海って何色?(14.C その1)
海を好きな理由を聞くと一番多い答えが、「海の色」です。海の色と言えば「青」です。ではなぜ海が青いのでしょうか?
そもそも色ってどんな仕組みになっているのでしょうか?光には3つの光があると言われています。赤、緑、青。この3色を「光の三原色」といいます。この光の三原色の中でどの色がどのくらい反射したかで色を判断しています。例えば真っ赤なリンゴがあったとします。このリンゴは光の三原色のうち緑と青を吸収してしまいます。そして赤だけを反射するので「りんごは赤い」ように見えるのです。この光の三原色が微妙なバランスで反射することによって様々な色に見えるのです。
では空の青は何に反射しているのでしょうか?実は反射しているというよりも散らばっているというのが正しいのです。光という1つの粒があったとします。この光の粒は揺れながら遠くまで運ばれています。その揺れている幅の違いで青とか赤に見えることになっています。(※1)その揺れ幅が狭いのが青、揺れ幅が長いのが赤となります。その揺れ幅のことが波長です。
当然波長の狭い青の方が途中に障害物にあたる可能性が高いので、青の光は方向を変えられてしまいます。一方波長の長い赤はより直線に動くので青よりも障害物にあう可能性が低くなり、遠くまで届きます。そのため、太陽からやっていた光は地球の大気圏に入ると大気にある水蒸気やチリなどにぶつかって分散してしまいます。太陽が最も遠くなる夕方には青は途中で分散されているので赤い夕焼けが見えるし、宇宙から見た地球は青いオーラで包まれているように見えるのです。これをレイリー散乱と言います。
こう考えると海の青さはどこから来ているのでしょうか?昔から言われている有力候補は空と同じ青が海の中に入ると分散するレイリー散乱です。そこで1つの実験が行われました。レイリー散乱が正しければ、水を満たした長いパイプに光を当てれば、赤い光が届くことになります。結果どのように光ったかというと、青でした。実際はターコイズブルーに見えたようです。つまり、水自体が赤を吸収する性質も持っていることになります。こうして海が青く見えるようです。
海はまだまだ不思議なことがいっぱいです。というよりも海はまだまだわからないことがいっぱいです。わからないからこそワクワクもしますし、魅力にあふれているのですが、悪いこともできてしまいます。海を汚してしまったり、魚を乱獲したり、海をムゲに扱ったりと、今まで見てきたような海の闇の部分が存在しているのです。そこでSDGsの中でも最も根本的な問題である海の闇を取り払うためにちゃんとしたルールのもと海と向き合いましょうということになりました。
「我々の求める未来」のパラ158 において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利⽤のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利⽤を強化する。
簡単に言えば「海を大切にしましょう」といったところです。まずは海のことに関心を持ってもらい、海のことを知ってもらうことが最初にやらなくてはいけないことです。そのために海にちゃんとした共通したルールを作って、オールアースで取り組んでいくことが大切です。その共通したルールのもと、海を知り、海を大切に扱って、未来につないでいくことが最も必要でになるのです。
さていよいよSDGs14『海の豊かさを守ろう』のターゲットの最終章にたどり着きました。海の豊かさを守るために最も根本的な問題に取り組んでいきます。その先に見える海の未来はどうなるのでしょうか?ちょっと難しいところもあるかもしれませんが、ゆっくりわかりやすくなるよう進めていこうと思います。最後の海の世界。楽しんでください。
※1、光の粒子を光子(フォトン)と呼び、粒子であり、波を持つものとsレテイル。キヤノンサイエンスラボ 光って、波なの?粒子なの?
https://global.canon/ja/technology/s_labo/light/001/11.html
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