海の仕事って何?(SDGs14.7 その1)
皆さんは、海の仕事と言えばどんなものを思い浮かべますか?漁師、船乗り、海の家…と意外と思いつきません。でも日本の輸出入の99.6%は船でやってきて、世界の有数の漁場をも持っているのが日本という国なのです。海によって日本にもたらされる経済効果は155兆円にもなります。これは国家予算の1.5倍にあたり、日本のGDP(※1)の約1/4を占めるのです。つまり、海がなければこの155兆円が消し飛んでしまうかもしれないのです。ではどんな仕事があるのでしょうか?今回はそんな話をしたいと思います。
海の仕事は大きく3つに分かれます。海運業・漁業・マリンレジャー産業となります。そしてそれを支える船舶産業、港湾産業、海洋開発産業といった構図です。
図:船舶から見た海の産業全体構図
世界の大動脈の日本
せっかく作った商品でも海外へ売らなくてはお金になりません。そこで必要なのが海運業です。日本の海運業は、世界第2位です。1位のギリシャは古くから中古船の売買が盛んで税制優遇もあるため、一時的に貨物船の隻数が多くなっているのですが、日本は純粋に海上輸送として船を持っていることがほとんどなので、実質の1位となります。特に資源のない日本はエネルギーから食材、日用品まで輸入に頼っていますし、国の売上をあげるためにも海外へ商品を売らなくてはいけません。その大名脈たる海運業を日本が押さえているのです。
オールブルーの可能性を秘めている日本
世界で最も取引されている品目こそが魚。そんな魚を獲ることを生業にしているのが漁業です。世界で獲れる魚の種類は15,000種類。そのうち3,700種類は日本で獲れる魚なのです。(※2)スシやマクロビといった日本食が見直され、爆発的に増える人口の貴重なたんぱく源としても注目されている魚。今や空前の魚ブームが世界中で起きているのです。
多彩な島を持つ日本
日本には現在6,852の島があります。(※3)そこには島国ならではの海の楽しみ方があります。それをひとくくりで言い表すとマリンレジャーとなります。ヨットやボートはもちろん、スキューバダイビング、サーフィン、釣りライフセーバーとプロが存在するような個人のアクティビティにも及びます。海水浴やクルーズ船や海のお祭りといったものも含めるとほとんどの日本人はなにかしらのマリンレジャーを満喫したことがあるのではないでしょうか?
海に携わる仕事の数々
その他に造船業や港湾管理、海洋開発ばかりではなく、海上輸送を受け取る企業の岸壁の仕事やテトラポットを製造する仕事、船のエンジンを作って切る企業などもあります。地産地消で地元の魚を出しているような割烹料理屋さんも海に携わっているとも言えます。こう考えると海とかかわりのない産業自体がないと言ってもいいほどです。
これほど日本には海に携わる仕事がゴロゴロと転がっています。というよりも海に携わっていない企業はないのではないかと思えるほどです。しかし、意外と海外では海にまで目を向けている国はなかなかおらず、開発が進んでいない国もたくさんあります。最近になって海の研究を始めた国もあるくらいです。そこでSDGsとしても取り上げて海をもっと盛り上げようということになりました。
「2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続可能な利用による経済的便益を増大させる。」
簡単に言うと「海のビジネスを世界へ」といったところです。海を研究して7500年。ここは日本の出番です。とはいえ、日本も古くから海の産業の商習慣が確立していて、隣でやっている漁法を知らなかったり、分野が違えば全くわからないといったことになっています。この14.7のターゲットは、世界へつながるビジネスチャンスでもあり、もっと海でできること、海でやれることを日本自体が考えるいいチャンスになるはずです。それでは楽しく海の未来の姿を見ていくことにしましょう。
※1、GDPとは国内総生産のこと。1年間で国内で作った商品やサービスの利益の総合計のこと。
※2、海のイドバタ会議 オールブルーって本当にあるの?(SDGs14.6 その1)
https://note.com/theruleofoceans/n/n6a2a1fe61e84
※3、周囲が100m以上ある日本の島は6,852島とされており、そのうち現在人が住んでいるとされている島が400と言われている。
日本海事広報協会 海と船なるほど豆知識 日本の島の数
https://www.kaijipr.or.jp/mamejiten/shizen/shizen_22.html
ocean etymologyで検索
→→Ocean
諸説あり
いろんな国につないでいきましょう
古事記の海事思想
https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/1987/1987_08_0527.pdf
https://kotobank.jp/word/%E6%B5%B7-441456
海のそれぞれの呼び方
12000年前からの歴史
ミクロネシアの移動
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