ザスパ群馬になるからには
ザスパクサツ群馬|リブランディングに関するお知らせ (thespa.co.jp)
ザスパクサツ群馬は2023シーズンからザスパ群馬になります。公式からも発表があったように、正式なチーム名はザスパクサツ群馬のままで呼称をザスパ群馬に、エンブレム、ロゴ、マスコット(現在の湯友は残るそうです)を新しくします。今回のnoteではこれらの変更について思っていることを書いていきたいと思います。
僕のスタンス
今回の一連の変更について僕はあまり興味がありません。なぜなら僕の今後に影響がないからです。ザスパがザスパ草津だろうとザスパクサツ群馬だろうとザスパ群馬だろうと応援するのは変わりません。呼称が、エンブレムが、ロゴが変わろうとザスパを応援し続けるでしょう。それは僕がザスパを応援している理由の根源に「群馬が好き」というものがあるからです。そして群馬が好きな理由は群馬に生まれたからで、理屈ではありません。ここだけの話、北海道に生まれていればコンサドーレを応援したでしょうし、沖縄に生まれていればFC琉球を応援していたでしょう(この前提に立つとなぜ群馬のバスケチームであるクレインサンダースを応援しないのか?という問いが成立するかと思いますが、これはまだ自分の中で答えが出ていないのでまた今度の話にしましょう)。というわけでそんなに興味がないことではあるのですが、今回の変更にあたって思うことがあるのでそれを書いていきたいと思います。
必要なのはストーリー
結論から申し上げれば、今後ザスパがザスパ群馬としてやっていくうえで必要になるのはストーリーです。ここで言うストーリーとは、ザスパ群馬はどんなチームで、どんな道のりでどこを目指すのか?という自己の確立と大きなゴールの設定の両方を指します。そして重要なのはそのストーリーがわかりやすく、共感でき、盛り上がれるものである事です。現在のザスパが、というよりJリーグ加盟以降のザスパがスムーズに成長出来なかったのはJリーグクラブという立場に相応しいストーリーがなかったからだと僕は考えています。ザスパという単語は残しながらも草津を外し、ザスパ群馬を名乗ることになる今回の変更はザスパ草津のストーリーに一区切りを付け、新しいストーリーを紡ぐチャンスです。この機を逃さず、面白いストーリーを見せてほしいと思います。
ザスパ草津というストーリー
そもそも、ザスパ草津のストーリーとは何なのでしょうか?ザスパ公式サイトでは以下の記載があります。
これを元に僕なりの表現をすると、ザスパ草津のストーリーとは「アマチュア選手が草津温泉の旅館で働きながらプロを目指す、地域密着型クラブ」というものでした。そしてザスパ草津にとって一番の売りはこのストーリーそのものでした。2004年、JFL3位とJリーグ加盟に必要な結果(2位以上)を出せなかったにも関わらずJリーグ加盟を果たしたのは、このストーリーのおかげという部分があったと父からは聞いています。現在そういった記録をネットの濁流の中から見つけられないため父からの伝聞という形になっていますが、年に数回スタジアムに行く程度のライトファンだった父ですらそのストーリーを知っていた(そして僕を試合に連れて行く度にその話を繰り返した)という事実が、ザスパ草津の売りがストーリーそのものだったと証明しているように思います。
恵まれない環境にある選手が周囲からのサポートと本人の努力によって成り上がっていくというストーリーはわかりやすく、共感でき、盛り上がれるものですから、そりゃ人気になるよねという感想です。しかし、同時にJリーグ昇格後のザスパが順調に成長出来なかった原因がここにあるとも感じています。
ザスパクサツ群馬にストーリーはあったのか?
Jリーグ加盟後のザスパは草津を離れ前橋で練習を行い、前橋で試合を行うようになっていきます。プロですから、草津温泉で働いている選手もいなくなりました。プロになったクラブがプロを目指すストーリーを持ち続ける事は出来ませんから、今のザスパクサツ群馬に温泉で働きながらプロを目指すというストーリーは存在しません。そしてザスパはプロになった後に新しいプロ仕様のストーリーを提供出来ませんでした。
僕のこの意見を読んで、プロ化以降のザスパにもこういうストーリーがあったんだぞ!と思う方がいるかもしれませんが、僕は知らないんですよね。ザスパクサツ群馬のストーリーと聞いてみんなが同じものを頭の中に描けない時点でザスパが新しいストーリーを提供できていないと僕は判断しています。新しいストーリーを作り出す難しさは理解しています。。特にザスパのストーリーは人為的に作られたものではないナチュラルなものでしたから、ストーリーを作る発想がなかったかもしれません。
少し脱線しますが、ザスパ草津のストーリーをそのまま受け継ぐザスパ草津チャレンジャーズがあることがザスパクサツ群馬のストーリーを曖昧にしている側面があると感じています。草津温泉で働きながらプロを目指すザスパ草津チャレンジャーズはストーリーという点だけで見ればザスパ草津の正当後継者ですから。
結論として、やはりJリーグ加盟後のザスパやザスパクサツ群馬にストーリーがなかったと僕は感じています。ただただ試合をこなし、向かう先を曖昧にしたまま時間を過ごしてしまった。もちろんシーズン毎に目標は設定していましたし、それに向けて努力をしたでしょう。しかし、その先のもっと大きなものを見据えていたのか?というとそうは感じられず、1年ごとにぶつ切りで積み上げがありませんでした。
だからこそストーリーを
この反省を生かして、ここから新しいストーリーを紡いでほしいというのが僕の意見です。どこを目指すのか?という目標の設定だけでなく、ザスパ群馬とは一体なんなのか?どんなクラブなのか?という自己の確立も並行してやってほしいところです。ザスパ群馬とはどんなクラブで、何を目指し、どんな道のりを歩もうとしているのか?それについてサポーター全員が同じ認識を持つようになれば、ザスパ群馬に改名した意義も出てくるでしょう。
ザスパ群馬になるからには
悲しい話ですが、チーム名の変更には大きな反対活動が巻き起こり、誹謗中傷が飛び交い、その結果として社長が辞めました。人間1人の人生を狂わせたこの変更を成長のきっかけにしない訳にはいきません。これからどれだけわかりやすく、共感でき、盛り上がれるストーリーを提供するのか?というのは新社長の赤堀さんはじめスタッフの腕の見せどころです。ここで、ただJ1を目指す!とかではなくて、もっと具体的でザスパにしかない面白いストーリーを見せてほしい。ここがザスパの正念場。楽しむ準備は出来ています。頑張れ!強い気持ちで。
ザスパ群馬になるからには、新しいストーリーを紡いでほしい。
強い気持ちで。
猛
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