1台4手の革命、レ・フレール
フランス語で「兄弟」という意味のレ・フレール。斎藤守也(もりや)、圭土(けいと)の兄弟ピアノデュオだ。
ピアノ1台に奏者二人で、鍵盤を4手で操る連弾は迫力満点。その名もキャトルマンスタイル。
ヒーローの名前みたいだけど、キャトルはフランス語で「4」、マンは「手」の意味。
2022年9月3日にデビュー20周年を迎えた。
2002年9月3日に結成、2007年にアルバム「PIANO BREAKER」(UNIVERSAL)でメジャーデビュー。
(2023.2.13確認)
CDの帯には「レ・フレールという名の「ピアノ革命」」と言葉が並ぶ。ちょっと大げさなんじゃ?と思うなかれ。
このリズム感、裏拍で手拍子すると丁度良い感じは何?と思ってCDの解説書を見たら「ブギウギ・ピアノ」の文字。
ブギウギって、ちゃんと聞いた事がなかったけど、こんなに楽しいんだ!
今まで聞いてきたピアノ曲はクラシックやイージーリスニングが多く、レ・フレールのような勢い全開のピアノは聞いた事がなかった。
解説書によると、守也さんがルクセンブルク国立音楽学校へ留学した際、ドイツ人の友人からブギウギ・ピアノのカセットテープをもらい、それを圭土さんに送ったのがブギウギとの出会いとの事。
10代で出会った音楽を今日まで20年以上も続けているなんて、出会った時の衝撃の度合いがどれ程か計り知れない。プロになる人々は、その時の衝撃を受け止めて自分の糧にする力が強いんだろうな。
静かに始まる1曲目の「Prologue」から2曲目「Boogie Back to YOKOSUKA」への流れでもう、勢いがすごい。
最近のライブではアンコールで演奏され、会場が待ってましたと手拍子で盛り上がる事が多いので、デビューアルバムでは2曲目だったか!とちょっと驚き。「YOKOSUKA」は二人の出身地、横須賀。名刺代わりの一曲にふさわしい。
15曲入りで、守也さん作が6曲、圭土さん作が7曲、2曲はレ・フレール作。曲は短くて52秒(宝石)、長くて5分42秒(Eagle)。奇しくも両曲守也さんの作だ。
DVD付きでお得感がある。何を演奏してるのかな?と思ったら何とトークが収録されている。2人のやり取りが楽しい10分間だ。
最後にアルバム未収録の曲を1曲演奏している。これもライブで盛り上がる曲!
かわいらしい曲からかっこいい曲まで、その明るいリズムで、聞くと元気になってしまう1枚だ。