アナトミートレインとは
『アナトミートレイン』
もう業界ではかなり浸透してきた言葉なのではないかなと思います。とは言っても1997年に初めて学会で発表されたまだまだ新しい見解です。
筋筋膜は無限な網で全身をつなぐ。
なかなか難しい概念ですね。
これまでは筋肉はひとつひとつ単独に扱われていましたが、アナトミートレインは名前の通り電車の『路線』のような考えです。一つの筋肉は『駅』のように捉え、それが筋膜によって『路線』のようにつながっているということです。
よく身体は繋がっていると抽象的な言葉で表現はされてきましたが、それを具体的にわかりやすくまとめられている考えで、これをイメージしたうえでマッサージや身体的アプローチをしていくとより効果的な施術ができると思うので、セラピストには非常に有用な知識です。
痛い部位だけマッサージしてもダメという話はよく出ますが、このアナトミートレインという考えを知っていると、痛い部位から遠隔の部位にアプローチして痛みを改善させることも納得できると思うし、マッサージをするうえでより良い結果を出すための施術イメージがわいてくると思います。
アナトミートレインでは上記の12本のライン(路線)が挙げられます。
これらは、同じ向きに走っていることや同じ深さを走っていること、骨を介して繋がっていること、直接つながっていなくても機能的につながっていること、など少しわかりにくいかもしれないですが、路線を作るためにはいくつかのルールがあります。
この写真は、頭から足底まできれいに連結していることを表しています。
頭にある帽状腱膜から頸部、胸部、腰部と半棘筋・腸肋筋とつながり、仙骨から仙結節靭帯というものを介し、ハムストリング、そして腓腹筋、足底腱膜と見事に連結していきます。
これだけだとよく分からないって人もいるかもしれませんが、それぞれの筋肉の起始・停止を見るとよく分かると思います。
この辺りを理解していくと、
・頭をほぐすことでハムストリングが緩む
・足裏をほぐすことで背中が楽になる
・もも裏をほぐすことで頭痛が楽になる
などなどいろんな可能性が考えられるかと思います。
アナトミートレインというひとつの考え方ですべてを解決できるってことではありません。ただ、物事を広い視野でとらえるにはとても役立つものだと思います。
『木を見て森を見ず』
つらい場所、痛い場所だけに目を向けていても身体はなかなかよくなりません。身体は繋がっている。アナトミートレインはそれについて考える上でとても参考になる考え方です。きっとマッサージのレベルアップにつなげてくれるでしょう。ただやみくもにほぐすのではなく、今どこをほぐしているのか、なぜここをほぐしているのか、それが明確なセラピストはきっとレベルが高いはずです。そのために知識をつけていきましょう!
次回から、それぞれのラインを個別に検証していきます。アップまで少々お待ちください!
※今回の記事はアナトミートレインの紹介だけなので無料で公開させてもらいます。次回からはマガジン内で公開します。
マッサージを覚えたい、スキルを磨きたいといった方に有益になるような情報を発信していきたいと思います。お力になれるようなことがありましたらサポートして頂けると今後の励みになります!