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コント愛爆発!“かが屋ブランド”のコントはこう創られている!【後編】


みんなのかが屋 無観客お笑いライブ」を配信するなど、ライブ自粛が相次ぐ中でも試行錯誤を重ねて話題を呼んでいるかが屋。今回は前回に引き続き、彼らの好きなバナナマンのコントやお笑いに対する思いに加え、好きな音楽の話を大公開。休校やリモートワークによって自宅で過ごしている方にぴったりな読み応えのある記事に仕上がりました。前編とあわせてご覧ください。

かが屋が選ぶバナナマンのベストコント

立川:お2人ともバナナマンさんがすごく好きだと伺ってますが、特に好きなコントは何ですか?僕は工事現場のバイトの休憩中の設定で、設楽さんがイヤホンをしていて日村さんが言ったことをどんどん言い間違えをしていくやつ(※1)が好きです。

加賀:バナナマンさんのネタで1番好きって難しいな…一覧表持っておきたいな。

賀屋:なんだろうな、ちょっと見てみよう。

かが屋

加賀:去年の「bananaman live S」の謎解きのネタ(※2)がすごく好きですね。これまでも仲が良い2人のふざけてるさまっていうのは結構あるんですけど、1個謎解きがあるんです。監視カメラでその謎解きゲームの鑑賞を、警備員室から見てるというか、不思議な監視カメラでずっと見てたらくそほどおもろいやつが出てきたみたいなそういう感じがおもしろかったな。もっと細かいところで言うと、他にもいろいろありますけどね。

賀屋:僕は「笑いの金メダル」で朝礼(※3) というネタを初めて見たんですけど、そのときにボケとかツッコミなくめちゃくちゃウケてるのがかっこいいなと思って、そこからDVDとか見るようになりました。あとキャンプファイヤー(※4)も大好きなんだよな。お金持ちの設楽さんと同級生なんだけど子分みたいな日村さん。

加賀:あれもめちゃくちゃ笑ったわ。ちょっと一覧見せてよ。

かが屋3

賀屋:僕は言わないやつ(※5)のオチがすごく好きです。最後の言葉が。日村さんが1人になったときに「なんだよあいつ、でもあいつのこと好きなんだよんな。良いやつなんだよな」って終わるのめちゃめちゃいい。

加賀:あとやっぱ怖い話(※6)が1番好きですね。日村さんが怖い話をして、その後に設楽さんも怖い話をするって言って…見ます?見ましょうよ。

立川:(笑)そういうライブがあってもいいですよね。ここがこうすごいとか解説しつつ見るみたいな。

加賀:コント村(※7)はそれに近いことをやったりしましたね。

立川:ライブでゾフィー上田さんがMr.ビーンの映像を見ながら解説したりしてましたよね。コント村として『ネタパレ』に出演して、YouTubeチャンネルも開設して、今後どうなっていく予定ですか?

加賀:今後どうなっていくかっていうのはまだちょっとわからないですね。ちょっと熱が高まり過ぎたので、一旦落ち着きませんかという感じです。コント村の中でもみんなの考えが一致してるわけではないんですよ。ただコントが好きでいろんなことをしたい、そのために何ができるのかみたいなことを考えてやるっていうライブを1月29日にやる予定です。(取材は1月25日に実施)

立川:全国ツアーとかも未定ですか?

加賀:そうですね。コント村という名前が芋っぽいので、何をしてるかよくわからないっていうのはあると思うんですけど。

賀屋:ずっと「(仮)」って付いてるっけ?

加賀:外されてるよ。あと、上田さんだけに走らせないようにはしようっていうのはみんなの総意です(笑)上田さんは熱くなりすぎて、酔っぱらいみたいなことを言うときがあるんです。「俺がコントを守る!」って(笑)

立川:別に絶滅危惧ではないですもんね(笑)

加賀:そうなんです、コントって別に攻められてないんですよ。コントを守るって言ってるけど、淘汰しようとされてるわけではないから、争いを生む可能性があるんです(笑)

賀屋:なるほど。守るって言いながらこっちから仕掛けてるっていう(笑)

加賀:そう、守るって言うより仕掛ける気配があるので、僕らが一旦落ちつきましょう村長、みたいな感じです。

かが屋4

次世代のバイブルになりたい

立川:かが屋さんに憧れてる若手も結構いるイメージなんですけど、後進を育てたいって気持ちもありますか?

加賀:ありますよ。僕は次の世代のバイブルになりたいという思いがすごくあります。中学高校くらいのときは、お笑いが僕の生きる糧だったんですよ。お笑いがなかったら笑ってなさすぎて、めちゃくちゃ霊とかに取り憑かれてたと思います。

賀屋:それくらい暗かったってわけね。

加賀:そう。当時自分しか知らなかったこととかが、大人になっていろんな人に出会ったら「俺もそれ見てた」って共有できる、自分1人だけの思い出だったのにそれが時間差で共有できたりとか、やっぱりお笑いってもう1回繰り替えして話すだけでもおもしろいですからね。これがすごいと思うんですよ。「あの番組見た」「あのコント見た」「あそこでどうなって〜」とか見たことを話してるだけでおもしろい。だから僕はそういう話の種になりたいなと思います。

賀屋:なるほどね。僕は教員免許を持ってて教育実習も行ったこともあるんですけど、授業でお笑いDVD見るとか、もっとみんなお笑い見ればいいのにってシンプルに思います。学校がガチガチだからこそ自分らでこっそり見たりとかする楽しみ方とかあると思うので、もっと厳しくてもいいかなとか。もうちょっと縛られてた方がお笑いの力発揮するのかなと思うことはあります。多分、今めちゃくちゃ活躍されてる方たちはそういう時代に育ってきたと思うので。

加賀:…へ〜って感じですね。まったくそんなこと思ったことなかったもんな。だってもっと広くていいと思うし。縛る人は勝手に縛るし、縛ってほしいと思う人は縛られてもいいし。

立川:それは教員免許とか教育実習を経て思ったことですか?質問しててなんですけど、こっちもどう着地しようかみたいになっています(笑)

賀屋:そうですよね、教育界に一石を投じかけてるみたいな。加賀くんと違うことを言いたい気持ちが強すぎて、ちょっと広いところいきすぎたと思うんですけど(笑)

加賀:探り探り話しすぎて自分の中にないことを言おうとしてる(笑)やっぱり今の僕達は本当に先輩たちを見てきてて、ちゃんと次のことやりたいって考えて頑張ってやってて、僕たちのことをおもしろいって言ってくれる先輩がいたりするわけじゃないですか。
テレビもYouTubeもNetflixもなんでもあります、さあ好きに育ちなさいって状態になったときに、信じられないくらいの天才が出てくると思うんですよ。だから絶対にその子達を生で見たいし、「見てました」って言われたいです。

賀屋:おさえなきゃいけない存在でありたいってことだよね。後輩のおもしろいやつの話の種の1つになりたいって。

加賀:そうそう、絶対にそこに無視されたくないってところはありますね。

立川:では今お2人がおもしろいと思う芸人さんは?後輩も含めて。

賀屋:僕はきしたかのさんがおもしろいと思います。

加賀:ずっと言ってるんですけど、僕はルシファー吉岡さんですね。後輩ではいないです。

立川:おおいいですね。

かが屋1

好きな音楽の話を初公開

立川:全然毛色が違う質問なんですけど、加賀さんは以前ギタリストになりたかったと仰っていましたよね。憧れのギタリストは誰ですか?

加賀:めちゃくちゃ毛色が変わりましたね(笑)最初はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTです。高校を辞めて働いてたスーパーの青果担当のおじさんが、昔はギタリストになりたかったっていうくらい音楽が好きで、僕学校辞めて暇なんですって言ったら、ギターやろうよってCD60枚くらい持ってきたので全部聴きました。「これ全部聴いたら大体洋楽の歴史がわかるから」って。

賀屋:そういうの4枚くらいであってほしいけどな(笑)

加賀:60枚(笑)その人が車で流してたのがTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTで、アベフトシがすごく好きって話をしてました。多分、これは初めて話しましたね。楽しいね、今。

賀屋:うん、知らなかった。

加賀:当時、Dr.Feelgoodがすごく好きだったんですよ。イギリスのパブロックシーンを代表するバンドなんですけど、そこからカッティングにハマって、布袋とかCharとか、とにかくギタリストにハマりました。それ以降は単純に音楽の趣味が広まって、ベタにくるりとかナンバーガールとか、 BLANKEY JET CITY 椎名林檎東京事変とかちょっとずつ追いかけていって、なんだかんだで今はピアノが1番好きです(笑)

立川:ピアノも弾けるんですか?

加賀:弾けないです。家にあってずっと試してたんですけど、覚えられなくて。

賀屋:僕も家にピアノがあって、耳コピでポルノグラフティの『ネオメロドラマティック』と『アゲハ蝶』だけ弾けるようになりました。

立川:そのチョイス渋いですね(笑)『ネオメロドラマティック』ってちょっとマイナーだなって。当時僕CD買いましたけど。

加賀:同世代トークですね。ちなみに音楽何が好きですか?

坂本:私はRadioheadが好きです。

賀屋:Radiohead、僕も大好きですよ。どのアルバムが1番好きですか?

坂本:『KID A』が好きです。賀屋さんは?

賀屋:あ〜…『Ok Computer』ですかね。『A Moon Shaped Pool 』も好き。
あと『Hail To The Thief』好きですね。

加賀:いっぱい文字書いてあるやつね。『Hail To The Thief』のジャケットが広島のスタジオに飾ってあるんですよ。写りもしないところに。

参照:『Hail To The Thief』(加賀さんのInstagramより)

賀屋:僕サマソニ行ったんですよ。かっこよかったですよね。『Creep』やってくれて。

坂本:私もいましたよ。2016年ですよね。感動しました。ちなみに加賀さんは音楽の道に進んでた可能性はありましたか?

加賀:まったくないです。僕はまったく才能がなかったので。まったく才能がなかったんですよ。

賀屋:2回言った(笑)本当になかったんだ。

加賀:ライブとか見たらこんなの弾けたらきもちいだろうなって思いますけどね。

賀屋:トム・ヨークになりたいって思いますよね。REMとかOasisも好きなんですよ。

加賀:Oasisと言えば、カラオケで「Supersonic」を歌う奴っていうコントをやったことありますよ。ロールキャベツ男子みたいな言葉があるじゃないですか。一見控えめなのに意外と肉食っていう。それをやろうと思って、僕歌わないよって言ってるのに、曲を入れたらバチバチのロックを歌うみたいな。

立川:曲に関して言うと、単独ライブの出囃子や『かが屋の鶴の間』のオープニングBGMにハンバートハンバートの『アセロラ体操のうた』を使ってるのはなぜですか?

加賀:CMソングを出囃子とか単独の音楽に使ってる人がいないからですね。あの曲はCMバージョンとCDバージョンと分かれてて、CMだと歌詞が入ってるんですけど、CDバージョンだとスキャットみたいになってるんですよ。なので、これだなと。

かが屋2

引退するまでにやりたいこと

立川:おふたりは死ぬまでコントをやっていたいですか?

賀屋:おじいちゃんになっても2人でコント考えてたらおもしろいですよね。

加賀:そうですね。僕、谷川俊太郎さんってめっちゃくちゃかっこいいと思うんですよ。知識の量も半端ないし、著書の内容もめっちゃ若いというか、時代に合ってるんですよ。あの年でやってるかっこよさっていうのもありますよね。

立川:では最後に、これができたら引退してもいいなってくらいの目標を教えてください。武道館でライブをやるとか。

加賀:難しいな…5分のめちゃくちゃおもしろいネタが2000本くらい作れたらいいなと思いますね。だって1日1個見ても6、7年いけますよね。絶対途中で飽きちゃうだろうし、離れてまたもう1回見て楽しめるし。

賀屋:めちゃくちゃおもしろい5分のネタが2000本できたらもう引退してもいいんだ(笑)なるほどね。僕は大河で主演張れたらもう引退してもいいかなと思いますね。

一同爆笑

賀屋:主演なんてできるはずないですよね?

加賀:ありますよね?

坂本:あります!

賀屋:言わせてるよ(笑)

坂本:でも大河自体はありそうだと思います。

立川:お笑い関係の方は大河の主演やってないのかな?

加賀:お笑い関係は絶対やってないですよ!(笑)

賀屋:NHKが許さないですよ(笑)竹中直人さんとかは近いのかな。だからそのレベルまでいけたらいいなと思います。

かが屋 プロフィール

加賀 翔と賀屋 壮也による、2015年結成のマセキ芸能社所属のコンビ。
キングオブコント2019ファイナリスト。2人ともバナナマンを敬愛しており、日常の中に潜むワンシーンを切り取った設定のコントが多い。

※1bananaman live 疾風の乱痴気より
※2謎解きのネタは『bananaman live S』に収録
※3朝礼のネタは「キングオブコント2008」の決勝戦でも披露された。
※4キャンプファイヤーのネタは『bananaman live kurukuru bird』に収録
※5「言わないやつ」こと、『secretive person 』は『bananaman live ペポカボチャ』に収録
※6「怖い話」こと『a scary story』は『バナナマン傑作選ライブ BANANAMAN KICK』に収録
※7 かが屋加賀・ハナコ秋山・ゾフィー上田・ザ・マミィ林田によるライブ名・ユニット名。コントが好きな彼らによる、コント愛を語ったり、実際にユニットコントを作るライブ


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