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Music FMと若者〜セゴさんの生配信を見て思うこと〜

筆者が普段から視聴しているYouTuberのセゴリータ3世は、5月21日の生配信において

Music FMを取り上げ、視聴者とSkypeでの通話を通して、その実態に迫るという企画を行った。

改めて、考えさせられる内容だったので、筆者が思うことやストリーミングについてや

Music FMについてなどなど、いろいろと書きたい。

知らない人は動画を見てほしい↓

その実態とは

簡潔に書くと、Skype通話には多くの高校生や大学生が出演した。

クラスの8割〜9割がMusic FMを利用しているという証言が相次いだ。

音楽はお金を払うのではなく無料で聴くことが当然であるという風潮が蔓延しているという。

筆者の音楽を聴く環境

基本的にSpotifyで音楽を聴く。CDを買うこともある。その条件としては、ストリーミング解禁をしていなく、レンタルもできないアーティストは買うことにしている。

筆者とMusic FMの関係

筆者自身も過去にMusic FMを使っていた。これは猛省をしたい。

大学生1年から2年生のころまで使っていた。友人に勧められてMusic FMを使っていた。

無料でいろんな音楽を聴けることに衝撃を受けた記憶がある。そのときは、違法だとは知らなかった。

そもそもMusic FMとは何か

元は中国のアプリで、日本版にリリースされたもの。無料で音楽聴き放題が利用できるアプリである。

ストリーミング再生できたり、ダウンロードしてオフライン再生もできる。

合法的なストリーミング配信アプリ(Apple Music,Spotify,LINE MUSIC 等)と同様に自分専用のアカウントを持つことが出来る。

プレイリストを作成したり、それを他人と共有できたりする。新譜もすぐにあったりする。

そして、1番の特徴が楽曲にコメントができるという点だ。YouTubeの動画にコメントする感覚と同じだ。

使い勝手がいいということは事実だろう。

故に人気のアプリになってしまっている。

一番重要なこと、Music FMは違法アプリだ。

だから、App Storeから消されている。しかし、雲隠れ状態で、時々浮上するなどしている。

ツイッターでは、Music FMがApp Storeに浮上したことを知らせるアカウントが存在しているらしい。

音楽には著作権があり、その使用料を払う。だから、合法的なストリーミング配信アプリ(Apple Music・Spotify・LINE MUSIC 等)は有料だ。

再生数によって、アーティスト・レーベル側に還元される。

ちなみに、Spotifyには基本無料の広告配信という無料版が存在する。

しかし、Music FMは無料だ。違法アップロードされた音源をいくら再生したとしてもアーティスト・レーベルに還元はされない。泥棒をしていると言っていい。

Music FM利用者には、違法行為だということを認識してほしい。

それ以上に、Music FMを利用することが、音楽文化の衰退行為に加担していることを理解してほしい。

Music FMを厳しく取り締まれない理由

Music FMは、日本より著作権の法律が厳しくない国外、中国のサイトにアップロードされた楽曲を探し出し、利用者に提供している。

そのため、アプリ自体に違法性はないが、音楽がアップロードされていることが違法なのだ。

YouTubeに違法アップロードされたものはアーティスト・レーベル側が削除申請をすれば、適切に処理される。

しかし、Music FMの場合は違法アップロードされたものが、中国のサーバーにあるので、アーティスト・レーベル側が削除申請しようにも、提供元・会社名が不明なため、できないのだ。

故に取り締まろうとも、取り締まることができない。

日本の音楽をとりまく環境

2018年音楽売上内訳

2018年の音楽の売り上げ内訳をみると、CDの売り上げが根強いことが分かる。アメリカでは約8割がストリーミングという、日本とは真逆の現象が起きている。  

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2018年、ストリーミングが始めてダウンロードを上回る

5年連続でストリーミング市場は拡大している。

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ストリーミングがダウンロードを始めて上回った。ダウンロードはiTunesなどで購入することを指す。

2018年をストリーミング元年とみてもいいのかもしれない。ストリーミング界の女王・あいみょんが誕生した年でもある。

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ストリーミングの利用率

ICT総研のストリーミング利用率の調査によると、有料のストリーミング配信を利用している人が、4012人中430人しかいないことが分かった。全体の約10%だ。無料のストリーミング配信(これはSpotifyの無料版だと思う)も約10%だ。

非利用者が約8割いる。この層がMusic FMを利用しているとすると、セゴさんの生配信で相次いだ、「クラスの8割〜9割がMusic FMを利用している」という証言と合致している。

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海外の音楽をとりまく環境

先ほども紹介したように、アメリカの音楽産業はストリーミングが約8割を占めるようになったことも起因して、20年ぶりに二桁の成長率を記録した。

ストリーミングが音楽産業復興の鍵となるのは間違いない。

英国ではストリーミングが浸透したことにより、違法ダウンロードが減ったという報告がある。

Spotifyと違法ダウンロード

2008年にスウェーデンでスタート

Spotifyは2008年にスウェーデンで利用が始まった。当時、欧州では違法ダウンロードが問題になっていた。しかし、iTunesでは太刀打ちができなかった。

その問題を解決したのがSpotifyだった。

フリーミアム配信

「無料で2000万曲聞き放題!」

今ではこの謳い文句はすんなりと受け入れられるが、約10年前では理解できない概念だと思う。

基本無料の広告モデル配信定額制配信を組み合わせた、「フリーミアム配信」モデルを採用している。これを採用しているのはSpotifyだけだ。

違法ダウンロードを駆逐

「月10時間までは無料で聞き放題。それ以上利用したいなら、5ドル払って」という、基本的に無料という概念が、音楽にお金をかけたくない・違法ダウンロードしていた人たちの心を掴んだ。

結果的にスウェーデンでは、違法ダウンロードが激減。レコード産業の売り上げ拡大に寄与した実績もあり、イギリスでは2009年、アメリカでは2011年と各国にサービスが広がっていった。

Spotifyが普及した国では違法ダウンロード率が格段に下がった。

2016年に日本上陸

遅い、遅すぎる。スマホが普及し始めたころにSpotifyが上陸していれば、Music FMを利用する人はもっと少なかったかもしれない。

無料版の特徴

Spotifyに無料版があるなんて知らなかった人は、よくまとまっているサイトがあったので参照してほしい。

一言で言うと、しゃべりがないラジオ局という感じだ。

メディアからの発信がない。

セゴさんの配信でも分かった通り、Music FM問題の事態は深刻だ。多くの若者が使っている現状がある。

おそらく、音楽メディアのほとんどはこの深刻な事態に気づいていないのではと思う。

ROCKIN’ON JAPANやMUSICAでは取り上げられていないし、webメディアのCINRA.NETやrockin’on.comでも取り上げられていない。

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(2019年5月22日時点でのCINRA.NETとrockin’on.com)

ネットで検索すると、ブロガーの人がこの問題を警鐘している。音楽ジャーナリストはこの問題を積極的に取り上げる人は少ない。

バンドマンでは、アジカンのゴッチ氏がストリーミング推奨をツイッターで呟いている。

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ヤバイTシャツ屋さんのこやまたくや氏はMusic FMを使っている人を揶揄するツイートを過去にしていた。

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音楽業界に携わる人がMusic FM問題に対して、もっと危機感を持ってほしい。

ストリーミング配信を解禁していないアーティスト

Music FMを利用する人の中には、ストリーミング解禁をしていないアーティストの曲を聞きたいから使っている人も多いのではないか。

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誰しもが知っているバンドからインディーズまで、解禁をしていないアーティストがこれだけいる。

若い世代に人気のアーティストが軒並みストリーミング解禁していない現実がある。

解禁しない理由としては、CDの売り上げの方がいいという理由もあれば、パッケージにこだわりを持っているからCDを買って聴いてほしいという理由など、様々あるはずだ。

どんどんとストリーミング解禁をしてほしい。Music FMでの違法音源が再生されるくらいだったら、ストリーミングで再生されたほうがいいはずだ。

そして、コアなファンの人は必ずCDを買うから、心配しなくていいだろう。

筆者の主張

Music FMを使っている人たちに分かって欲しいのは、違法にアップロードされた音源を再生しても、君の好きなアーティストには全く還元されない。

違法であることも認識してほしい。

さらに、Music FMを使うということは、音楽文化の衰退に加担していることを強く自覚してほしい。

音楽業界がこの深刻な事態を認識して、問題に対処してほしい。

先ほども見てきたように、ストリーミングで音楽を聴くことが違法ダウンロードを駆逐し、音楽産業復興の要因になったことが分かった。

世界的に見ても日本はCDが売れる稀有な国だが、セゴさんの配信を見る限り、今の若い世代はCDを買ったことがない人が大勢いる。

だからこそ、日本の音楽産業もストリーミングが鍵になる。

ストリーミングがさらに浸透するように、ストリーミング解禁していないアーティストの楽曲を解禁するなど、様々な手を尽くしてほしい。

音楽業界に携わる人の思ってる以上に、Music FMは浸透している。日々違法アップロードされた音源が再生されている。

この状況に危機感を持ってほしい。

これほどにMusic FMが浸透してしまった日本では、すべてを駆逐することは難しいかもしれない。

だからこそ、一人一人の意識改革が必要だ。モラルの問題になってくる。

SpotifyやApple Musicを使っている人が少数派なんて、そんな世の中良いはずがない。

ライブハウスやフェスに行くような人がMusic FMを使っていたり

Music FMの画面をスクショしてインスタのストーリーに載せるなどなど

Music FMを使っていることがダサい、かっこ悪いという風潮になってほしい。

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