元ヴィジュアル系ウタウタイの歌詞は今もやっぱりヴィジュアル系だった?!
「ビジュアル系バンドの「歌詞あるある」を調査して曲を書いてみた」という記事を読んだ。
調査は2017年、記事更新は2019年だが、とても面白くて笑いながら読んでしまった。
実際に使われているかどうかは別として、ヴィジュアル系の歌詞に使われていそう!というイメージの言葉がよく分かる。一般人へのアンケートなので、ありそう!と思うフレーズが満載なのだ。
元々は、ウタウタイ浅岡雄也さんに関する記事を書こうとして目に入ったのだが。
浅岡雄也さんって一体…?と思われた方はコチラを御覧ください(推しなのに雑な扱いですみません)。
バンドFIELD OF VIEWのボーカルとして95年にデビュー、02年解散。03年7月30日からソロ活動開始、20年ごろからFIELD OF VIEWとしてもふわっと再活動中です。
記事の最後にある、1位から20位までの言葉を繋いだ歌詞に浅岡さんならどんな曲を付けるかも興味がありますが、このランキング20位以内の言葉って、浅岡さんの歌詞にも出て来がちじゃね…?と気付いた筆者。
何を隠そうって別に隠していないが、浅岡雄也さんは元ヴィジュアル系なのです。
ご本人提出の証拠写真はコチラ。
(投稿は2019年。2024年現在、浅岡さんは55歳です。)
FIELD OF VIEWのスーツ姿の爽やかお兄さん、の顔の下にはこんなヴィジュアル系の一面を隠し持っていたのだ。何がどうしてそうなった?人に歴史ありだなぁ、と思えるくらいには筆者も成長したぞ。
て事で、1位から20位までの言葉が実際に浅岡さんの歌詞に使われているかどうか調べてみました!
と言っても、筆者は浅岡さんソロ歴に空白期間があり、全ての楽曲に精通しているわけではありません、とお断りしておきます。
あくまで、現在の筆者が通って来たアルバムとシングル曲の中で探します(アルバムは5,7,8,9,11枚目あたりはまだ通っていない)。
なのに面白そうという理由だけで記事を書いちゃう!すごい勇気だな、自分。
更に、歌詞全体をExcel等で統計的に集計したものでもありません。
あー、この単語あった気がする!っていう感覚?記憶力?体力勝負?あとは持ってるCDの歌詞カード全部読む!必ず、ホシを挙げるっ!ハイッ!捜査一課長のノリでやっちゃいます!
浅岡さんが歌詞を公開しているnote、カクヨムでは単語検索をしました。共作は除きます。
ランキングと全く同じ言い回しじゃなくとも、単語が出てくれば使われている、とカウントします。今後、空白が埋まった時には追加して変わるかもしれません。
もし「この曲にもありますよ」とご存知の方がいらしたら、コメント欄で遠慮なく教えてくださいね(って初めて書いてみた。ドキドキ)。
また、ソロになる前のFIELD OF VIEW時代に作詞された作品は含みません。FIELD OF VIEWはヴィジュアル系ではないので使われていないはず、という理由。もし出てきたら驚きだなあ。いつか調べてみようかな。
なお、ランキングの順位は前出の記事「ランキングー」から引用する。また、浅岡さんの歌詞は歌詞カード、note、カクヨムから引用する。
ところどころ筆者の突っ込みが入りますが、行ってみよう!
第20位:そっとしがち
そっとありました。
結果:1曲
第19位:まどろみがち
まどろみながら調べた覚えはないのですが、なさそうです。
結果:0曲
第18位:蜃気楼って言いがち
それこそ蜃気楼だろうな…と思ったら。
思わず、あった!と叫んでしまった。
ちなみに、FIELD OF VIEWには「蜃気楼」(2001年)というシングルがあります。作詞は浅岡さんではなく、高森健太さんとJane-Fさんです。
(タワーレコードオンラインより)
結果:1曲
第17位:闇に溺れがち
溺れていないが、深い。
闇を溶かす、ってすごいな。
溺れてはいないが、深い、その2。
この2曲は闇にいるのではなく、対比表現としての闇。
他「ラララ セカイ」にも登場。
結果:6曲
第16位:切り裂きがち
なさすぎて歌詞カード切り裂きがちに…はなりませんが。
結果:0曲
第15位:血を流しがち
流石に血は流れないんじゃないか?と思ったら、流れてたよ!流血の惨事だよ!
タイトルは儚いのに中身がなかなかハード。
転んで怪我をしたが流血まではしない歌詞もあり。残念!(なのか?)
冷静に読むと結構すごい内容。
酔っ払いあるある?
結果:1曲
第14位:堕ちがち
堕ちてなくて、堕ちそうなんですね。
結果:1曲
第13位:壊れがち
2曲は壊れるというより、壊してます。積極的。
ココロが壊れてます。
直に「何もかも壊したい」って言ってるのがヴィジュアル系っぽいな。
他「サヨナライツカ」「R&R cRAzy」「世界の果てで逢いましょう」にも登場。
結果:8曲
第12位:翼広げがち
表記は違えどファーストアルバムから翼拡げてます。
こちらも拡げてますね。
結果:2曲
第11位:張り裂けがち
見つからなくて胸が張り裂けそうです。
結果:0曲
さて、トップ10に突入です。
第10位:「君二捧グ…」←カタカナにしがち
このままはなさそうだが、そもそも
浅岡さん、いろいろカタカナにしがちです!(笑)
ご紹介してきた曲名、アルバムタイトルにカタカナが多い!なので結構混乱する!
捧げるのはこれかな。
特に浅岡さんは「心」をカタカナにしがち!
「浅岡雄也頻出単語集」があったらトップ3に入るくらい「ココロ」が頻出します。
結果:カタカナが多くてカウント不可能。
第9位:彷徨いがち
もうね、彷徨いまくってます!これが一番ツボだったな。
ファーストアルバムではひらがな表記。
タイトルから既に彷徨ってるよ。
自ら彷徨ってるわけではない、のだな。
自ら彷徨っている、のだな。
結果:4曲
第8位:キミが見えなくなりがち
筆者の目にも見えなくなりました。
結果:0曲
第7位:狂いがち
見つからないので狂いそうになりました。
ライブでは叫んでいるので、てっきりあるかと思ったのだが。
結果:0曲
第6位:孤独に震えがち
震えてないけど、蒼くなってしまった。
隠されてます。
負けないで。
他「Re:start」「鐘の音」「君の翼で」「Rainbow〜あの虹の向こうへと〜」「儚き歌」にも登場。
結果:8曲
第5位:薔薇が舞いがち
これはさすがにないでしょ…と思っていたら違う花が舞っていた!
季節と花びらってことは桜だな。
春なので、やっぱり桜だな。
花と言えば桜、だな。
薔薇ではなく桜が舞いがちでした。新発見!
舞わない薔薇もあった。
色ですね。この曲はイントロが高橋幸宏さんの「6月の天使」のオマージュだが、歌詞に天使は出てこない。
結果:0曲
第4位:天使舞い降りがち
これもなさそうと思ったら、あった。
手、だけど。
お!地獄も出てきてすごくヴィジュアル系っぽい言い回し!
結果:2曲
第3位:「刹那」って言いがち
歌詞を見る前は「切な過ぎる」だと思ったが意表を突かれた表記。
漢字で「刹那」はものすごくヴィジュアル系っぽい。
「ナツイロノセツナ」(アルバム「ウタハトビラヲアケテユク」2009年)という曲もありますが、筆者はまだ通っておらず。「刹那」かな?
結果:2曲
第2位:MARIA(マリア)登場しがち
残念!登場しない。浅岡さんの歌詞に個人名は出てこないな。「神」は出てくるが。
「マリア」という曲名で思い浮かぶのは?
という質問の回答がT-BOLANか浜崎あゆみさんかで微妙な年代の溝が出現します(当方調べ)。
世代的にあゆだけど、馴染んでいるのはT-BOLANなのでT-BOLANが出てくる筆者。友人達には、あゆでしょ〜と突っ込まれてしまった。
結果:0曲
第1位:運命←「さだめ」と読みがち
ありそうでないのは運命(さだめ)なのか…。
そのまま、うんめいと読む歌詞はあります。
漫画であるあるなやつ?朝の通学路で出会い頭にぶつかった相手が何と転校生!的な。
「悪魔」と歌う浅岡さんの声が天使です。
他の漢字で「さだめ」と読む歌詞もある。
「生命」を「さだめ」と読んでいます。
結果:0曲
まとめ
何と浅岡さん、まさかのヴィジュアル系っぽい歌詞が満載でした!
20位中使われていたのは12個(60%)、発見できなかったのは8個(40%)。
60%もあるって、すごくない?!
さすが元ヴィジュアル系!と言うべきか。浅岡さんは実は正統派なヴィジュアル系の流れを汲む作詞家ってことなのか?いやこうなったらもはや、まだヴィジュアル系なのでは?!(んな訳ない)
もしかして、まだ耳にしていないアルバムの中に残りの4つが入っているのかも?そうしたら完全なるヴィジュアル系になってしまうのか?!(ならんだろ)
あとの40%は、まどろみを切り裂いて狂った薔薇が舞い散る時、張り裂けそうなマリアとキミが見えなくなる運命、なのだろうな(何だそれ)。
一番使われていたのは同数8曲で「孤独に震えがち」と「壊れがち」でした。2番目は6曲で「闇に溺れがち」でした。
孤独に震えて壊れて闇に溺れる、これだけでもヴィジュアル系っぽい。
孤独が多いのは意外だな。前向きな歌詞が多い印象なので。孤独から抜け出して未来へ向かう、という構成が多いのかも。
浅岡さんの場合、歌詞に闇が出て来ても、歌声が高く明るいので、闇と光が一曲の中で相殺されている事が多い。救いがないまま闇堕ちする事はあまりないのが特徴かと(ライブだと歌声がダークで闇堕ちする事もあり)。
思いっ切りダークで闇堕ち一辺倒な曲もいつかお披露目して下さるのをお待ちしております。
薔薇じゃなくて桜が舞いがちなのは発見でした。春の明るく爽やかなイメージだな。そこは持って生まれた爽やかさが薔薇ではなく桜を選ばせるのか。
当て字は結構使っていますが「運命=さだめ」がないのも意外。
「壊れる」はあるが、「切り裂く」「張り裂ける」はない。具体的に傷付くような強い表現はないのかも。「壊れる」は、粉々とか部分的にとか直せる程度だとか幅があるが、「裂ける」はもう元に戻らないほど傷付いているし、直接的に傷を付けてしまうから使われていないのか。優しさの表れ?
カタカナ使いがちなのはソロになってからずっとですが「ココロ」頻出を再確認しました。他にも頻出がありそう。
マリアもなし。そもそも人名が歌詞に出てくる曲自体がヴィジュアル系関わらず少ないか?(思い付くのは古くはナツコ、ヨーコからツトム、ダイスケかなって、世代がw)ググるともっとありますね。
ヴィジュアル系の場合は、個人名というよりは聖母マリアという意味でマリアが使われていそう。
曲についてはYMO、高橋幸宏さんの影響がある、とライブで語ることがありますが、歌詞についてはあまり言及がないようです(あくまで筆者の知っている範囲で。どこかで語っていらっしゃるならば知りたいです。ご存知の方はコメント欄へどうぞ!)。
おそらく、BOØWYやBUCK-TICKの影響も多少あるのではないかと思われます。
2つの記事で少し触れられています。
2019年
2021年
憧れが無意識のうちに出てしまうのは、影響されているって事だろうなと。いかんせん、筆者が2つのバンドに詳しくないので具体的には書けませんし推測の域を出ませんが、ヴィジュアル系っぽい歌詞が多いのは、一つにはこういうルーツをお持ちのためかもしれません。
一見、誰の耳にも嫌な引っかかりがない分かりやすい言葉を選んでいると思いきや、一歩踏み込むとヴィジュアル系の持つダークな世界の片鱗を覗かせる、隠れヴィジュアル系って事なのかも。
今回はヴィジュアル系っぽいというテーマでの考察でした。
歌詞の考察は毎回楽しいのですが、すごく楽しかった〜。歌詞カードから言葉を発見するのが謎解きみたいで。こういうテーマって自分ではなかなか思いつかないんですよね。好きすぎて一曲を考察すると細かくなってしまうので。大きなテーマに沿って、楽曲全体を考察するのは新しい視点でした。自作自演か提供曲か、で分けても面白そうです。
CDを持っているファーストアルバムから歌詞カードを読んでみると、改めてすごい数の曲を作詞・作曲されて来たんだなと思いました。ソロデビューしてからの年数を思えば、自演曲や提供曲など足跡たる楽曲数も膨大ですね。
浅岡さんの作詞家としての一面をいつもと違った切り口で見ることができました。
そして本日、7月30日はソロデビュー記念日です。2024年で21周年、おめでとうございます!
実はまだ書きたい浅岡さんとヴィジュアル系歌詞の記事がありますが、また今度にします。
今回が自己最長の7300文字の記事になるとは…。
あ、もしやヴィジュアル系以外にも、演歌ぽいとかアイドルぽいとかで考察できちゃったりするのか?と気付いてしまった…!
まさかのシリーズ化?!
インターネット情報は2024.7.30確認。