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医薬品の個人輸入について

はじめに

イベルメクチンをめぐる議論が活発化しており、個人輸入代行を謳うアカウントを発見したのでこの記事を書くことに決めました

医薬品の輸入は可能なのか?

可能です。
厚生労働省では
「一般の個人が自分で使用するために輸入(いわゆる個人輸入)する場合(海外から持ち帰る場合を含む。)には、原則として、地方厚生局に必要書類を提出して、営業のための輸入でないことの証明を受ける必要がありますが、以下の範囲内については特例的に、税関の確認を受けたうえで輸入することができます。 当然この場合、輸入者自身が自己の個人的な使用に供することが前提ですので、輸入した医薬品等を、ほかの人へ売ったり、譲ったりすることは認められません。ほかの人の分をまとめて輸入することも認められていません。」となっています

偽物が多い

2021年3月にはイベルメクチンの偽物がメキシコで出回っていることが報道されています。個人輸入の一番の危険は本物であるか分からないということです。
ED治療薬のデータになりますが、ファイザー,バイエル薬品,日本新薬,日本イーライリリーの調査で、インターネットで購入した約40%が偽物であると報告されています。
偽造品も正規品に類似した色や形をしているものがあり、見た目での判別が困難なものも多く発見されています。
また、外装はそのまま薬のシートだけすり替えるなどの手口もあり素人が判別することは困難であると言えます。

偽物はなにが含まれているのかが分からず、不純物の混入による死亡例を含む健康被害も報告されています。



輸入代行について

日本では医薬品の個人輸入代行は認められていません。
ですから、医薬品の個人輸入代行業者はすべて違法な業者となります。
これは「友達だから売ってあげる」や「自分の余りを販売します」などを含みます


保障されない

イベルメクチンは抗寄生虫薬です。日本では新型コロナ治療薬として承認されていません。その為、治療や予防目的で服用し生じた健康被害は医薬品副作用被害救済制度の対象にならない可能性があります。


まとめ

輸入代行は特に危険です。
医薬品の輸入代行自体が認められていない為、合法的な業者は存在しません。違法行為を行う業者が商品だけは本物を販売するでしょうか?
私は出所不明の安い何かを販売する可能性が高いように感じます。

また、自分で個人輸入を行うにしてもED治療薬では約40%が偽物です。
イベルメクチンであれば大丈夫でしょうか?そんなことはないというのがメキシコで偽物がすでに発見されていることからも分かると思います。

中身が何か分からない薬を飲むという行為は限りなく危険です。


イベルメクチンが欲しいのであれば、処方してもらうべきであると思います。
私はイベルメクチンの有効性を示すデータが存在しない為、イベルメクチンの服用には否定的ではありますが、必要なのであれば処方してくれる病院で処方されたものを飲むようにしましょう。そうすれば、イベルメクチンではないものを飲むというケースは防げますので。

また、たとえ家族間であっても輸入した医薬品の譲渡や販売は認められていません。もし、個人輸入を行うにしてもそういった規則を調べ、守る必要があります。


補足

イベルメクチンの個人輸入を謳うアカウントについて
イベルメクチンの個人輸入を助けるといった目的で発言されているツイッターアカウントなどをよく見てみましょう。同じ写真を使いまわしていたり、アフィリエイトプログラム(クーポンコードやリンク)が使われていたりするものも多くあります。そういったものは、単純に購入者が増えることによる利益を目的としたアカウントである可能性が高いです。


参考文献

厚生労働省 医薬品等の個人輸入について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/topics/tp010401-1.html

一般社団法人 偽造医薬品等情報センター
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/risk/

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