見出し画像

20枚目に花火を打ち上げる

2025年1月25日に、浅岡雄也さんが20枚目となるシングル「冬花火」を発売されます。
おめでとうございます!
浅岡さんの公式サイトから買えます。


2025年1月1日から配信も開始されています。


CDは全6曲入り、配信は全3曲です。

2024年中に予約をしたところ、年内にCDが届きました。
ジャケットの感想はこちらにあります。


今回は曲の感想です。
歌詞は歌詞カードから引用する。


シングル
「冬花火」
FBCR-250125
2025年1月25日発売


1曲目
「冬花火」
作詞作曲 浅岡雄也
編曲   馬場一嘉


これは…何ですかこの凄まじい曲は!

ピアノで始まり、マイナーで行くのかと思ったがサビで変化し、一気に華やかになる。これ自体が花火のようだな。疾走感があふれる曲。

ストリングスがすごく良い!
曲全体に入るため緊張感を持たせている。前半はシリアスだがサビ以降になると奥ゆかしいが華がある。
チューブラーベル(「NHKのど自慢」で合否を決めるために叩かれているあの楽器)のような鐘の音がうっすら入っているが、これはもっと大きくても良いな。単に筆者がこういう壮大な音が好きなだけなのだが、浅岡さんの声と鐘の音は合うので。

間奏と後奏のギターも良い。冬空を切り裂いて来る感じ。


空に咲いた 冬の花火 白きココロを 照らせ

サビのここ、「白き」が良いんですよ!
「白き」が!

空を超えて 季節は征く 蒼い熱量 放て

このサビの2つの歌詞がかっこいい。

「放て」がとても好きな表現なのですが、直前が「蒼い熱量」なんですよね。個人的には「蒼き熱量」ではなくて残念。古語っぽいのが好きなのです。

歌詞の中で対比するなら「白き」「蒼き」が綺麗に収まる。

音と言葉の嵌り具合で変えているのかな。
「蒼き」だと「き」の置きどころがない感じがするような?ちょっと間延びした感じで苗字っぽく聞こえてしまうかも。

「白き」は「しろ き」で
「蒼い」は「あお い」で歌っている。

デモ盤だと、「し ろき」「あ おい」。
譜割りを変えたという事かな。

「白き」「蒼い」の最後2音の母音はどちらも「o」「i」だが、音に乗せると微妙に異なる感じ。発音の仕方と、次に続く単語の発音に関わりそう。

「白き」「コロ」
「蒼い」「量」

試しに
「蒼き」「量」
これだと、ちょーっと発音しにくいかも?

いやこれ一体、何してんの?って思われているだろうが、曲を聴いてこういう風に考えるのが面白いのです。

歌詞を書く時、意識的または無意識に旋律に乗せるために発音も考えていらっしゃるのかな、とか。デモ盤と完成盤で歌詞が変わることはよくありそうだし、それってこういう理由で変わることもあるのかな、とか。歌ってみたら何か歌いにくいとか、発見したこの音この旋律にはこの言葉じゃない方が良い、とか。逆もありそう、とか。

こういう聴き方ができるのも、このCDにはボーカルのみ、が収録されているからです。
5曲目がボーカルのみ。曲全体を聴く時よりも声を更によく聴けるという、マニアには嬉しい音源です(制作者の意図とは違う楽しみ方になっている気がするが)。
ボーカルのみがある、ということは、オケとコーラスのみもあります。3曲目に収録されています。こちらもそれぞれの楽器の音をじっくり聴ける。2曲とも配信はなく、CDで聴ける音源です。


ちなみに、浅岡さんのラ行の発音の仕方も好きです。「熱量」の「りょ」とか(そこ?!と思われようがココなのだ)。

ひっくるめると、浅岡さんの声が好きって事です。更に一言で言うと、マニアック、て事ですね。音声学の専門家では全くないので、あくまでもド素人考に過ぎませんが。


僕ら 愛にオチル 君と 愛にナレル

はいここ、恋じゃなくて愛に、ていうところがね。大人じゃないと書けません。


曲名の「冬花火」はもしかして、冬に打ち上げる花火の事と、雪の事を「冬花火」と表現しているのか。

遠くで鳴るドラムの一定のリズムが、雪の降るリズムを表している?雪が降る時は一気に、雨が降るのと同じように雪が降って来るのだ。
冷たい冬の雰囲気だけではなく、ドラムとストリングスのお陰で温かさも加わっている。生ドラムではなく打ち込みだと、もっと冷たいはず。


この曲が凄まじいのは、静かなピアノから始まるが、一気に違う場面に変わり、引き込まれるからだ。劇的なストリングスの音と緊張感のある展開。
やっぱりこの感じはサスペンス劇場なんだよな(火サスでも土ワイでも可)。筆者の音楽に関する知識と表現力が乏しくて誠に申し訳ないのだが、そういう第一印象なのです。

「安い酒」「酔い潰れ」「路地裏」
「過去の過ち」「挫折」
という単語も並び、歌詞のこの部分だけ読むと、昭和歌謡か?と思うが、聴くと全然違う。
曲全体が前向きなのだ。

ピアノで始まるが最後もピアノで終わる。寂しいのではなくて、優しい終わり方。希望に満ちているところはエンディングテーマ曲にぴったりと思うのだが。
拙文を読んでイメージが付きすぎてしまう事はないと思うが、一応、最後に書いてみた。奇を衒っているつもりは全くなく、率直な感想なのでご容赦ください。


曲全体のこの明るい感じが冬に出てくるのは、冬に青空が広がっている東京ならではの感覚なのだろうな。日本海側の冬は常に曇り空で、晴天にはほぼならない。だからこそ、凛とした寒さの中にありながら晴れやかな明るさが表現されているこの曲が好きなんだ。


ちなみに、デモ盤はご本人のnoteから購入できます。

デモ盤はデモ盤で、完成盤と全く違っている。降りしきるぼた雪の中を歩いている感じ。完成盤のような冬の青空ではなくて、まさに冬の灰色の空の下だ。


記念すべき20枚目であり、2025年最初のシングルが素晴らしい曲で嬉しい。
何だかんだ書いたが結局のところ、この曲が好きだ!て事です。いつも以上に細かい点を書いてしまったが、まだ足りない気もする。

このシングルは他の曲も凄まじいので、次回以降に書きます。