1.そもそも聴覚障害ってどういう障害?

聴覚障害者の当事者研究における情報保障の1つ目です.

1. そもそも聴覚障害ってどういう障害?
2. 私が所属しているゼミでは?
3. 聴覚障害者の当事者研究って何かある?
4. 国内学会発表
5. 国際学会(国際会議)発表
6. 日本における学術手話通訳の課題

ということで,今回はまず聴覚障害について述べていきます.皆さんってどんなイメージを抱いているでしょうか?

・補聴器を装用している
・耳が遠い
・ただ聞こえないだけで他は何も問題ない
etc

まあ,確かにそう言われたら,その通りかもしれないですし,全然違います.
では,聴覚障害の定義はどういう風に定められているか見てみましょう.

厚生労働省が定める聴覚障害の定義では,

1.両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの(40センチメートル以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)
2.一側耳の聴力レベルが90デシベル以上,他側耳の聴力レベルが50デシベル以上のもの

となっています.この定義を最低基準とし,少しずつ数値が増えてゆくにつれて重い障害と定義されていきます.

私の場合は,両耳ともスケールアウトなので,聴覚障害では1番重い障害となっています.

スケールアウト:これ以上測定できないこと,100デシベル以上と同様.

あいにく,私は他には何もないですが,人によっては平衡機能にも障害を抱えてしまうこともあり,バランスが悪かったり,目眩が起こりやすいこともあります.

ここまで聞いたら,本当にただ聞こえないだけ?って疑問に思うかもしれませんが,実は聞こえないだけで色々と皆さんの世界に馴染めないことが沢山あります.

まず,生まれたら何も聞こえないとイメージしてみてください.

多分,目に映っている映像が世界となっているでしょう.
では,皆さんはどうやって声を覚えましたか…?言葉を覚えましたか…?日本語を覚えましたか…?

意外と知られていないのが,この部分による言語のやりとりであって,日本語を身につくのに苦労しながら育ちます.もちろん私も苦労してきました.

また,音による慣習も知らないまま育てていくことになります.私もここまで生きてきましたが,両親や周囲の人々から度々と教えてもらってきました.


・静かなところでは音を立てないように歩く
・部屋のドアを音を立てずに開閉する
・部屋のドアをノックする際に,その部屋の様子を音で判断してから静かに入るか普通に入るか
・カフェでパソコンをタイピングしている時に静かに打つ
etc

他にも数えきれないほど沢山ありますし,車のクラクション音などの環境音で命に関わる物事の判断もできないことがあります.

となると,聴覚障害は単純に聞こえないだけではなく,音が中心となる環境には馴染みにくい,コミュケーション障害とも言えるわけです.

追伸:人によっては好んで音に馴染もうとする人も沢山います,1人の考え方や聞こえ方で,「これが聴覚障害なのか!」とは言い切れません,1つの障害にも多様性があり,人によっては考え方や聞こえ方も異なります.

ということで,今回はここまでに.

次回はその障害を抱える方が所属しているゼミ内ではどうやってコミュニケーションを図っていきながら,研究を進めているのか紹介していきます.

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Thetaθ Akihisa (Akihisa Shitara)
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