃のデビューを果たした二人組が今回もやってきた。見た目でズルい上に、配信では日本中に無音地獄を味わわせた芸達者たちだ。今回もキレがあるのだかないのだか、練習してるのだかないのだか、筆舌しがたいというか、あまり詳細な描写をしてもそんなに意味の見いだせないような素敵なステージが展開されました。

そうそう。今回は無音地獄対策のためか、未確認中学生Xをセトリ?に入れてきました。特番の「女子旅」などにも顔を出すようになって、期待される側に回ってしまった彼ら。ツイッターなどでも盛んに情報収集している模様。来年は果たして何分間音声が流れるのか!そんな楽しみ方、あっても良いのではないでしょうか。

チーム藤原美幸

安定の秋田のヒロイン、美幸ちゃん。民謡にのせてエビ中メンバーを紹介するなど、郷土文化の懐の深さを思い知らせてくれました。どんぱんぱん。

民謡に加えて、幸せの貼り紙はいつも背中にのカバーをご披露。弟子?若手?の女の子たちがオリジナルの如くの振り付けなども見せてくれたのですが、尺八担当のじっちゃんも一緒に行進のポーズをとっていたのとか、微笑ましかったな。現地の仲間うちでは誰も気付いていなかったのですが、配信で映っていたかなー。

いぎなり東北産

いままでなら何だかんだで聴いたことのある曲が披露されていたのですが、今年は知らない曲の方がたくさんでした。これは批判とかじゃなくって、アルバム等を出して場数をこなして、芸の幅が広く深くなったということです。

パフォーマンスは客席を含めた空間全体に大きくリーチしているようで、若さと勢いに頼るだけではなく、チームとして歌とダンスにしっかり立脚した形になっていた様子。たまにしか見られないからこそ、彼女らの成長を感じることができました。このペースで行けば、武道館だって夢物語ではないと思うので、頑張ってほしいです。

エビ中さん

TIFの参加を見送ったぼくにとって、3人の加わったエビ中の通常パフォーマンスを見るのは分校が初めてでした(ちゅうおんはナシよ)。

きょうは白塗りじゃなくって、しっかりと分校の生徒さんに。まやまさんも美怜ちゃんもみんな制服だ。柏木さんがお休みだったことはちょっと残念だったけれど、それでも8人の精一杯を見せてくれました。
若返ったぶんちょっとまだ粗削りだけど、かわりに勢いの感じられるイヤフォンライオット。ノリノリで暴れまわるオメカシフィーバー。ことしのレア枠エビ中一週間。一時間ちょいとはいえひさしぶりの長尺ステージ。メンバーの秋田弁。いつの間にかふっとぶ制服のリボン。まやまさんの可憐なハイキック。いろいろな年代の楽曲を聴かせてくれた上で、最後は「頑張ってる途中」で締めるところ。もうおなかいっぱいです。

最後まで踊り切った3人も褒めておきたい。6人時代の晩期に比べたら、たしかに完成品っぽさからは少し離れたのかもしれない。けれど、また彼女らがどこかを目指して歩いてゆくところが見られる。それもまた楽しそうな道であることが理解できました。やっぱりライブっていいなあ。

みなさまお疲れさまでした!


おつかれさまでした自分!

夜はきりたんぽ鍋ですよね。




分校翌日

ukkaさんと東北産さん

今年も秋田分校文化祭が開催。引き続いてのよく晴れた空の下、なかいちの野外広場にて、東北産のほかukkaさんやアップアップガールズ(2)さんなどが出演されました。

軽くステージの様子をみたり。

ちょっと会場から出て秋田のたまごかけごはんを食べてみたり。おいしかった。

千秋公園を尋ねてみたり。桜が有名なのよね。秋田犬がかわいいのよね。

改装中の県民会館を見て見たり。来年はココかな?

11月なのに日差しのパワーがけっこうありまして。ほんの少しだけ暑さの感じられる空気。間違いなく今年の秋田分校も楽しかった。来てよかった。

新幹線の時間の都合で、ukkaのステージの途中で少し早めに会場を後にする自分。なんで三泊四日にしなかったのだろう。
今年もまたそんなことを悔やみながら、こまちの自席へ向かうのでした。




三日間を終えて

少しゆっくりしすぎちゃいましたが、今年も秋田分校はとても楽しかった。

今年の公演のサブタイトルは「おらが美の国フェス2021」でした。
なるほど角館の紅葉は美しく、秋田市の空もまた美しいものだった。もちろんステージのみなさんもお美しく。言葉のとおり、秋田の風景にはたくさんの「美」があった。

でもそれ以上に感じたのは、いろいろな変化や制約があった中、この公演を守ろう、やり抜こうとした全ての方々の熱さとあたたかさです。大きな変革の波の中に変わらない一本の筋が通っていて、そこにもまた美しさにも似たなんらかの想いがあったように僕は思わざるを得ないのです。

その美しきあたたかさの中、ぼくらファミリーもしっかりと参加要件などルールを守って、今年はいくばくかの責任感を持ってしっかり大事に秋田分校と秋田の街を楽しみましたよね。
いろいろな人の想いが重なって、ここにきてでっかい元気をもらえたような気分になって。そしてその場をみんなで大切に思って。
そんなことを考えていると、巡り巡って、やっぱり秋田分校ってのは、ぼくらの母校のようなものなのだなと思えるような気がするのです。おらが美の国、おらが母校。それが秋田分校。

ここに来て、笑いあって。力いっぱい楽しんで。
ある者は秋田に残って、ある者はそれぞれの地元に戻って、またの登校日を楽しみにしながら過ごす Anytime, Anywhere。うまく言葉に出来ないこともあるけれど、それ故に美しいと思うんだ。

来年もまた、美しい青空の下で、楽しい時間を送ることが出来ますように。

それではそろそろ寝ますです。
おやすみなさいグー。


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