映画『浦安魚市場について』見てきました
2019年3月31日
浦安魚市場が閉場した
という面を浦安の魚屋『泉銀』さんの視点を元に
リアルに伝えるドキュメンタリー形式で取り上げた映画です。
(以下、だいぶ本音ベースでお話しします。関係者の方がいたら大変申し訳ございません。でも正直な感想と感じたことをぼかして書くよりもいいかと思い、できるだけ心の本音で書いてみます。あくまで僕の個人的な意見です。最後まで読んでいただければ嬉しいです。)
映画は地元のイクスピアリで見ました。びっくりしたのは老若男女問わず全体の1/4くらいを埋めているほど観客が多かったです。
内容としては、新たな文化、新たな価値観が育ち、古い体質、廃れ行く産業は淘汰される。という感じです。でも、「生あるものはいつかは滅びる」で、これって、生物の進化にしろ、経済原理にしろ当然の結果あることだし、自然と同じように受け入れるしかない大きな流れだし、みなそうなるだろうとは思っている事実だと思うんです。
その「終わり」をリアルに淡々と撮った映画でした。
ここで、映画評論家ならば「この映画の背景にはこうで、こんなことがあって、時代背景がこうで…」とか「この裏メッセージにはこうなることが示唆されているんです」なんて言うんでしょうが、この映画についてはそんな「評論」はいらないような気がします。というか、「評論」自体が意味がないような気がします。リアルに時代の流れから店を閉めなくてはいけなくなった「浦安魚市場」を見てほしいという思いなんだろうなと思って見ました。
世の中便利になってスーパー1カ所でなんでも買えて、ものさえインターネットでぽちっとすれば翌日に届く便利な世の中にはなりました。安くていいモノばかりを狙ってしまう世の中です。その「便利」の代償が、様々な思い出があって、出会いがあって、人のぬくもりがあった場所やそこに関わる人達への「別れ」であること。そしてそのような場所が今1つ無くなってしまったということ。このような現場が今日本中で起きている状況だということ。未来へつなげるためあれこれ手を打ってみるけど時代に逆らえない。そうして最後になってみんな本当にお世話になりましたとやってきて昔のような忙しさを感じる。途中、ウエカツさんが出てくるんですがその言葉に「でもこの魚どのくらい安くしてくれるの?って思っているでしょうが、高く買ってください。じゃないとこの産業がなくなってしまう。」といったようなことを言います。心が痛かった。実際お金もない僕にとって安くていいものはうれしい。でもその裏で経済が回っていて、それが僕たちにも関わってきて、生物ばかりじゃなく社会だって循環しているんだなって思いました。
市場の人たちが仲間のために日記帳みたいなところに各場面があるんですが、そこで「楽しかった」と書くおばさんがいた。もう過去にしていること、それを受け入れていていること、そんなことを想いながら見ていたら泣いていました。でもそれを感じたのは私ばかりじゃなく、映画を見ていた数人が同じようなところで泣いていました。
最後にこの映画の感想としては「わかっちゃいるけど、でも悔しい」です。
目まぐるしく時代の中で、今消えようとしている世界があるというリアルを見たい方、是非見てみてください。