コウノトリと風に乗る―鴻巣市へのふるさと納税体験記
ふるさと納税…ずいぶん長く帰省もできていないので地元の北海道に寄付したらなんだかいい塩梅だよなあ、と、今年はそうしようと考えていた。
今住んでいる自治体の税収が云々とも言われることのある制度だけれど、どなたかがどこかで仰っていた「税金の使われ方を自分で選べる制度なのだ」という考え方に私は同意する。
お役所の人のうっかりミスでやべえ使われ方をしてしまうこともあるのだから、
(…お役所もいろいろ大変なんでしょうけども。)
せめて自分で「この自治体に納税したい」という選択をする方が納得できるというものだろう、税金たるものは。
そんな中、なんとなく行ってみた場所で私は「これぞ」という税金の使い道のひとつを見出した。
埼玉県は鴻巣市には、コウノトリ野生復帰センターがある。
「こうのとり伝説」が伝わる鴻巣市では、コウノトリを街のシンボルとし、実際にコウノトリ野生復帰センターにてコウノトリを飼育している。
参考資料:鴻巣市のパンフレッドより
ご存じの通りコウノトリは稀少な鳥とされていて、けれども和歌山市のサイトによると、近年では人工飼育からの放鳥が行われ、そして放鳥されたコウノトリが野外で繁殖し、日本各地で彼らを見かけることが叶っているそうだ。
そんなコウノトリも住める環境を目指して、鴻巣市がふるさと納税も利用して募集しているのが「鴻巣市コウノトリの里づくり基金」なのだそうだ。
ちなみに、そんなに大きな額でなくとも寄付できる。ので、我が家はとりあえず2000円の「お礼の品なしの寄付」を選択し、使い道を選ぶ段階で「コウノトリの里づくりに関する事業」を選んだ。使ったサイトはふるさとチョイスだ。
微々たる額にはなってしまうが、北海道にも納税したい自治体があるし、来年以降もっと納税額が上がる様(つまりは収入が上がる様)頑張って、そうしてコウノトリさんに更に寄付をする、ということで…。
実際にコウノトリを目の前にすると「彼らの為に生かされるお金になるなら納税したいよなあ」という気持ちになる。
やはり、文章だけで追うとどうしても漠然としがちな使い道も、実際に体感することで心を動かすところがあると思う。
ちなみに鴻巣市は子ども食堂についても力の入った自治体らしく、
子ども食堂について気になっていたところのある私としては、鴻巣っていろいろ見据えている街なんだなあと感心した—なんて言うと上から目線すぎるな、ごめんなさい。
鴻巣市の高齢者の割合が全体の約30パーセント、過疎地域ではないとされているデータがあるゆえ(※ふるさとチョイスを参照)、だからこそ子ども食堂への関心が強くいられるところもあるのかも知れない。
これはあくまで私の体感に基づく仮説だけれど、過疎気味な自治体ってどうしても高齢者寄りの施策が多くって、若者なり子どもってあくまで「問題を担う側」に固定されがちな気がするんだよなあ。
だからこそ鴻巣の取り組みは「これから」の為に動いている気がして心地よい。少なくとも、私には。
ところで、鴻巣市の吹上地区は昔は「吹上町」だったそうだ。合併を経て、今は鴻巣の一部になっている。
その名の由来は「海風と赤城おろしがぶつかる場所だから」ともされているそうだ―つまり、風に所縁のある街ということになる。
占星術では2020年ごろから「風の時代」が始まったとされているそうだ。
それでなくとも時代の転換期であることは、占星術に明るくなくとも感じられる昨今だと思う。
だからこそ「そっかー風の時代なのか、」と考えてみると、なんだかしっくりくる気がする。「風」という言葉の響きだけでも、ふわりと心が軽くなる気すらしてくる。
鴻巣は、いち早く風の時代に乗っている街なのかも知れない、なんてね。