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第5話 『ツテ』

確かに…
昔から船が好きだった僕…

苫小牧から八戸や青森といった内地(北海道弁:「本州」の意)へ行くには
たいがい船での移動でした。

船の科学館だって好きだし
お台場の水上バスも
しまいにゃ~新婚旅行だって
カリブ海で7泊8日のクルージング船

でも…
でもでも…

帆船には乗ったことが

ない

「経験がないなら、まずはヨットクルーザーをもっている『ツテ』を
探してみることが一番早いですね。近所の知り合いや学生時代の友達や会社の同僚といったところに、船を持っている人がいると思いますよ。そんな心当たりどこかにありませんか?」

(はい、ありません。)

昔から船が好きな私がそのようなチャンスがあれば
忘れるはずがない。
確かに1度、エンジン付きのクルーザーを持っている人は
見つけたことはあっても、ヨット(帆船)なんて持っている
人は聞いたことがない。

「困りましたねぇ~。『ツテ』がないのであれば、
まずはその『ツテ』を何とか見つけるところから始めなくて
はならないですね。
とりあえず、片っ端から探してみるしかないですかねぇ…」

とその時、このマリーナの利用者らしき人が1人、向かいからやってきて、
ハーバーマスターに挨拶をした

「ハーバーマスター、おはようございます。
あれ?見かけない子だね?
マスターの知り合い?」

「いやいや
彼は飛び込みで
船をみたいといってきた青年でね
自分で船を造りたいんだって
でも乗る船の『ツテ』がなくてって話をしていたんだ」

「へぇ~
『ツテ』もなく、いきなりマリーナに来たんですか、
じゃ、君!俺の船乗ってみる?
ゆっくり話を聞くよ」

えっ

これが『ツテ』か?

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