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The StadiuM広報部|第1弾(全4回) #スポーツトレーナーとは

プロスポーツトレーナーアカデミー「ProSTA」を運営している株式会社The StadiuM広報部です。社長の山田に経歴を聞きました。スポーツトレーナーのきっかけや出会い、アカデミー「ProSTA」について話を聞いていきたいと思います。

幼少期~弟子入りまでの18年

柔道師範である父親に幼少期から柔道を教わる

ー山田社長の自己紹介と経歴を教えて下さい。
山田
 はい。スポーツは自分の人生を語る上で切っても切れないものです。3歳の幼少期のころ、柔道師範だった父に柔道を教わりました。組み手は左利きで育てられ、優勝を獲得しながら9歳まで続けました。

スポーツトレーナーを知ったきっかけ 

ー9歳で柔道を辞められたのですか?
山田 
9歳のとき、体育の時間にサッカーの授業がありました。そこで「団体」でスポーツをすることの楽しさを知り、葛飾にあるクラブチームに入所しました。

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ー柔道を辞めてすぐサッカーのクラブチームに入所したんですね。
山田 
はい。小さい頃は柔道をやっていたのでクラブチームに入ってから「自分はサッカーが得意じゃないんだな」と感じました。(笑)それでもサッカーは楽しかったです。

大手スポーツマッサージ鍼灸院に弟子入りして経験を積む

ースポーツトレーナーを知ったきっかけは?
山田 
スポーツトレーナーという職業を知ったきっかけは母親からでした。大手スポーツマッサージ鍼灸院でスポーツトレーナーが在籍していた事を知り、弟子入りさせてもらいます。その鍼灸院ではプロアスリート達が出場するオリンピックにスポーツトレーナーを帯同させる事業をメインにやっていました。弟子入りというか、現在でいうとインターンですね。

ー弟子入りしてからは、どんな事をされていたんですか?
山田 
当時は国家資格を持っていなかったので、荷物持ちや社長の車を洗車したりしていました。年間330日勤務で少ないお給料をもらっていましたが、当時はかなり経済的な自由がなく苦労しました。

専門学校(鍼灸マッサージ専門学校呉竹学園)へ入学してオリンピック初帯同するまで

専門学校へ入学。報酬もアップ

ー弟子入り(インターン)の後、専門学校(呉竹学園)に入学したんですね。
山田 
はい。入社して2年目に(鍼灸マッサージの)専門学校に入学しました。午前中は学校でマッサージの基本などを教科書で学び、午後は治療院で勤務しました。


アトランタオリンピックで初帯同

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ープロアスリート選手のスポーツトレーナーをしたのはいつですか?
山田
 21歳のとき、プロアスリート選手の帯同で、初めてアトランタオリンピックへ帯同しました。その当時は本当に若すぎて、ピンと来ていませんでした。目の前でプロ選手たちがメダルを取るんです。自分はまだ若くて、テーピングテープを持っていったり、荷物運びをして選手のサポートをしていました。

ーどの種目競技で帯同されたのですか?
山田 
男子柔道のサポートとして帯同しました。当時の柔道界では60kg以下級で野村忠宏選手が1回目で金メダル、78kg以下級で古賀稔彦選手が銀メダルなど男女含めて日本は8枚ものメダルを獲得しました。

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世界大会を目の前にした当時21歳の社長山田

ースポーツトレーナーは選手と同じように選手村に入場できるのですか?
山田
 いえ、選手村には入れません。オフィシャルトレーナーは一人しか席が用意されていませんが、トレーナー一人では何人もの選手に手が回らないので、若手だった僕も含めて5名が参加しました。

ー今までで生の試合は見たことありますか?
山田
 プロ選手が試合をするところは、アトランタオリンピックが初めてでした。柔道男子の古賀稔彦選手に「山田って試合見たことあるの?」と言われました。帯同費などは、国の強化指定になると合宿費とともに支給されます。現在は水泳などが強いですよね。


スポーツトレーナーとしての初仕事

専門学校卒業と同時に国家資格を取得

ー専門学校を卒業と同時に国家資格を取得したのですか?
山田
 はい。鍼灸あん摩マッサージ指圧師の資格を取得しました。当時在籍していた会社と早稲田大学が契約していたので、治療院勤務のかたわらで、早稲田大学サッカー部に任命され携わることになります。

早大サッカー部でスポーツトレーナーを経験

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ー早稲田大学のサッカー部ではどのような事をされていたんですか?

山田 早稲田大学では試合のみをサポートするのではなく、練習の時からずっと携わっていました。ウォーミングアップでランニングをするときも、必ず列の後ろについて走ったり、トレーニングメニューを考えたり怪我の予防をしていました。テーピングやマッサージ、選手の身体に関するメンテナンスや怪我予防、有事の際はタンカ運びをしていました。


スポーツトレーナーとして見る「柔道」と「サッカー」の違い

ーアトランタオリンピックでは柔道のスポーツトレーナーとして、早稲田大学ではサッカー部のスポーツトレーナーとして携わりましたが、スポーツトレーナーから見る「サッカー」と「柔道」の違いはありますか?
山田
 もちろんあります。柔道では、体重制限がある「階級制」となっていて減量して受ける階級を落とすことができるため過酷です。また、手のひら・足の指先まで身体の全身に怪我があるのが特徴ですね。一方「サッカー」は、主に下半身に怪我が集中すると思われがちですが、脳震盪(のうしんとう)や打撲もあるので怪我は全身にできます。膝の靭帯(じんたい)に関しては、「柔道」「サッカー」ともに切ってしまうリスクがありますね。

この道のプロになろうと決断をしたきっかけは「メダルをかけてくれたこと」

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ーいつ頃からスポーツトレーナーとして本格的に活動したいと感じたのですか
山田
 トレーナーとして本格的に活動したいと思ったのは、早稲田大学サッカー部でのトレーナー経験だと思います。「総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント」というカップが毎年開催されます。(今年度は新型コロナウイルスの影響により中止となりました)神戸で行われる総理大臣杯に向けて、選手たちと練習の時から携わってきて、試合で見事優勝するのを目の当たりにしました。とても衝撃的でした。選手の一人が「山田さん、優勝したよ。山田さんもメダルかけて写真取ろうよ。」って言ってくれたんです。そのときに、「この道のプロになろう」と決断しました。


プロ選手を相手にする「プロスポーツトレーナー」

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Jリーグ「ヴァンフォーレ甲府」でプロの選手達をサポート

ースポーツトレーナーとしてプロになろうと決断した後、ヴァンフォーレ甲府に移動されたのですか?
山田
 いえ、治療院勤務で働きながら、Jリーグのお話をもらいました。山梨のヴァンフォーレ甲府というチームで、週末にスポーツトレーナーとして通っていました。

ー東京から山梨へ毎週通われていたんですか?プロの選手と試合前から関わるのは初めてですよね。
山田
 週の2~3日は、山梨へ通っていました。プロ選手のサポートをしたのは「アトランタオリンピック」以来で、練習中からトレーナーとしてサポートするのは今回が初めてでした。


プロとアマチュアの違い ー自分のサッカーでご飯を食べるということー

ープロの選手とアマチュアの世界は、異なりますか。
山田
 大きく違います。プロの世界では、1年契約で戦う選手がほとんどです。外国籍の選手の場合、半年で結果を出さなくてはならない場合もあります。「サッカー」の場合、団体での競技なので、一人だけ突出した能力を持っていてもチームとして成立しません。年俸も、高い人がいれば低い人もいる。それがプロの世界で、自分が選手たちと関わる意識・姿勢から気をかけていました。

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ープロの選手にはどんな接し方をしていたのでしょうか。
山田
 日々練習に向かう姿や考え方がプロだと違います。「サッカー」で「勝つ」ということに対して毎日のことが繋がり、1年、そしてまた1年と重ねてリーグ戦に出ることができます。プロは「勝利給」という制度があり、勝たないとこの勝利給は入ってこないのです。そもそも勝つことが前提です。選手の中には、勝利給で生計を立てる人もいます。

勝利給とは…
試合にプロ選手が出場し、勝利した場合は勝利給(特別給)が上乗せされます。1点取得した場合は◯円、0失点を押さえたら守備(ディフェンス)に◯円など、臨時給が入るシステムとなっています。出場時間やメンバーに選抜されただけでも金額が変わってくる場合があります。


怪我を見るのではなく「人」を見る。

ープロの選手が試合に出る際、怪我などで出場を継続するかのジャッジはどんなところを見てるのでしょうか。
山田
 プロ選手の場合、1試合でも出場しないと厳しいんです。でも、怪我してる状態で無理に出場し、後遺症が残る場合などは次の1年が終わってしまうこともあります。一番大切なことは、怪我そのものを見てジャッジするのではなく、「人をしっかり見てあげることだと思います。

ー「人」を見るというのは、どういうことでしょうか。
山田 
例えば選手が怪我をしたときに「痛いから出場は中止しよう」という判断も間違ってはいません。ですが、選手の置かれた立場があります。「この試合で1回でも出場しないと後がない」と追い込まれたりする選手がいれば、「2年契約だから今ここで無理して出るようなことでもない」という選手がいます。みんなそれぞれ契約の内容や置かれている立場は違うのです。その背景を知った上で、選手と向き合うことが大切なのではないかと思います。

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ーどうやって選手たちの背景を知るのでしょうか。
山田 そうですね。それは、日頃一緒に過ごした時間や、日々の中で信頼関係を構築していくことだと思います。
僕から選手に「どんな契約状況なのですか?」と聞くことは一切ありません。選手からウォーミングアップのときやトレーニング中など、何気ないときに話してくれることがほとんどです。

ー信頼関係を日々築いてきたトレーナーにしかできないですね。
山田 
プロ選手達は、日々ものすごいプレッシャーの中で練習に励んでいます。選手達がこぼした言葉を受け止めて、トレーニングメニューの参考にしたり試合の出場可否のジャッジメントをしています。僕たちスポーツトレーナーは、信頼関係を得て初めて、最終的なジャッジメントができるのだと思います。試合の際は、怪我により今後の選手生命のリスクについて選手だけでなく、監督にもしっかり共有して最終判断することが大切ですね。

第2弾は山田が単身で過ごしたスペインリーグでのトレーナー生活をお届けします!

[プロフィール]

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山田 晃広(やまだ みつひろ)
株式会社The StadiuM代表取締役。株式会社ロコケア取締役。Penya F.C. Barcelona Japan 公認サポーターズクラブ副会長。
東京都葛飾区出身。呉竹学園鍼灸マッサージ本科卒業。
大手鍼灸スポーツマッサージ院で7年勤務し、アトランタオリンピックなどへも帯同。単身でスペインへ渡り、リーガエスパニョーラで5年間トレーナーの経験を積む。帰国後、スポーツトレーナーとしてJ1や澤穂希選手のオリンピック帯同などプロアスリート選手の試合帯同の傍ら、スポーツトレーナー専門アカデミー「ProSTA」事業を開始。現在は200人の卒業生を輩出している。
[資格]
鍼灸あん摩マッサージ指圧師/認定ProSTA アカデミーマスター講師/原田式メンタルトレーニング指導者/呉竹学園東京医療専門学校スーパートレーナーコースマスター講師

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