【創意工夫の日本史】1986年7月 『写ルンです』発売
小型の簡易カメラではなく、フイルムにレンズを付けるという、逆転の発想から生まれたのが富士フィルムの『写ルンです』。
部品点数を減らし、紙パッケージをボディにすることで価格を抑えて、当時の価格にして1380円という低価格を実現したこともあって、発売から半年で100万本も売れたそうです。
ところで、『写ルンです』の商品名の由来ですが。
『誰でも簡単に、きれいな写真が手軽にとれる』という製品のコンセプトを表現する商品名を、開発チームは思いつくことが出来ず悩んでいたときに、試作品を手に取った役員が、『本当に、これで写るのか?』と尋ねたので、開発者のひとりが『はい、写るんです!』と答えたのがそのまま商品名になったとか・・・。
なにかできすぎた話のように思えますが、本当でしょうか🤔
この『写ルンです』、最初はポケットカメラ用のフィルムを使用していたそうですが、それでは晴天以外では露光不足になりやすい問題があったそうです。
そこで、35mm、ISO400の高感度フィルムを使用するようにしたのですが、ここでひとつの問題が発生しました。
35mmフィルムはすべてを撮影したら、巻き戻す必要があるのですが、巻き戻し機能を追加すると、部品点数が増えて価格が高くなります。
価格を維持し、35mmフィルムを使うことはできないかと考えた結果、開発チームはその解決策を見出します。
その解決策とは・・・・
その解決策とは、35mmフィルムをはじめから巻きだした状態にしておき、1枚撮影するごとに1コマずつ巻き戻すようにするという、これまた逆転の発想でした😮。
すごいですね。よく思いつきますね。
観光地で気軽に『写ルンです』を買い、写真を撮る。
写真撮影をお手軽かつ身近にした商品が、80年代後半に生まれました。
■参考・引用資料
『身近なモノの履歴書を知る辞典』 日刊工業新聞社MOOK編集部 (編集)