デザインストラテジストを名乗る理由は?
名乗る理由をお話する前に、そもそもデザインストラテジストって何?と思われる方も多いと思うので、私の仕事内容からデザインストラテジストについて簡単にまとめてみたいと思います。
デザインストラテジストに求められる2つの専門性
現在私は広告代理店にて広告以外の領域への新たな取り組みとして、企業の新規事業や新サービスの企画・開発支援というコンサルティングに近いことをやっています。そこで求められるのはデザインとビジネスの双方向から、クライアントの抱える課題にアプローチすることです。
ここでいうデザインとはグラフィックデザインやプロダクトデザインのような「狭義のデザイン(意匠)」ではなく、サービスのコンセプトやビジネスモデルの設計など「広義のデザイン(設計)」のことを指しています。
そこで「デザイン」と「ビジネス」という2つの専門性を合わせ持ち、「デザインからビジネスを作る人」、つまり「視点やツールとしてデザインを用いることで、人がお金を払う仕組みを作る人」を私は「デザインストラテジスト」と定義し、名乗ることにしました。
なぜ名乗るのか?
なぜデザインストラテジストと名乗ることにしたのかというと、お客さんからの見え方やチームでの役割を明確にするという目的がありました。異なる専門領域の方とチームを組み始めた当初は、デザイナーと名乗っていたのですが、それだと「グラフィックデザインをする人」という印象をチームのメンバーにも、クライアントにも与えてしまっていました。
これは担っている範囲と肩書きにズレが生じているという状態でした。
そこで肩書きを変えることにしたのですが、UXデザイナーと名乗ると「UXを改善する人」というイメージを持たれてしまうし、デザインコンサルタントというとデザイン(狭義のデザイン)に関するコンサルを行う人という印象を与えてしまう可能性がありました。
そこでデザインストラテジストと名乗ることで、チームやクライアントへのコミットメントの中身を明らかにすることにしました。
取り巻く環境の変化
デザインストラテジストという名前は徐々に広がっている気がします。実際にGoodpatchでもデザインストラテジストという肩書きが使われています。
生活者の多様化や社会課題の複雑化が進む中で、2つ以上の専門性が求められることは今後増えていくと思います。
その際クライアントにとって何をしてくれる人なのかを伝えるツールとして、肩書きはより重要になってくると思います。
また対クライアントだけでなく、チームや社内に対しても同様に、肩書きは重要なツールになると思います。