MORE AGGRESSIVEの意味 ザスパクサツ群馬2023シーズンプレビュー
はじめに
セーーーーーフ!!開幕前に間に合った!正直、マラソン大会出たり、バレンタインでデートとか行ってて忙しかったから間に合わないかとちょっと諦めてた笑 卒業を待つだけの大学生の暇さに救われた感。
前回は補強の振り返りということで選手個人にフォーカスした内容だったけど今回はもっとチームにフォーカスした内容を書いていきたいと思います。ザスパクサツ群馬2023スローガンの「MORE AGGRESSIVE」とは一体なんなのか!?どんな意味が込められてるのか!?昨季の課題を振り返りながら、今季に向けた予想と共に!
※2023シーズンに向けてチームが始動してから公開練習や沖縄キャンプなど見学に行った人だけが新チームの情報を得られる場がありましたが、筆者はそれらに一切参加しておらず、昨季のJ2リーグなどの公式戦やYouTubeで公開されている試合など誰もが閲覧できるものだけを根拠に今回の文章を書いています。
「2つの顔」を見せましょう
今シーズンのスローガンを理解するにあたって、根拠なしで多分こういう事だと思う!みたいな話を繰り広げてもいいのですが(多分1万字書ける)、流石にそれじゃ説得力に欠けるので、大槻さんの言葉を引用しながら理解を試みたいと思います。
大槻監督はいつも自分が発する言葉の影響力を意識しながら話しているように感じます。パッと使いやすいフレーズをよく産み出しますし(誰が出てもザスパとかね)、選手を守る発言からもその意識が垣間見えます。一方でどこまで本音なのか?と感じてしまうのも事実で、ほとんど本音を喋っていないように見える時もあります。そんな大槻さんの言葉ですが、下に引用したこの試合後インタビューでの言葉は昨季のサッカーを見ていても腑に落ちる所があり、嘘は混じっていないでしょう。そしてこれこそが今季のザスパにおいて重要なテーマです。
今季のザスパにとって、「2つの顔」をよりはっきりと見せる事こそが重要なテーマになると考えています。大槻監督の言葉を言い換えますと「2つの顔」は2種類存在しており、まず1つがボール保持の局面とボール非保持の局面という2つの顔。次に相手を追い込むような敵陣での守備と相手を引き込むような自陣での守備という2つの顔。この2種類の「2つの顔」をよりハッキリと見せる事が今季の重要なテーマです。昨季見せられなかった、そして今季から見せようとしている新しい顔こそが「MORE AGGRESSIVE」を理解する鍵になります。
昨季の振り返り
昨季のザスパクサツ群馬はそれぞれ片方の顔しか見せられない試合がほとんどだったというのが実際の所です。満足出来るレベルを見せたのは「しっかりとゴール前での守備」だけ、相手を引き込むような低いラインでのボール非保持だけです。かなり低い位置にDFラインを設定し、ボールを奪ったらロングカウンターで攻撃を仕掛けるというのが基本戦略で、ボール保持を頑張った時期はありましたが丁寧なビルドアップでストレス無く前にボールを進めるプレーは最後まで出来ませんでした。
それぞれの配置ですが、基本的には442で並び、ボール保持は右SBが高い位置をとって325の形になります。非保持の時の配置は多くの試合で442でしたが、相手のボールの位置によって442と541の2つを使い分ける試合もありました。配置はそれぞれ以下の通り(紺がザスパです。若干雑なのは許してね。並びが伝わればそれでいい)です。
基本の非保持442
右肩上がりのボール保持325
敵陣442
自陣で撤退守備541
このなかで最もよく見られたのは基本の自陣での442。自陣での撤退守備541と並んで質の高さ見せた形でした。一方で質が不足していたのがボール保持325で、そもそも形を見せる頻度が低く、チャレンジすら出来なかったのが敵陣442だったと認識しています。この不足していた2つこそが大槻さんの言う「2つの顔」を見せる為に向上させていかなくてはいけない形です。
しっかりとボールを握る
ボール保持の課題はシンプルだと思っていて、ボランチが逃げるのをやめればかなりボール保持が安定すると考えています。
ボランチの逃げとは、下がる必要が無いのにCBの隣まで降りていく動きの事を指しています。325が415になってしまう現象こそがザスパのボール保持の課題です。
位置を下げる事自体は何も悪い事では無いのですが、325の1番後ろの3人がプレッシャーを受けて余裕を失っているならまだしも、余裕があるのに下がっていくのは何の意味もなく、不必要です。下がる事によって前線との距離が広がり、難しいプレー(遠くまでパスを通すには時間がかかる→時間がかかるとパスはカットされやすい→だからパススピードを上げなくちゃいけない→速いパスは蹴るのも受けるのもとっても難しい)をしなくてはならない状況に自ら陥ってボールを失うのが昨季のザスパの課題でした。これを我慢して、相手CFの後ろでボールを受けるようになるだけで見違えるはずです。
勿論、より高い位置でボールを受けるのでより強いプレッシャーに晒されます。それでも、低い位置に下がってボールを受けるよりも大きな可能性がそこには広がっていますから、そのプレッシャーは引き受けるべきもので、立ち向かうべきで、乗り越えるべきです。今シーズンは風間、岩上(去年より状態が上がってれば)、天笠、中田と技術的に上手い選手がボランチには揃っていますから、相手のプレッシャーに上手く対応できるはずです。逃げるな。戦え。
ボランチが間で受けるようになると当然そのパスコースを消そうと相手は対策を始めますが、そうなったらCBが運べば良いのです。パスで前進出来ないなら自分で運べば良いじゃない。今季酒井と中塩という上手いCBを2人獲得した事からもそういった考えがあるのが伺えます。(当然、前進した後はゴールに向かって相手の守備陣をいかに崩すか!?というかなり難しい問題があるのですが、これはまたちょっと先の話。それはちゃんと綺麗にビルドアップできるようになってから)
正直、それぞれリスクのあるプレーではあるのでミスから失点する事もあると思いますが、めげずに頑張ってほしいです。正しいからミスが起こらないわけではないので。必要なリスクを背負おう。アグレッシブにね。
前から行く守備
これは昨季なかなか見られなかったので推測の部分が多くなってしまうのですが、大槻さんはこれが1番やりたいはずです。DFラインを高い位置に保ち、相手を追いかけ回してボールを奪ったらすぐにシュートに繋げる、いわゆるファストブレイク。浦和時代の大槻さんはこれをやりたがったと聞いています。そのファストブレイクが昨季ほとんど見られなかった理由はこの戦略の負荷の高さとザスパの薄い選手層のミスマッチにありました。
高い位置から相手を追いかけ回すと前線の選手は必然的にスプリントが増えます。また、DFラインを高く保つとなるとCBに大きな負荷がかかります。できる限り前にボールを跳ね返さなければなりませんし、広大な自陣全体をカバーする必要があります。1人で守らなくてはならない時も出てきますし、自陣にスプリントで帰陣するのは肉体的にも精神的にも負荷が大きいです。前線の選手もある程度固定されて起用されていたため、そこも問題だったかもしれませんが、特にCBの選手層の薄さがこのファストブレイクへの挑戦を諦めさせたように思います。
今シーズンはこのCBの選手層という問題を解決するために酒井と中塩と2人のCBの補強に成功。補強によって厚くなったCB陣は大槻さんのファストブレイクへの挑戦を後押しするのではないかと予想しています。また、昨季は上手さを基準にCBの序列が決められていましたが、今季は上手いのは当然の事となり、どれくらい走れるか?が序列を決めるようになると予想しています。酒井はすげー走れるので期待してます。
「MORE AGGRESSIVE」とは
「MORE AGGRESSIVE」とは、「しっかりとボールを握る」「前から行く守備」という昨季見せられなかった新しい顔を見せる事で主体性を表現するという意思表明です。少なくとも筆者はそう受け取りました。撤退守備とロングカウンターに主体性が無いわけではありませんが、ボール保持と前線からのプレッシングの方が主体性に溢れているのは事実でしょう。よりスピードがあり、テンポの速い活動的なサッカーを見せてくれるはずです。ここまで書いてきた通り、今シーズンはCBがどれだけ持ちこたえられるか?によって結果が左右されるだろうと予想しています。CBはほんと大事。1人に負荷が集中しないように上手くターンオーバーしてほしいです。特に畑尾は疲れないように。
16位以上、勝ち点50は普通にいけるはず。15位、勝ち点54でフィニッシュと予想してます。
がんばれ。
あとがき
たまに、ビルドアップなんかしないでカウンターだけでいいんだ!!!みたいな極端なツイートを見かける事がありますが、僕はそういった考えをかなり否定的に見ています。チームとしての得意、苦手は当然ありながらもボール保持、非保持、ポジ&ネガトランジション、全てが重要で、全てが出来なくてはいけないんだろうなと考えています。資本力が足りない場合は何か1つの局面に極端に振るのも選択肢としてはアリだと思いますが、その判断は将来強烈な揺り戻しという形でツケが回ってくるものだと認識しています。開幕戦の相手はまさにそんな極端さを抱えたチームである秋田。全ての局面を頑張ろうとしているザスパとは対照的でさえあります。全てを頑張るというザスパの決断に自信を持つためにも秋田には勝ちたいところです。
自分の決断に自信を持つためには結果が必要で、結果の出てない決断に自信を持つためには狂気が必要です。結果と狂気だったら結果の方がまだ手に入れやすいだろう。がんばれ。強い気持ちで。
余談
上の画像は2023シーズン最終節、大分戦のスタメン予想です。開幕戦のスタメン予想はなんかやめた方が良い気がして笑
Needless to say. 櫛引政敏。
城和は勿論。
技術的な部分は勿論、走力がある酒井はかなり信頼されるんじゃないかな。
岡本は全試合フル出場してください。
菊地は活躍してくれないと結構やりくりがキツくなるので頼むわ。
細貝はどこまで休ませてあげられるかというところ。総出場時間は2500分(60分×42試合でそんな感じ)くらいまでにしてあげたい。
天笠はめっちゃ期待してる。右のボランチやるとなると左利きである事がデメリットになるかもなのが難しい。左右で微妙にタスク違うし…
山中左SH惇希にはめっちゃ期待してる。すき。山中ダブルタッチ惇希。
佐藤はイケメンだからすき。顔って大事よ。スターになってほしい。
言うまでも無く長倉。2桁は既に達成しててほしい。
北川、シーズン途中で行方不明になってなんやかんや復活しそう。
開幕戦のスタメンは上のメンバーと多分全然違うと思う。菊地、山中、天笠、北川あたりは序盤はベンチスタート多いんじゃないかな。シーズン中盤以降にみんな立場を得ると予想してます。
がんばれ。
強い気持ちで。
猛
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