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一筋の消えない思い出を残して

コントレイルの引退レース、ジャパンカップを観に行ってきた。

ウマ娘を観ていたときに、「こんなレースを生で観てみたかった!」と思うことが何度もあった。結果として、昨日はそんなレースに立ち会うことができて感動しました。

昨年はコントレイルに一度も会えなかったが(京都まで行く気で菊花賞に申し込んだが外れた)、今年は運よく天皇賞秋とジャパンカップでお目にかかることができた。

ジャパンカップ当日は雲一つない青空だった。

天皇賞とジャパンカップではどちらも、コントレイルがパドックを歩く姿は美しいと思った。艶々した青鹿毛に、よく見るとつぶらな瞳で愛嬌のある顔をしている。

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コントレイルには、昨年コロナでイベントやスポーツのほとんどが中止になってしまった時期に、春のクラシックで大いに楽しませていただいた。無敗の三冠達成もすごく盛り上がった。ジャパンカップも見事なレースだった。

そんな昨年の成績を見ていたから、今年は少し物足りなく感じてしまっていた。引退レースがジャパンカップと聞いて、これは絶対に獲りに来ているということだろうし、観に行きたいと思った。コントレイルは、自分にとって過去の映像や本の中ではなく、初めてリアルタイムの記憶に刻まれた三冠馬だった。

私はゴールより少し手前の、1階スタンド最前の手すりにしがみついてレースを観ていた。

最後の直線でコントレイルがまっすぐに、飛行機雲のように馬群から抜け出してきたとき、勝利を確信しました。何度やり直してもコントレイルが勝つんじゃないかと思うくらい強かった。ゴール直前は肉眼でも不思議とスローモーションのようによく見えて、その映像が脳裏に焼き付いている。

「一筋の消えない思い出を残してターフに別れを告げます。さらばコントレイル!」

米田アナの名実況も後世に語り継がれるんだろうな。

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西日に照らされながらのウイニングランは絵になりますね。


初めて引退式にも参加した。

暗く、だんだん寒くなっていく屋外に立っていると、コミケの待機列を思い出した。この冬の寒さが引退式の寂しい空気をより研ぎ澄ましているように思う。

コントレイルの姿が人垣でほとんど見えないくらい、パドックは人で埋め尽くされていて、やはりコントレイルは特別な馬だったんだと改めて感じた。

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福永騎手が「コントレイルはどの牧場でもどの厩舎でも三冠馬になった馬ではないと思う」と言っていたことが印象に残った。三冠馬を「作り上げる」という表現をしていた。

ほかのどの馬だって、牧場で厩舎で、きっと手塩にかけて育てられてきたはず。でも、コントレイルの何倍ものレースに出ても、人知れず引退したり、レースで予後不良になってしまう馬もいる。最近見かけないなと思ってnetkeibaの掲示板で検索すると悲しい事実を知ることもある。幸せな引退のどれほど難しいことか。

偉大な功績を残してくれたコントレイルの背中を無事に見送ることができて、本当によかったです。お疲れさまでした。

コントレイル、5chで変なスレたくさん読んでごめん……。ジャパンカップかっこよかったよ。今度は種牡馬として矢作先生の夢を叶えてください。どうか元気で、長生きしてね。

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