勝ちず嫌い
負けず嫌い、という言葉がある。
賛否はともかく、自分から見ると負けず嫌いな人はギラギラしていて、絶対に食い下がらず、泥臭くも生命力がある力強い存在だ。
対して、自分の執着を見返すとどうも“勝ちず嫌い”なところがあるように思える。
(そんな言葉があれば、だが)
要は勝ちたくない、勝つのが怖いという習性だ。
明確に意識したのは小学生のとき、テニスの試合に“勝ちたくない”と思ったとき。
打ち合いや練習は楽しかったのに、試合になると急にイヤなものになる。
勝ちず嫌い、は競争して順位を付ける世界にいるととても苦しい。
別に勝ちたくないからといって圧倒的に負けたいわけじゃない。
(圧倒的に負けても執着せず諦められるという利点はある)
ランキングのない自由な表現を求めて、一本ではない複雑化した場所を求めて、泳ぐしかない生き物だと思うようになった。
世界を自分で狭くして苦しくならないように。