tiktokのフォロワー数40万人越え!高校生モノマネで話題の土佐兄弟が『令和っぽい売れ方』を語る
今回は卓也さん・有輝さんによるコンビ、土佐兄弟さんをインタビューしてきました。結成秘話やネタ作りの話に加え、M-1の振り返りやtiktokの撮影秘話など、たっぷり語ってもらいました!
兄弟喧嘩は覇気で解決
立川:まずはどんな幼少期を過ごしていたのか教えてください。他に兄弟はいらっしゃいましたっけ?
有輝:いないですね。幼少期は僕が一方的にめっちゃちょっかいを出してました。
卓也:7歳差で僕の方が体も大きくて、やり返したら本当に怪我しちゃうから口で言い返してただけでしたね。
立川:兄弟喧嘩は今もするんですか?
有輝:ほとんどしないけど、3年くらい前に大喧嘩したよね。ネタ作りでちょっと揉めて、その日はリフレッシュするために2人で飲むことにしたんですけど、だんだんネタの話に戻って、お酒飲んでるしお互いヒートアップしてきて「表出ろよ!」って掴み合いになったんです。それで僕が馬乗りになって殴ってたら、兄ちゃんが大声で泣き出したんですよ。ONE PIECEの覇気みたいな(笑)その瞬間、ちょっとやばいことしたかもしれないと目が覚めて、たまたま通りかかった友人が止めに入ってくれて収まりました。
卓也:あのときはひっくり返してボコボコにしてやろうかって一瞬頭をよぎったけど、それをやったら全部終わると思って、どうするか考えてたら涙が溢れてきて(笑)それが有輝の心に響いたみたいです。
有輝:本当に狼男になるのかと思った(笑)あの覇気で居酒屋のビール瓶とか割れたんじゃない?まあ喧嘩はあれくらいだよね。
卓也:表出ろって言いながらも僕らは生真面目というか、育ちが良いから会計だけはちゃんと済ませてたよね。
立川:そもそも芸人を始めたときにご両親はどんな反応をされたんですか?
卓也:僕は一度社会人をやって辞めてから芸人になったから、好きにしてくれみたいな感じでした。でも有輝とやると言ったら、当時有輝は大学へ進学する時期だったから、弟の人生を巻き込むなと言われました。
有輝も真剣にやりたいと言ってたけど、そのときは全然リアリティがなかったから大学に通いながらとりあえずやってみてダメだったら就職すればいいって感じだったんです。だけどあれよあれよとテレビに呼ばれるようになって、忙しくて大学に行けないからもう真剣に辞めますって言ったんだよね。すごく稼いでるわけではないけど、テレビに出るとかわりとちゃんと芸人っぽいことしてるじゃんってことでそれならちゃんとやってみなさいと言われて今に至ります。
有輝:実は母と2人きりのときに「大学辞めたい?」と聞かれたんだよね。「学費払う方がもったいないからさ、じゃあ今日辞めてきな」って。なんとなく気付いてたんじゃないかな。
立川:それを軽いトーンで言えるご両親、すごいですね。
卓也:まあやりたいことをやれやってスタンスなんですよね。
立川:卓也さんは娘さんが芸人やりたいって言い出したらどうしますか?
卓也:その質問、マジでむずいなあ…
有輝:絶対やめさせた方がいいよ。
卓也:ミュージシャンとか役者だったら応援するけど、自分がやってる芸人を、しかも女芸人さんになるのかってなると…本当にやりたいという確認ができるまで反対するかな。
有輝:土佐姉妹になる可能性もあるからね。
卓也:土佐姉妹になるったら話変わってくるなあ。芸人以外だったら何でもやっていいよと言うけど、芸人だけはちょっと…そのときの僕らの状況にもよるだろうけどね。
有輝:うちの親父が好きなことやれやってスタンスだから兄ちゃんも好きなことやれやってスタンスでいるべきなんじゃないの?
卓也:そうなんだけど、芸人だけは考えちゃうかな。
有輝:娘の方がおもろかったら嫌だもんな。大喜利とかで戦ったらリアルに負けそうだし(笑)
影響を受けた芸能人はあの人
立川:人格形成期に影響を受けた人はいますか?特に好きだったタレントとか。
卓也:僕はキムタク一択です。キムタクが出てるドラマは全部見てます。トサタクとしてね。1番全盛期だったのは『プライド』とか『HERO』かな。同年代の人は絶対みんな憧れてると思います。心の中のキムタクがいるんですよ。
有輝:僕はそういう憧れの人は1人もいないんですよ。
立川:有輝さんはももクロがお好きですよね?
有輝:そうですね。こないだ『ももクロChan』にも呼んでもらいましたけど、緊張してネタ飛ばしたんですよ。あれはやばかったね。好きな人とは会わない方がいいと思います。おもしろくなくなっちゃう。「好きなんですよ」って言うしかなくなっちゃうから。
立川:「ファンって言ってくれたのにあの人おもしろくなかった」って印象になってしまう可能性ありますもんね。ネタが飛んだ時は処理できたんですか?
卓也:飛んだっていうか、憧れのももクロの前だったので、今までやったことがなかったけど本当に飛んじゃったとき用に手にカンペを書いてたんです。それをパッと見た瞬間、「あれ?見たな」みたいになりました。何事もなかったかのように続けましたけど。
あと僕らは『ふしぎ発見』の前説をやってて、『ももクロChan』の収録の一週間後に、しおりんがゲストで来るっていう奇跡が起きました。
有輝:びっくりしたよね。
卓也:仕事とかで共演してからじゃないとダメだって挨拶行くのもためらってたんだけど、たまたま1週間後に来てたから、ようやく同じステージに立てたって喜んでました。僕は好きなら好きですって言えよと言ってたんですけど。
有輝:前説をやらせてもらった番組にキムタクが来たときは、いの一番に挨拶しに行ったよね。
卓也:もちろん行くよ。大体前説の挨拶って楽屋の入り口で軽く済ませるものなんですけど、キムタクに挨拶しに行ったときは楽屋の1番奥に座ってたのに、僕らの前まで来て深々と頭を下げながら「はじめまして、木村拓哉です」と言ってくれたんです。あれだけスーパースターなんだから、名乗らなくても知ってるよって思いますよね。超かっこよかったなあ。だから僕も誰にでもちゃんと名前を言おうと思いました。キムタクのエッセイにもたしかに「自分の名前を1番に言おう」と書いてあるんですよ。本当に言ってるんだなと思いました。
土佐兄弟3人目の存在
立川:『ネタ兄弟』というライブを始めたのはどういう経緯ですか?
卓也:やっぱりネタに力を入れたくて、新ネタを3本くらい出せるライブをやりたいと思ったことがきっかけです。事務所ライブだけだと月に1本新ネタ作るけど、結局年間で12本で、少なくない?と。単独ライブを年に1回やって、それで7本作ったとしても、そのときに作った7本だから1年後に生き残ってるのはその中の1、2本くらいなんですよね。
有輝:去年のM-1は2回戦で落ちたんですけど、たしかにあんまり頑張ってなかったなと思ったんです。だから毎月3本ずつ作って良いやつでM-1に挑んだら良いところまでいけるんじゃないかと。賞レースのためみたいな感じだよね。
卓也:まあそうだよね。それで週に1、2回芝山さんと3時間くらい打ち合わせしてます。
立川:芝山さんはインタビューで有輝さんのことを天才って褒めてましたよ。
有輝:言ってくれてましたよね。ありがたいです。芝山さんは「学生時代の何もお笑いを勉強してないときに笑いをとれたのが得意ジャンルだから、それを伸ばした方がいいよ」と言ってくれたんです。僕がSNSで数字を取れるようになったきっかけを作ってくれたのも芝山さんで、モチベーターみたいな存在です。1番の味方って感じかな。
卓也:「こういうのやりたいんですけど、どうですか?」と聞いたら「でも土佐兄弟が勝負するのはこっちじゃない?」みたいに、僕らもわかってるけど改めてちゃんと修正してくれます。
有輝:土佐兄弟長男だよね。
卓也:たしかに、年齢的にもな。
立川:今年のM-1は3回戦で落ちてしまいましたが、自分たちなりの分析はありますか?Gyaoで動画を見たら結構ウケてた印象はありました。
卓也:終わった後はいけたかなって感じでしたけど、印象に残る大きな笑いはなかったと思いました。3回戦から準々となると、インパクトが必要だったのかなと。
有輝:僕らはキャッチコピーを付けにくかったのかなと思います。『超ネガティブ漫才・宮下草薙』みたいな。やっぱ決勝はテレビだから、そういうのが大事ですよね。僕らは『兄弟漫才』以外に付けられないっていうのがね。
卓也:ウケてるのに落ちた人たちはもしかしたらそこが曖昧なのかも。僕らは特にそう。やりたいことはわかるし笑いもとれてるけど、どんな兄弟なのかというのがちょっと足りなかったのかなって。
有輝:全員ついてるんじゃない?『NEO渋谷系漫才師・EXIT』とか。高校生のネタをやってたら『超青春高校漫才師』とか付いてたかもって終わってからちょっと思います。だから落ちてもしょうがないかなみたいな気持ちでした。
卓也:ウケたのになんでだってのはないよね。これが足りなかったんだなっていうのはなんとなくわかったから。
高校生モノマネでトップクリエイターに
立川:僕は有輝さんが高校生ものまねをやり始めたときからSNSをチェックしてて、本当に頭の片隅にあるやつをよく掘り出してきたなって印象がありました。
卓也:まだ高校通ってるんじゃないかって言われるもんね。高校生とめっちゃつるんでるんじゃないかみたいな。
有輝:「いつ卒業するんですか?」と言われます。
立川:さすがに直に高校生にネタもらったりはしないですよね?記憶だけですか?
有輝:それはないですね。意外と人から聞いたネタはできないんですよ。実体験とか自分が見た光景をそのまま再現してるだけだから。あるあるじゃなくなっちゃうので。
卓也:クリエイターだなあ。
有輝:トップクリエイターです。Tik Tokの人に言われました(笑)
立川:逆に言うと高校生だった頃って8年くらい前じゃないですか。でも今の高校生にもちゃんとあるあるって伝わるんですね。3、40代の人が見てもたしかにあるあるってなると思うんですよ。
有輝:あの空間だけ変わってないんだろうな。
立川:高校生にも見えますし、新任の先生にも見えることもプラスの要素だと思います。卓也さんは何かSNSでやろうと考えてたりします?
有輝:乗っかり癖がすごいあるからなあ。僕が小栗旬さんのものまねをやってるときは志茂田景樹さんのものまねをやって、僕が高校生あるあるやったらTik Tokで男子校あるあるをやりだして。今フォロワー何人?
卓也:170人。
有輝:もうやめな?(笑)
卓也:男子校あるあるを載せてたら「僕は男子校出身なんですけど、一つもわかりません」ってコメントがきて。共学出身ならまだしも、男子校出身の人がわかってくれなきゃおしまいよ(笑)。僕はあるあるとかそういう才能は皆無だってことが身を持ってわかりました。
立川:これ教室も借りて撮ってるんですよね?
有輝:実は最近は母校が協力してくれてるんです。モデルになってる先生が「使えよ」って言ってくれて、どういう気持なんだろうって思いながら(笑)
卓也:まさか自分が元になってるとは思わないんじゃない(笑)
立川:SNSの投稿はいつまで続ける予定ですか?
有輝:ずっと続けるつもりです。高校生役できなくなっても大人になっていけばいいし。高校生が卒業して大学生になって。
立川:『課長島耕作』みたいに?
有輝:そうなったらいいな。サラリーマンになってね。
立川:漫才に落とし込もうとは考えてなかったんですか?
有輝:全然考えてなかったよね。
立川:こないだ『ネタパレ』でやってたのは最近作ったんですか?漫才の型も挑戦的に変えてるんだなというのが印象的でした。
有輝:そうです。いろいろ試して何が1番しっくりくるか模索中です。
Tik Tok撮影の裏側を語る
立川:では2020年の目標をお聞かせください。個々でもコンビでも。
有輝:来年はオリンピックあるから、オリンピック観たい。
卓也:観たい?オリンピック関連の仕事とかじゃなくて?
有輝:出るのは無理だから観たい。それ以外で言うと、SNSでこんなに活躍できるということがわかったので、フォロワー100万人を目指します。芸人No.1Tik Tokerになりたい。
こないだ急上昇ランキングで僕の下に嵐がいたんですよ。次の日にはもう抜かれてたけど、一瞬だけ嵐の上に立ちました。あと「Tik Tokで車買いました」みたいなのもいいですね。収益にはなってないけど、そこから派生してYouTubeやるかとか。わかんないけど、そういう感じかな。
卓也:令和っぽい売れ方だね。
立川:卓也さんは個人で何かありますか?3人目作りますとか…
有輝:オリンピックは?
卓也:そりゃ観たいよ。3人目はちょっと…個人では引っ越しはしたいけど、そんなんでいいのか(笑)
有輝:立川くんはお笑いのことじゃなくてそういうのを求めてるんだよ(笑)
卓也:引っ越すとなると逆算して考えたら稼がなきゃいけないじゃん。ということはお笑いを頑張らなきゃだし、有輝のTik Tokで撮影とかやらせてもらってるのでそれも頑張りつつ、別軸でテレビとか…
有輝:撮影を頑張るって何?
卓也:Tik Tokの撮影に参加して、撮るのを頑張る。無気力でやってもいいの?
有輝:そしたら違う人に撮ってもらうよ。
卓也:いや、違う人に撮ってもらったらあの良さは出ないよ。友達役の脱力的な「いいんじゃね?」みたいなのが結構効いてる。他の人の動画を見てても、受け手がうまい動画はバズってる。受け手がわざとらしくて下手なやつあるし。
有輝:自分で言っちゃってるから恥ずかしいよ(笑)
卓也:普通におまえが声を大にして言えや。「兄に撮ってもらってて、良い感じに合いの手入れてくれるんですよね」って言ってくれればこっちも気持ち良く「そんなことないっすよ。100%こいつの才能っす」って言えるのに。今全部からくり言ってるけど(笑)
立川:いい機会だと思います(笑)では2020年は撮影を頑張ると?
卓也:そうですね。有輝の母校で撮影することもあるけど、場所の手配とか。
有輝:そういうところもやってもらってるからね。まあ高校生と友達って設定だから、知らない人より知ってる人との方が素を出せるっていうのはある。こんな感じでいいかな?
卓也:まあいいよ。
立川:最後に『ワタナベお笑いNo.1決定戦』の意気込みをお願いします。
卓也:2年連続で決勝まで進んでるから、3度目の正直で優勝ですね。2020年の目標にも当てはまることだけど、SNSで土佐兄弟を知ってもらって、漫才もおもしろいと言ってもらえることが強みだと思います。
有輝:優勝できる気がするんだよな。って去年も言ってたけど。まず、決勝にいきたいです。普通に考えたらあんなヤバい大会ないもんね。良い事務所。
卓也:今回はわからないけど優勝賞金もあるかもしれないし、ネタ兄弟もやっててネタのストックはいっぱいあるので、いけるイメージはあります。ガツっと優勝ですね。
土佐兄弟 プロフィール
ワタナベエンターテインメント所属、芸歴6年目の実兄弟によるコンビ。『ネタパレ』などたびたびテレビ番組に出演。また、新ネタを3本下ろすライブ『ネタ兄弟』を主催していることでも話題。弟・有輝はTik Tok、Instagramで高校生モノマネをアップし一躍有名に。竹内涼真やダレノガレ明美など芸能人にもファンが多い。