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日本の歴代名曲ランキングBEST30をまとめてみた

2024年10月9月テレビ朝日放送、「昭和・平成・令和 50 年分総決算!音楽のプロが選んだ最強サビ名曲 BEST100」を見ました。

2000年より前&2000年以降でそれぞれBEST50ずつ、音楽業界のプロ52名が考える「サビがスゴい名曲」がランキング形式で厳選されていました。

日本の歴代ポップ音楽の変遷を象徴する気がして面白かったので、うち上位30曲を自分なりに備忘録としてまとめたいと思います!


楽曲ランキングまとめ方針

音楽の三大要素は、リズム(律動)、メロディ(旋律)、ハーモニー(和声)と言われています。またの三大要素は、音の高さ、大きさ、音色とも言われています。

僕はDTM界隈出身、シンセサイザー本職、趣味は世界各国の音楽文化調査なので、特に音色・サウンドの観点から、感想をあえて言語化するとともに一覧を列挙します📝

子どものときには考えもしなかった時代背景、プロデュース視点、歌詞についても複合的に聴くと面白い。



2000年より前BEST15

15位 Automatic 宇多田ヒカル '98

「J-POP史を塗り替えた」

R&Bのオシャレさ全開。ドラムとベースが完全打ち込み。白玉のエレピはいるけど、ギターは効果音的にしか使われていない。サンプラー的サウンドもちらほら。

当時の最新テクノロジーが重視されてる気がするけど古さを感じないのは、テンションコードとかノンダイアトニックコードが多く複雑なため?一番のサウンド的特徴はボーカルのディレイエフェクトかな。


14位 ロマンスの神様 広瀬香美 '93

「定番ウインターソング」

サビらしさMAXのメロディ高音。サウンドとしてはシンセブラスが時代を象徴してる。たぶんRolandのJUPITERブラスかなあ。ダンスピアノもこの時代ならではですね。ベースもウニョウニョしてる。


13位 夜空ノムコウ SMAP '98

「切ないメロディ配列」

(大人の事情で動画なし)


中音域は安定のストリングス。そっとエレピ。高音域にポルタメントたっぷりのシンセサイザーサイン波。ボーカル多いから楽器は控えめなのかな…と思いきや、まさかのシタールがいる。異国の民族楽器でも日本人は切なさを感じられる?


12位 チェリー スピッツ '96

「メロディの強さ=サビの強さ」

パーカッションのコンガがずっとなってる。関係ないけどスーパーマリオ64のEDはこの曲の影響受けてね?あとは落ち着くエレキギターのアルペジオとアコギ。エレピも少々。


11位 ルビーの指環 寺尾聰 '81

「激しいだけがサビじゃない」

80年前半にもなるとけっこうサウンドが違う。フェイザーエレピに、ビブラフォン、ファンクギターのカッティング(あってる?)は歌謡曲みを感じる。


10位 おどるポンポコリン B.B.クィーンズ '90

「ワードチョイスの賜物」

(動画なし)


サビ歌詞の情報量が「おへそがちらり」「お腹がへったよ」しかないのは改めて考えるとすごいw

シーケンスベースと、YAMAHAのFM音源っぽい音でコード、KorgのPCM音源っぽい音でメロディとユニゾン。この音源の楽曲は90年代だなーとなるので、2020年代に流行ってるK-POP由来の音も少し経ったら古く聴こえるんだろうか。


9位 ロビンソン スピッツ '95

「メロディメイカースピッツの泣きメロ」

エレキギターのアルペジオが切なさのお手本みたい。アコギはLRでダブリング。

最強のメロディをサポートするかのような、ポルタメントきいたシンセリードも少々。実はあんまりスピッツ聴いたことなかったんだけど、メロディめっちゃいいな。


8位 Tomorrow never knows Mr.Children '94

「1サビ→2サビ→ラスサビの盛り上がり」

アコギ、クリーンギター、ベース、ドラムは基本として、他楽器についてはかなり入れ替わってる。

1サビにパイプオルガンやグロッケン、2サビにキラキラシンセ、ラスサビにはサックスとどんどん賑やかになり飽きない作り。


7位 バンザイ〜好きでよかった〜 ウルフルズ '96

「結婚式定番ソング」

ボーカルのリバーヴがいい意味で浮いててライヴ感。赤裸々な表現の歌詞力で愛された楽曲な気がする。

音は左にサイドギター、右にリードギターの定番バンド編成。ハモンドオルガンもいい。


6位 クリスマス・イブ 山下達郎 '83

「Aメロ→Bメロ→AメロのABA構成」

チューブラーベルとスレイベルの音色のクリスマス感で景色が思い浮かぶ。YAMAHAエレピも冬っぽいな。キックの四つ打ちの安定感の上に、この当時では聖歌隊のようなコーラス量。

無限に続くように感じられる楽曲のフェードアウト構成も今となっては珍しいな。


5位 LA・LA・LA LOVE SONG 久保田利行withナオミ・キャンベル '96

「R&Bで日本語が日本語っぽく聞こえない」

ギターのカッティング、ベースのスタッカートやスラップ、刻むようなエレピ、ポルタメントたっぷりのサイン波の浮遊感。

踊りたくなるようなアフリカルーツのブラックミュージック。グルーヴ感。圧倒的リズム感はもはや遺伝子レベルで備わってる気がする。


4位 First Love 宇多田ヒカル '99

「初恋のためらい、憂い、高揚感」

他のボーカルと聴き比べて、美しい非整数次倍音の多さが特に目立った気がした。これが天才ってやつか。

ストリングスとグロッケンとクラシックギターがきれいだけど、楽曲は声を大切にするかのように金物ドラムがかなり少ないし、マスタリングまでもが控えめ。


3位 どんなときも。 槇原敬之 '91

「大事なことなので二度言います的な言葉の重ね方。リフレイン」

サビ前のテンテン テテン。サビですよーっていう呼びかけ。からのこのメロディとハーモニーは誰が聴いても良き。マッキーはJ-POPの中心だと思う。

楽器はポップスならではのリッチな編成。ドラムベースギターエレピストリングス。スレイベル。ボンゴ。三連符のカスタネット?


2位 真夏の果実 サザンオールスターズ '90

「四字熟語からサビが始まってるのに、堅いイメージがなく楽曲の世界観に入り込める」

まずイントロからあるキーボードはハープ?ナイロン弦のギター?生楽器ではないよな。左に入ってくるウクレレと音色が似ててすごい合う。右側はたぶん鍵盤楽器で鉄琴みたいなのを叩くダルシトーンかな。

バンド編成でパーカッション付きといえばサザン。だけど、この曲はリズム隊全体でパーカッション的な構成。電気が通ってない南国の雰囲気。

サビはメロディユニゾンでシタール入ってくるし。展開で今度こそ本物ハープのグリッサンド。

サビ後のオルガンは別れを感じるのはなんでだ。ロータリースピーカーの周波数を動かす表現が心情の揺れを表現してるということでまとめとこう。


1位 ラブ・ストーリーは突然に 小田和正 '91

チャカチャカーン。 ← 恋に落ちた音

(動画なし)


「短くないサビなのに一度聴いたらサビを全部口ずさめる。メロディと言葉の完璧な組み合わせ」

「2拍3連のリズムの強さ。リズム、メロ、発音、意味、歌声の5つの要素すべてが完璧に成立している正五角形みたいな楽曲」

「緊張感、不安感と共に美しく切ない。日本一のサビ」

楽器は何よりテレキャスのカッティング。シンセストリングスも改めて聴くとけっこう主張してるな。ベースのスタッカートがワクワク感。

個人的にアニメかぐや様でもお馴染み。笑



2000年以降BEST15

15位 キセキ Greeeen'08

「褒め言葉としての普通で美しいメロディと歌詞」

確かにシンプルなストリングスとピアノ。ドラムベースギターもシンプル。なのに懐かしさを感じるし青春も感じる。ミックスボイスが青春と結び付くのかも。

4人ボーカルの良さがポップスとして最大限活かされてる。学校の合唱でも歌われるようになるのも納得。


14位 さくら(独唱) 森山直太朗 '03

「卒業式の定番」

Aメロから最強すぎる。Bメロもサビのための緊張。そして緩和。これは平成を代表する曲ですね、言語化できない。


13位 マツケンサンバⅡ 松平健 '04

「底抜けに明るいお祭りソング」

曲名はサンバだけど楽曲はサンバじゃないとか、不思議なコード進行とか、業界人の数々の逸話が語られてる…

H氏「叩けボンゴの歌詞から始まるけどボンゴはサンバに使わない!カルナバルもアミーゴもセニョリータもスペイン語。決め台詞のオレ!に至ってはフラメンコ!曲調もサンバじゃない!でもこれはサンバ!そういう細かいことを吹っ飛ばす名曲!」


12位 さくらんぼ 大塚愛 '03

「遊園地のアトラクションみたいなメロディと歌詞。もういっかい!」

これぞポップス。今聴いてもカワイイ。ギター裏拍のワクワク感。

ブラスサウンドが楽しさを表す気がするのはなんでだろう、金属製の楽器で明瞭で華やかな音を出すから?単音に込められた感情とか、音のダイナミクス・大小を表せることも関係してそう。


11位 うっせぇわ Ado '20

「サビのパンチ力」

ギターのオクターブ奏法が目立つけど、Rolandの808カウベルもDTMらしさを象徴するサウンド。

ボカロ出身ならではのメロディの跳躍も、反抗期を表すようなストレートで分かりやすい歌詞も、DTMらしさ満載…っていうかやっぱり改めて聴くとボーカル上手すぎるな。


10位 Everything MISIA '00

「サビofサビ。ジャジーで大人な雰囲気を土台に圧倒的な歌唱力」

プロのボーカリストが選ぶ歌が上手いシンガーでも1位常連のMISIA。

フェイザーエフェクトのかかってたエレピがサビでエフェクト抜きになって前面に来てる。そして安定の壮大なストリングス。ディズニーオーケストラのよう。

今だと考えにくい7分楽曲…だからこそ長く聴いたあとラスサビの半音上転調が感動的。


9位 何なんw 藤井風 '20

「グルーヴィーサウンドに方言の歌詞」

めっちゃオシャレに感じるのは、コードのテンションの多さなのかな。スケール名分からんけど、何なんwの後のピアノギターベースみんなで上がって下がる導音らへんの半音ずつの音が洋風?

ハネるようなリズムとか、ジャズオルガンもかなりオシャレ効果出してる。


8位 白日 King Gnu '19

「圧倒的音楽性。サビの主旋律が1オクターブ上下」

MV通りのドラムベースギターピアノ。そしてオルガンの他に、サビ頭や間奏にはブラス、ワウを効かせたクラビネットみたいなのとか、効果音としてDJスクラッチ音もたまに入ってる。

ギターの歪みエグいのにこんなに美しいのはなぜ。ボーカルがハスキー音だけで重ねられてたり倍音があり得ないぐらい含まれてるからか?

ベースはサブベースのような超低音(シンセベースMOOG Subsequent)になったり、ドラムも所々でEQで削られたりサンプラーマシン叩いてたり、とにかく全楽器で作り込みがヤバい。

音色だけで天才的なのに、AメロBメロもサビっぽい力強さがあるし、リズムもバウンスが複合的に混ざってるし、サビも緊張コード連続で来てエモいしし、、個人的に30曲の中で1番好きかもしれない。


7位 ultra soul B'z '01

「サビの最後が刺さる」

ディストーションの効いたギターサウンド、パワーコード、ピッキングハーモニクスの直球勝負…と思ってたら意外にもL側にピアノのコードなってた。超高音でシンセストリングスみたいなのもいる。

まぁでも最後が最強ですね。


6位 粉雪 レミオロメン '05

「情緒あふれる伸びやかなメロディ。冬の儚さ。サビの一音で心を仕留める」

バラードの四分音符ピアノ。八分音符ギターとベース。バックには包み込むようなストリングス。

この儚さの所以はバラード曲なのに、サビの一音伸びでシャウトすることによるギャップがあって、それが届かないものに手を伸ばすような感じがするところから来てる?(意味不明)


5位 Lemon 米津玄師 '18

「懐かしいJ-POP=ヨナ抜き音階に新しい表現」

日本のYouTube MVで一番再生数が多い楽曲。

Aメロではサンプラーサウンド「ウェッ」。スネアのサウンドも独特だな。サンプリングされたっぽい金属も不規則に入ってる。
Bメロではクラップ音、クワイアっぽいサンプリングなど。
そしてサビでは日本音楽王道のストリングスやギターが加わる編成。ピアノもずっと重要ですね。

サンプリングが新しい表現として定着して、あとAメロやサビの4小節目の不安定感が圧倒的にエモい。


4位 天体観測 BUMP OF CHICKEN '01

「バンドの最上級のお手本」

ドラム、ベース、ギター2本でできる最高傑作。サイドギターのスライドとチョーキングがかなり荒ぶってる。

ギター買って最初の教本のTAB譜見ながら全然弾けなかった思い出。笑


3位 Pretender Official髭男dism '19

「グッバイから入るエモさ、新鮮さ。切ない歌詞にハイトーンでキャッチーなメロディ。ロマンティックなベースの進行」

サビで降りてくる進行は今回だと珍しいかも?

ピアノ四分音符ながら音価が絶妙で、実はキー的にも弾きづらくて激ムズ。それに対して、ドラムベースギターはとてもとてもシンプル。コーラスはボコーダー付きでリッチな和声。

シンセはMVにあるネオンライトのようなキラキラシンセ。間奏のシンセにはハマって弾いてみた動画作りたくなったほど。


2位 TSUNAMI サザンオールスターズ '00

「サビ頭のsus4からの下降メロディ。儚く切ないバラードに嗄れた歌声とエッジボイス」

クロマティックな旋律が一番印象的。上から下へ、まさにTSUNAMIのように。

サウンドは最強バラードピアノとバックのストリングス。コーラスもバラードをさらに印象付ける。Lギターが夏の熱を表し、Rオルガンが短く刻む音は時計のタイムリミットや刹那を表していると感じた。

…とあえて音を言語化するとこうなってるけど、もうフィーリングとしてメッチャイイ曲でいいじゃんってなってる(今更)


1位 世界に一つだけの花 SMAP '03

「国民的ソング。キャッチー。平易な言葉で無限に想像を重ねられるフレーズ。」

(動画なし)


今回取り上げた楽曲で歴代CD売上がナンバーワン。

ポップス定番のドラムベースギター、そこにピアノとストリングスという王道。というか王道を王道たらしめた曲がこれなのでは。

意外と今聞くとドラムが打ち込みなんだよなこれ。

あとまさかの北米楽器バンジョーがずっといる。間奏では南米っぽい民族楽器の笛もいる。世界の多様性を表してるのかな。子どものときは気付かなかったな。

僕らは世界に一つだけの花。もともと特別なオンリーワン。



以上、上位30曲のまとめでした。安心感のある定番要素と、技術進歩による新規要素とのバランスがここ50年の変遷として聴けて面白かった。

楽曲についてクリエイター視点から何か面白いと思った要素があればコメントでぜひ教えてください!

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