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第7話 『おやびんと海の仲間たち』

「そこにかけて」

船の半地下?にある部屋へ通してくれた。

「コーヒーは好き?」

「はい」

船の中のコンロでお湯を沸かしてもらい
ドリップ式のコーヒーを飲みながら
さらに話は続く…

僕の夢の話
簡単な生い立ちの話
その”出会いの紳士”の話

夏の陽気な太陽のもと
海に浮かびながら、
話をしました

この船は
もともと会社の福利厚生の1つとしてあったようで
とある事情で会社がこの船を手放すことになり
この”出会いの紳士”が個人として譲り受けたとのこと

話は、ヨットでの土日の過ごし方に
花が咲き、そんなゆったり生活してみたいなぁ
と思っていた頃…

「なになに?
面白い人ってだれぇ?」

ヨットマンが着そうな海用のベスト
ご機嫌なオレンジ色のアロハシャツ
サングラスに植村直己さんがしていそうな耳宛て付きのつばつき帽子
アダルトな魅力満載の
ここのヨット仲間の主
”おやびん”が現れた

”出会いの紳士”が軽く紹介してくれて
「へぇ~、それでそれで!
何で君は船に乗りたいの?」

ワタシハ アナタニ キョウミシンシンデス
というまなざしで
前のめりな質問攻めにあった。

いつものように
自分の夢の話をしました。

そうしているうちに
「えっ?何やってるの!?」
と、つぎからつぎへと人が集まってきました

結局、6人ほどの海の仲間が入れ代わり立ち代わりで
”出会いの紳士”の船にやってきたのでした。

身の上話
ヨットマンの世界
金持ちの世界…
話に寄ればおやびんは手を上げれば降ってくるくらいの金持ちらしい…

最初は
面白半分で聞いている人も
やっぱり、海を愛する仲間たち
僕の夢の話を聞いて
「難しい」という言葉はあっても
決して「無理」という言葉はなかった…

初対面にもかかわらず
こんなにまともに
僕の夢の話を聞いてくれて
考えてくれる人達に合ったのは初めてで

しかも、こんな不景気な日本で
維持費のかかる船リゾートを依然手放さないという
筋金入りの海好きの仲間たち…
夢に向かって
どのようにすれば良いのか
リアルな海事情を交えながらも
真剣に教えてくれた

話は尽きなかった

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