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現代のマーケティングにおいては「自己表現的価値」が重要!
今日は、自己表現的価値についてお話ししたいと思います。自己表現的価値は、SNS時代を象徴するような価値観で、消費者が商品やサービスを通じて「自分らしさ」を表現するための重要な要素です。情緒的価値と似ている部分もありますが、目的や作用する範囲が異なります。これらを正しく理解してマーケティングに活かしていただければと思います。
自己表現的価値が必要な理由
SNS時代の消費行動
現代では、消費者が商品を購入する理由に「他人にどう見られたいか」という視点が強く影響します。SNSを通じて商品やサービスをシェアすることで、自分の価値観や個性を周囲に発信することが一般的になりました。商品が消費者の自己表現を支えるツールとして認識されると、選ばれる可能性が高まります。
情緒的価値との組み合わせで満足度アップ
自己表現的価値は、「他人にどう見られるか」という対外的な視点に基づく価値です。一方、情緒的価値は「使っていると気分が良い」という対内的な満足感を提供します。この2つをうまく組み合わせると、商品が「使って楽しく、さらに自分を輝かせるツール」として認識され、消費者の満足度が格段に上がります。
差別化とファンづくり
市場には似たような商品があふれていますが、自己表現的価値を強く押し出すことで他の商品との差別化が可能になります。また、この価値を提供する商品は、消費者に「このブランドじゃなきゃダメ」と思わせ、ファンを生み出します。
自己表現的価値と情緒的価値の違い
価値には「機能的価値」「情緒的価値」「自己表現的価値」の3つが存在します。機能的価値とはパソコンで言うところのスペックなので分かりやすいのですが、情緒的価値と自己表現的価値は似ている価値なので少し分かりにくいかもしれません。なのでその違いについて説明したいと思います。
焦点の違い
自己表現的価値
*
自分の個性や価値観を他者にどう見せたいかが焦点になります。社会的な評価を重視する価値観です。例えば「高級車」はステータスや成功者のイメージを伝えることができ、リサイクル素材のバッグは環境意識が高い自分を表現することができます。
情緒的価値
*
商品やサービスを使ったとき、自分自身が感じる満足感が焦点になります。例えば「アロマキャンドル」はリラックス感を得られ、「カフェの空間」は癒しを感じることができます。
「対内的」か「対外的」か
自己表現的価値=対外的(他人からの評価)に重きを置いている。
情緒的価値=対内的(自分自身の感情)に作用する。
目的の違い
自己表現的価値=自分をより良く見せたい、個性をアピールしたい欲求。
情緒的価値=自分が楽しむ、癒される、幸せになるなどの内面的な満足。
自己表現的価値を取り入れる方法
自己表現的価値を取り入れる方法は主に5つあります。
①ブランドメッセージを明確化
自己表現的価値を高めるには、ブランドの価値観やメッセージをはっきり伝えることが重要です。消費者がそのメッセージに共感し、自分とブランドを重ね合わせられるようにする必要があります。
例えば「私たちはサステナブルな未来を目指します」というブランドが、環境を大切にする消費者に刺さる。
②商品デザインで個性を表現
デザインは自己表現的価値を高める重要な要素です。消費者が「これを持っていると私らしい」と思えるような商品設計が求められます。
例えばミニマルなデザインの腕時計は洗練された印象を与えます。
③ストーリーを伝える
商品やブランドの背景にあるストーリーをしっかり伝えることで、自己表現的価値を感じてもらいやすくなります。
例えば「このバッグはリサイクル素材で作られており、購入することで環境保護活動を支援できます」
④カスタマイズやコラボレーション
消費者が自分らしさを表現しやすい選択肢を用意することで、自己表現的価値を高められます。
例えば
・カスタムデザインが可能なスマホケース
・人気クリエイターとのコラボ商品
⑤SNSマーケティングを活用
SNSは自己表現的価値を伝える最適なツールです。消費者が商品を通じて自分を表現する写真や投稿を自然に促す仕組みを作ると効果的です。
例えば
SNS映えするビジュアルやデザイン
自己表現的価値は、現代のマーケティングにおいて必要不可欠な要素です。SNSの普及により、「自分を表現すること」は多くの消費者にとって商品を選ぶ重要な理由となっています。これに情緒的価値を組み合わせることで、ブランドや商品の魅力を最大化できます。
商品を売るときは、「便利さ(機能的価値)」「嬉しさ(情緒的価値)」「自分らしさ(自己表現的価値)」を意識してみてください。この3つの価値を巧みに操ることで、商品やサービスがより魅力的に見えるはずです。
追伸:今回のお話はBtoCに限りません。BtoBでも同じ考え方が当てはまると思います。例えば、デザイン事務所がデザインを売ろうとする場合、「企業らしさ」をどのように表現できるかを明確に伝えることが、選ばれるポイントになるはずです。
それでは、また!
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