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アメリカの人種差別問題って知れば知るほど複雑

アメリカの特徴は私の中では移民によって作られた国で、他人種が共存している国だった。何度か旅行でアメリカに来ていてそんな人種差別を受けたことはなかったし、見た覚えもなかった。一方で、イタリアではアジア人が少ない街に住んでいた事もあり、よくアジア人である事をバカにされた。しかも何故か「中国人」っと呼びながら目を引き伸ばして細い目にしながら。小学生ながら「中国人じゃない。日本人だよ」っとその違いも分からんのか!?っと反撃した覚えもある。でもそれは年々減っていった。

結婚をしてアメリカに来た時、久々の「中国人」&細目セットをやってきた小僧がおった。しかも車で通り過ぎながら。確かにオレゴン州にある小さな町だったのでしょうがないかもだが…21世紀にもなってまだやってんの!?!?!?!?!?っと驚きと怒りで燃え上がったが、旦那はこんな事しょっちゅうだからそんな気にするなっと言われた。

頻繁に起きる????Whaaaaaaaaaaaaaaat!?アメーリカは移民でできた国で様々な人種が混在する国じゃないの!?!?っと驚いた。でも確かに住んでいると人種や貧困など様々な問題が入り込んでいる事に気づいた。でもこれを語るにはアメリカ国内での人種同士の歴史を知らないといけない事を旦那に教えられて知った。人種問題がどれだけアメリカという国において重要な課題なのかが何となくわかった。

特に2020年のBlack Lives Matter抗議デモの爆発でより世界的にも注目されたと思う。また、昨今ではアジア人に対するhate crimeも大きく報じられている。もちろん黒人差別の歴史としては奴隷の歴史が大きい。その後も白人と黒人でバスの席、トイレ、待合室等ありとあらゆる所で差別されてきた。さすがにもうそんな事はないだろうと思いますか?驚く事にまだ似たような事が特に東海岸の南部では見られる。

この地域は元々奴隷が多く生活していて、内戦時も奴隷キープ派の地域だった。私はワシントンDCに7年住んでいた事もあり、某美術館で働いていた。そこで見たのは、警備はほぼ全員黒人。事務や管理職はほぼ白人。というハッキリとした区分けが自然とできていた。しかも管理職の人たちは警備や清掃の職員を裏で下に見てバカにしたりしていた。正直引いた。でも何故そんな別れかたになっているのか。

気付いたのはまず、知り合いを紹介して雇うという習慣があった。必然的に家族・友人等の紹介だと似たような人達が集まる。でもじゃなぜ友人の知り合いにそんなにも別の人種がいないのか。数人他人種がその中含まれていてもおかしくないだろうと思うが、そこで来るのが教育だ。大学を出ている人種は黒人と白人で比べると白人の方が多い。それはなぜ?貧富の差だ。黒人の方が貧困層に多い。そうなると、学校を中退したり、アメリカのバカ高い大学に行くお金もない。貧困地域の公立学校の教育はひどく、そんな高学歴で推薦入学なども難しい事が多い。一方で、裕福な層にいるのは白人が多い。代々お金があり、いい地域に住んでいれば公立でもいい学校に行けるし、私立であればもうエリートコースへ行ける。そんな人が大学に行けない訳がない。その次の世代になってもこのままではそのサイクルは続く。また、友人達も必然的に同じような人や人種が集まってしまう。

このインバランスの解決方法として大学入学ではある一定の人数の人種をそれぞれ入学させている。そう。白人だからという理由で大学に不合格になる事もあるそうだ。他人種の方が入りやすいという事で、日本人と白人ミックスの子がアジア人と人種を示したそうだ。職場でもそうだ。私の夫は国家公務員だが、雇用についてはまずはポイントで書類選考があるのだが、その中では人種によってポイントが違ったり、元軍人かどうか又は負傷している元軍人なのかによってポイントが加算される。よって、履歴書では全く同じポイントをもらっていても、人種によってポイントが稼げるという事だ。そこまでして他人種を最低人数確保するようシステム化されている。

黒人奴隷の前にアメリカで迫害を受けたのはnative Americanだ。Indiansとも言われるが、それも元々コロンブスが来た時インドに着いたと勘違いしてインド人と一緒のIndianっと思われたっと聞いた。どちらにしろちょっと差別的な言葉として扱われ、今はnative americans と呼ばれるようになった。黒人もblackはギリギリ受け入れられているが、基本的にはAfrican Americanと呼ぶようになっている。アジア人も色々差別用語はあるが、基本的にはAsian American っと呼ぶのが正しい。ヒスパニック系はHispanicまたはLatin Americanっと呼ばれる事が多い。そう考えると色々な人種が混ざり合っている。ちなみに白人もwhiteでもギリギリ大丈夫だがCaucasian (コケイジャン)っと呼ぶ方がいいようだ。

Native Americansは米国政府との話し合いにより自分達の土地を持ち、その中で米国政府の援助を受けながら彼ら特有の法で暮らすことが許されたが、与えられた土地はかなり条件が悪かったりで散々な想いをしてきたらしい。しかも貧困・犯罪・ドラッグ問題などの多くの問題を抱えている。そこから逃げ出せる人もいるが、そう簡単ではない。なんとなく生活していて、アメリカ人も彼らの存在を忘れている様に感じる時がある。

アジア人は最近のウィルス関連で無差別のヘイト・クライムが増えている。でもこれは今に始まった事ではない。元々鉄道を作るために中国人労働者を連れ込み、その他にも労働力としてアジア人を連れ込んできた。戦時中は日系アメリカ人でも日本人の血が入っていると言うことから留置所に入れられ、強制労働を強いられていた。しかも1992年には差別の酷かったロスでは黒人が警察の暴力によって殺され、大きな暴動が起きた際、韓国系アメリカ人が店を構えていた地域で暴れられ、強盗なども相次いだ事から店を守ろうとする店主たちが銃で店を守った。それより黒人とアジア人の仲が悪くなったっと言われている。だから今起きているアジア人に対するヘイト・クライムは白人や黒人両方から来ている。

なんて複雑な関係…マイノリティの間でも差別は起きる。人間は差別をしてしまう人間なのだと思う。だから私はそれはしょうがないと思う。問題は人種によって、地位・経済力・安全・健康・幸福など様々な面である大きなグループが不利になる事だと思う。人種関係なく皆んな同じチャンスを与えられ、同じ基準で評価されるべきだと感じる。人に迷惑をかけなければ皆んな幸せである事が1番だ。理想論だ…

アメリカでの人種差別問題は今に始まった事ではないし、ヨーロッパでもあるし、日本でもある。でもアメリカで見るのはその人種によって起きる生活における不平等さだ。全ての問題とは言わないが、社会問題の多くの根源となっているのは人種差別である事は事実だと思う。まだまだ私の理解が追いついていない勉強不足や説明不足の部分も多くあると思うが、私がこれまでの学んだ事と感じた事をシェア。本当に難しい問題だ。


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