「起業家に選ばれる起業家」ということ(後編)
前回の記事では、EO of the Year 2024の受賞について触れましたが今回は、EOでどのように自己成長していけるのか?ということをお伝えできればと思います。
豊富なコンテンツがもたらす効果
まずは、基本となるフォーラム。
フォーラムは、毎月10人以下の固定メンバーが集まり、1ヶ月の間に起きた課題やトピックを発表し合います。各メンバーが「経験シェアリング」を通じて体験談を共有し、学びや気づきを得ることで、今後の経営活動に役立てます。この定期的なフォーラムにより、メンバー同士のコミュニケーションが深まり、フォーラムそのものの付加価値が高まります。
次にChapter Meetupと呼ばれる、月に一度開催される月例会です。これには、150〜200人のメンバーが集まり、フォーラムメンバー以外も参加し、交流をはかるものです。
続いて、Learning。
EOの中には、より大きな成果を出しているメンバーもおり、そのメンバーがクローズドな勉強会を行う機会もあります。大きな刺激と学びを得ることができるチャンスとなっています。ありがたいことに、講師側にまわる機会にも恵まれ、上場後に4回ほど講演させていただきました。どちらの立場も経験できたことも、また成長へと繋がっています。
Chapter MeetupやLearningに参加することで、他社の成功事例や失敗事例を追体験することができ、非常に短時間で多くの知識を得ることができます。これを自社の経営やビジネスに活かすことで、成功への近道となっています。
最後に、MyEO。
MyEOは、趣味やビジネスに基づいた部活動のようなものです。私はいくつかのビジネス系のMyEOに参加しているのですが、その1つのSaaSビジネス勉強では実践的なノウハウの共有が行われています。例えば、宣伝広告の具体的な方法や効果など、リアリティのある情報をシェアし合います。
理事へのお誘いとリーダーシップ
積極的にEOに取り組むうちに、理事へのお誘いを受けることになりました。参加者から運営側への移行は、私にとって大きなチャレンジでした。EOは基本的にフラットな組織ですが、運営側になるとリーダーシップが求められます。対経営者へのリーダーシップは、これまでとは比べ物にならないほど大変です…。より深く、より広い視野が必要となりました。
しかし、そのおかげで、リーダーシップに対する考え方が深まりました。参加者全員が経営者であるため、細かな指示をしなくても、各自が自発的に動き、期待以上の成果を上げることができました。これは、自由度を持たせ、信頼することが、自分がすべてをコントロールするよりも良い結果を生むということを示しています。
また、この考え方は社内のマネジメントにも通じます。経営者が細部までコントロールし続けるのではなく、部長などの中間マネジメント層に業務を任せることで、より良い結果を生むことができるのです。
前回のnoteで、3つのルールを挙げましたが、それ以外にもさまざまなルールがあります。そのひとつに、こういった集まりには珍しいように思いますが、EOには、「メンバー間でのビジネスが禁止」されています。
イメージしやすい例で言うと、飲食店を経営するメンバーが「ぜひ来てください!」と言うのはNGです。上下関係や忖度を生まないために営業行為が一切禁止されており、純粋に「自己成長」を大切にする場となっています。
EO×自分の未来
そんな自己成長を大切にする場のEOにおいて、現在、私はEO Tokyo Central チャプターのアクセラレーターの理事を務めています。アクセラレーターは、年商1億円未満の若手を中心とした起業家を対象に、EOのプログラムを通じて年商1億円まで引き上げることを目指す役割です。
もともと教育に興味があったわけではありませんでしたが、思い起こせば、高校時代。幕末ブームをきっかけに吉田松陰と出会い、彼の行動力と探究心の旺盛さに強く惹かれ、自分で体験することの大切さも学びました。また彼は「松陰がいなければ坂本龍馬や高杉晋作も存在しなかった」と言われるほど影響力がありました。偉人たちの野心に感銘を受けながら、自身が日本を変えていくのはもちろんのこと。次世代へと繋いでいく必要性も感じている中でのアクセラレーター理事へのお誘いでした。
EOの理事は20数名で、最初に「理事になってほしい」と声をかけられた際には、詳細は知らされていませんでしたが、詳しく聞くとアクセラレーター理事をお願いしたいとのこと。たくさんの役割がある中で、このアクセラレーター理事を任命されたのも運命だと思い、次世代の、若手起業家の教育に励んでいます。
例えば、スタートアップ塾では、EOに所属する経験豊富な経営者が若手起業家に対して講演や勉強会を行い、スタートアップフォーラムでは同じ目線の参加者同士が経験をシェアします。これにより、起業家としての成長を促進します。
1minute PitchやFinal Demo Dayでは、事業や創業の想いを込めたスピーチを行います。Final Demo Dayは、去年からEO Tokyo Centralチャプターだけでなく全国開催にして、より多くの人と触れ合い、切磋琢磨できる場所にしました。また、ピッチ大会を観覧できるようにし、VCさんに来ていただき、投資してもらう機会が生まれた実例もあります。また子どもたちにも参加してもらうことで、夢や希望を与える機会を増やしています。
おわりに
EOで学んだ「TAV(Take Away Value=持ち帰りの価値)」の概念を、自社でも積極的に活用しています。EOでは、参加者がいくつのTAVを持ち帰れたかを発表する場がありますが、これを自社の会議にも取り入れることで、会議に対する参加者の意識が大きく改善されました。社員たちは積極的に参加し、学ぶ姿勢を強めています。
さらに、ライフラインの共有も重要な取り組みです。これは、個人のこれまでの人生を、良かったことと悪かったことをグラフ化して共有する方法です。これにより、その人の人となりを深く理解し、関係性が大きく強化されます。私自身も社長として、自分のライフラインを社員に共有することで、全社員が私という人物を理解する手助けをしています。また、部長以上の役職者は、合宿でライフラインを共有し、チームビルディングに活用しています。
EOを通じて、いままでのように自己成長はもちろんのこと。これからは自分のことだけではなく、多くの起業家を育成し、次世代の若手起業家に夢を与える流れを作りたいと考えています。若手の熱量を浴び続けることで、自分自身も成長し続け、EOへの恩返しを果たしながら次世代へと貢献していきます。
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