![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/53362139/rectangle_large_type_2_6984611293a7395143931daf7fb52a8f.png?width=1200)
マヤノは僕を置いていく
新しいイベントが来ましたね。EP稼ぎのために今まで触れてこなかったマヤノを育ててみようかなと、軽い気持ちで望みました。たかがメスガキと舐めてかかっていました。ヤバイです。死にました。
※以後、トレーナー♂=僕という解釈で話が進みます
僕にマヤノは勿体ないしマヤノに僕は必要ない
育成を開始して最初のイベントで、僕は彼女の才能に打ちのめされました。僕、ウマ娘とトレーナーの関係はポケモンとトレーナーの関係だと思ってたんですよ。行けっ、スズカ! 「おおにげ」! みたいなイメージだったわけですよ。このレースはどうで、ライバルはどうで、だからどのへんで仕掛けるべきか‥‥みたいなのをやるもんだと思ってたんですよ。実際の競馬でいう騎手の役割がトレーナーに乗ってると思ってたんですよ。ところがマヤノ、それ全部自分でできる。じゃあ僕いらないじゃないですか。もう帰っていいかな。そんな気持ちで練習ポチポチマシーンに徹して望んだデビュー戦。結果はなんと2着でした。いきなり敗北知っとるやんけしっかりしろ天才タイプ。この後ストーリーでは勝った感じになってて「つまんない、敗北を知りたい」みたいなことを言い出すんですよ。これ負けたせいでただ拗ねてるだけみたいになったのが心苦しくてもう堪えられなかったです。そりゃそうですよ、マヤノにしても作り手にしてもこのレースは勝って当然ですもん。明らかにボンクラトレーナーが足引っ張ってますもん。僕はマヤノと制作サイドの期待を同時に裏切って2着とらせてしまったんだと思うともう死にたくなるわけですよ。それでもマヤノは僕にかまってくるわけですが僕からしたらもう僕なんかじゃなくもっと相応しいトレーナーと組んでもっと高みを目指してくれと思うわけですよ。もう全てから逃げ出したいのに、マヤノはそれを許さない。マヤノは僕が好きだから。待てよ、マヤノが好きなのは本当に僕なのか?
背伸びしたいだけじゃないの?
年頃の女の子って、年上の男に憧れがちじゃないですか。僕の大好きな新世紀エヴァンゲリオンでも惣流が加持さんを好きみたいな態度とってました。まさにあれです。でも僕、惣流が加持さんにそこまで惚れてたかというと怪しいと思うんですよ。惣流はガキだと思われたくないところがあって、それで大人な加持さんを好きになる自分は大人だと思いたいような思わせたいような「背伸び」を感じ取らずにはいられないんです。マヤノがトレーナーに向ける感情もその類ではなかろうか、と僕は邪推してしまうわけです。年上の男と付き合っている自分は大人だとでも思いたいんでしょ? んで、たまたま僕がちょうどいい位置にいたから好意と憧れと大人に見られたい虚栄心の混ざった気持ちでデートごっこをするんでしょ? みたいな言葉が脳裡をちらついてもう僕はマヤノを直視できないんですよ。マヤノは僕を立派な大人だと勘違いしているようだけど、本当は子供のちょっとしたズルささえ嫌悪してしまうほどには狭量なんです。ごめんね。
マヤノが僕を置いていく日
マヤノは僕なんかと違って優秀だから、きっかけさえ与えればあとは一人で道を切り開いていけるんですよ。だから僕やライバルからきっかけをもらったマヤノがさらに高次元の答えを見つけていく過程が育成ストーリーだと解釈してます。逆に言えば、それくらいしかできないんです。実力あるトレーナーならわかりませんが、僕はボンクラトレーナーなので。ストーリー上ではボンクラだとバレないまま三年間を走り抜けた、いわばタイトロープを渡りきったのですが、そうじゃない世界もあり得たんじゃなかろうかとも思うんですよ。実は僕、育成で目覚ましを三回とも使ったんですよ。有馬とURAファイナル準決勝と決勝で一回ずつ。URAファイナルはボーナスステージだからいいとしても、ストーリー最後の有馬で負けるのは大問題なわけです。ブライアンがそのまま引退して、マヤノが引きずり続ける世界線も十分あり得たわけです。いや、むしろ目覚ましという「ズル」をしなければそうなる程度の育成しかできなかったともいえるのであって。マヤノは賢いから、きっといつの日か僕がボンクラだったと気づくでしょう。そうなった時、僕はマヤノに置いていかれるんです。僕はもうこんなにマヤノに夢中だというのに。メロメロだというのに。それがいつになるか、あるいはその前に思い出の中の人になれるか、それだけを考えてしまうんです。
マヤノの結婚式
最後に、マヤノがウェディングドレスを着る意味について語ります。マヤノはいつかどこかの誰かと結婚します。おめでたいですね。その相手が僕であったとしたら、それはハッピーエンドでしょうか。僕はそうは思いません。家庭というごまかしの効かない場で一緒に暮らしたら、きっとマヤノはすぐにでも僕に失望してしまいます。だからどこかの誰かと結婚するのが良いと思うんです。僕は恩師として結婚式に呼ばれます。そしてウェディングドレス姿のマヤノが、幸せそうに笑うのを見て、素直に祝えずに胸がざわざわするのでしょう。それもそのはず、僕はすっかりマヤノのことが好きだったから。披露宴で現役時代のことが語られて、スライドショーに自分が写っていたりして、すっかり思い出の中の人になれたと安心します。そして家に帰り、引き出物のバームクーヘンを一人でモリモリ食いながら、こんな僕が「初恋の人」としてマヤノの思い出の中に居続けられるなら、それはそれでいいやと思うんです。どうです、これこそトゥルーエンドではないでしょうか。
落としどころがわからなくなったのでこの辺で終わります。怪長文を最後までお読みいただきありがとうございました。