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第10話_インテグリティが照らす、黒い姿は/投影という召喚【後編】

私がインテグリティを貫くとき、目の前の人が恐れていること、見たくないこと、その人自身が向き合いたくないと思っているテーマと、強制的に向き合わせてしまう現象が起きている気がします。

そのとき私は、相手にとっての敵役として存在していそうです。

たとえば相手からすると嫌な人、ウザい人、面倒くさい人、自分を素通りする(自分に無関心な)人などの役を私は担います。現時点での仮説に過ぎませんが、相手の人生という物語においての、それらの私の配役は敵役です。この役は、私がインテグリティを貫こうとしたとき、それを表現するときに、降りてきているような気がします。

降りてきた役を演じた瞬間、そこに現れるのは、相手と私を含む領域、です。相手の人生という物語においての1場面、1シーン、1シーズンにおいて私は敵役を務めることになります。

敵役について、もう少し。

私と相手がいて、私が放ったインテグリティが相手へ向かったとき、私と相手のあいだの何かを照らしているようにも感じるのです。何を照らしているのか、ハッキリと私からは見えません。しかし相手の側から見ると、照らされたソレの輪郭が、ぼんやりと見えるはず。次第に、アウトラインが浮かびます。おぼろなな、それは相手にとっての陰(敵)です。このとき私は、相手にとってのソレと重なります。その役目、役割が自分には、どうやら、ありそうだというのが、今の私の仮説です。

それらの気づきを得たのには、前述のAさんの存在が欠かせません。


Bさんを通じ、Aさんの振る舞いを見聞きした私は、古い価値観を引っ張り出していたようでした(無自覚だった)。思っている以上に私の古い価値観は、慣れ親しんだやりかたをベースにしたくて「考えろ」「このままではダメだぞ」「嫌われるぞ」「いいのか?」と訴えていたようで。

嫌われないように
しなきゃ
何が悪かったのかな

そうやって、古い価値観を行動に移すところでした。Aさんのお陰で私は、古い価値観のわなに、ハマるのを避けることができました。Bさんの介入にも感謝しています。

話は、ここからです。


*   *


似たことが2週間前、知り合いのCさんと私とのあいだにも起こりました(そう私は感じている)。

Cさんが一生懸命に話すのは、Cさんの友達のことです。友達の振る舞いにCさんなりの気づきや示唆があり、それを友達に気が付いてほしいとCさんは話します。自分(Cさん)の気づきを友達に与えるべきか否かと、です。話を聴いていた私は、その友達と同じ振る舞いがCさんのなかに、あるように感じました。その振る舞いが自らのなかにあるとは、Cさんは思っていません。

Cさんは自らの陰を
見たくない部分を
友達へ投影しているのでは
ないだろうか

AさんとCさんに、私を加えた3者の投影から、共通していそうだなと私が感じたのは、存在価値や尊厳のような何かです。

ポイントは2つ。

1つは、私がインテグリティを貫くとき、誰かのソレを刺激する。刺激されたと感じた誰かは、自らのソレ(たとえば存在価値や尊厳のようなもの)を守ろうとします。これが肯定的な意図です。その意図から人は行動に移る。

もう1つは、大学時代の友人にバカにされたと感じた私は、自らの存在価値、尊厳を守ろうとしたのではないか、ということ。これも肯定的な意図です。その意図から私はインテグリティを貫いた、のではないだろうか。

1連の出来事から私は、そんなことを考えています。


自分のなかにあるパワフルでアグレッシブで激しい部分を私は、ずっとないことにしてきました。

きよしは、体が弱いから

そうやって育てられた私に、強さやたくましさは存在しませんでした。それを自分のふち、隅っこに、私は無自覚に追いやってきたのだろうとも感じます。そう気づいてから心の旅路を進め、今の私が感じるのは、内なるアグレッシブさや、パワフルな存在です。これは、私がインテグリティを貫くときの助け、支えにもなっている気がしています。外側への見た目としての、わかりやすい激しさ、ではなく。内側に宿した、隠れた強さです。それが、誰かの敵役に耐えうる、それを担うだけの何かを私に授けてくれているのかも、しれません。これは書きながら気づくことです。

自信がないまま、ハッキリしないまま、感じることを言葉にしています。いずれにせよ、私がインテグリティを貫くときに、少なくとも相手と私という領域で何かが起こっているように感じるのです。

これは何か
あるな

そう感じています。これを書きながら「気づけ、気づけ」と、現実が何かを私へ訴えているように思えてなりません。


私は今、大学時代の友人へのメッセージを迷っています。




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