正月から読んで損をする文章。
正月というのはどうしても気が滅入る。
祭りのような人々の気迫に圧倒される。
いつも通りの生活を送ろうにも、どこか忙しない言動・空気が街に、家庭内に漂い、集中できない。
TVの正月特番の煌びやかなセットの色が目に染みる。
大騒ぎの観客。テンションを上げるタレント・芸人。
「めでたいと思え!」
「幸せだなぁ~、おめぇもそう思うだろう!?」
強要されている気がして、天邪鬼のクソ人間の私は頼むから早く正月が終わってくれと願ってばかりいる。
正月になると日常が恋しくなる。
普通に働き、普通に食べ、普通に眠る。感情の起伏もない生活。
「そんな生活嫌だ!もっと刺激のある生活をしたい!」とか思ってみたりするが、いざ刺激まみれの正月が来ると、急に怖くなる。
「ないものねだり」という常套句が頭に浮かんでこっ恥ずかしい。
誰かこのカエル化現象的現象に名前を付けてほしい。
誰とも話したくない、誰とも関わりたくない、を一年で一番痛烈に感ずるのが正月。
明日からフツーの生活に戻れる。
(とは言っても正月明けの、まだ上がったテンションが抜けきれないヤツらと職場で話すのが苦痛だ。)
安堵の気持ちと、浮ついたこの正月の雰囲気をまだしゃぶり尽くしたい気持ち。
揺れ動いて揺れ動いたままタイムオーバーになって、寝て起きて、我を忘れて生活の歯車をまた回し出す。
正月は自分と向き合わないといけないから嫌いだ。
おい、正月。当分、てめぇの顔はみたくねぇな。
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