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悲しきカルマ

羽賀研二というタレントを覚えている人はどれくらいいるだろう。

私は羽賀研二がタレントとして活動していた時は、物心がつかないていなか(もしくは生まれていなか)ったのであまり知らない。

私が彼を知ったのは、借金、詐欺などのきな臭い話題が彼の周りを覆いはじめてからだ。

彼は2007年6月に詐欺・恐喝未遂の罪で逮捕された。

そのニュースが報道される1週間くらい前に私は書店で、占い本の帯に羽賀研二が掲載されているのを見つけた。

帯には「どん底から僕はこうして這い上がった」というようなことが書いてあったと思う。

私は羽賀研二についてよく知らなかったが、世間からは借金や離婚などのマイナスイメージを払拭し、再起した人というイメージが付いているんだなあとなんとなく通り過ぎた。

逮捕のニュースを見たときにその占いの本のことを思い出して、なんだか無性に気になって羽賀研二について調べた。

彼が一番有名なのは、梅宮アンナの元彼ということだろう。

彼女に多額の借金をしていたことや、梅宮アンナの父・梅宮辰夫から交際に猛反対を受けていたことなど、彼女と彼の関係については話題に事欠かなかった。

梅宮アンナからだけではなく、彼は様々な人から多額の金を借りており、それは数億円にものぼった。

そんな借金を彼はある才能を活かし全額返済した。
それは人を口説く才能だ。

宝石商という職業は普通に生きているとあまり聞かない。

宝石を購入しようとている客に似合う宝石を見繕い、購入を勧める人らしい。

もちろんそれを商いとしている人もいるが、芸能人も展示会のゲストとして参加し、お客に宝石を見繕うなどのことはよくあることだそうだ。

彼も芸能人としてお客に宝石を見繕っていたが、あまりの才能にビジネスにすることを勧められた。
そこで彼自身が宝石をデザインし、販売するビジネスを始めた。

彼はそのビジネスに於いて大きな成功を収め、逮捕前はほぼ芸能の仕事はせず、経営者として才を奮ったという。

そんな"口説く''才能を宝石商以外にも活かし、彼は件の犯罪に手を染めた。

人が持っている才能が必ずしも良い事に発揮されるとは限らない。
それがどういう形で発揮されるかは、その人の周りを取り巻く環境に多いに左右される。

生まれから、家庭環境から、
これはもうその人自身ではコントロールできないカルマなんだろう。

彼は結局そんなカルマに抗えなかった。

羽賀研二に限らず、何かしらの才能があるはずなのに、アウトローで生きていくしかない人が世の中には一定数いる。

彼らは入れ知恵されたり、利用される。
真っ黒なお金を稼ぐために。

彼らは好むと好まざるとに関わらず、そんな悪い知恵を入れてくる人間ばかりに取り囲まれる。

そしてそのカルマから抜け出せる強さを持ち合わせてる人は、残念ながら多くない。

だから知らず知らずのうちにカルマに囚われて彼らは生きていくしかなくなっていく。

そして彼らは気づいたら槍玉に挙げられている。

そんなカルマ。

だけどそんなカルマは悲しすぎる。

#コラム #いつか書く事を仕事にしたい #芸能 #文章 #ワナビーガール

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