【12月号】異世界ニュース 冬の訪れ-2
"温泉発掘。新たな観光資源となるか"
ルプスの西。大型ギルド"氷狼の煙"の所有する開発地で中規模な温泉が見つかりました。開発を担当した冒険者パーティらによると、雪の降り積もる山中で山の地肌が露出している区域を発見。触れても人肌程度に暖かく、付近を調査したところ、この天然の温泉地が発見されたそうです。
再度に渡り調査を継続した結果、泉質は「温まりの湯」や「傷の湯」の性質を持ち合わせており、これらは湯治としての効能があるということがわかってきました。また都市部から程よい場所に位置しているためか、人気も上々。いまでは簡易的な施設が建てられ、新たな観光資源としての期待が寄せられています。
「よければ泊っていくのもおすすめする。運が良ければ、だけどね」
数は限られていますが、宿泊も可能とのこと。巷の極東ブームに重なり、温泉地は軒並み人気になっている傾向です。この冬、この場所が有名なスポットになるのは間違いないでしょう。
回復魔法では拭うことのできない疲労に、ぜひいかがでしょうか?
はわ……温泉……。
き、聞くに、とある施設では混浴も出来るとありました……。
いま勇気を出して誘えば……
あ、あのっ…!!!!!
ん? どうした?
今日のニュースは見られましたか……?
あの、その……ルプスの方で温泉が見つかったそうです……!
良ければ……その……わたっ、わたしと……!
ふっ、一足遅かったわね。
あたしが先約よ。
お前がしたことを謝りに行くんだよ……。
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